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51.森までの道中
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道中、保護をしている魔獣や獣人達の事を話しながら森へ帰る。
王太子がこんなに城を開けていて良いのかと言えば、少し苦笑しながらも大丈夫だと思いますなんて答えられて不安しかない。
第二王子殿下があれなので、優秀なものは大抵第二王子殿下の側近に選ばれていたのに、軒並み謹慎という処分中だ。国王陛下と王太子殿下で裁かなければいけない書類は多いだろうし、次期王太子妃が不在となれば、その分の仕事も三人で割り振るだろう。
少し長い旅程を一緒に居れば、それなりに打ち解けようと王太子殿下もするわけだが、フィンに至っては気配を完全に消す程、存在感を無くしている。……王太子ともあろう方が獣人に対して差別や嫌悪がないのならば打ち解けやすい筈では……?と疑問に思ってはいたが、フィンが嫌なら仕方ない。
その分、聖獣の話を中心的に聞いていた。王太子殿下はどうやら聖獣に対して探してお礼を言いたいという熱量が強いようだ。それだけでなく、獣人達の身体能力が素晴らしいと目を輝かせて言っていた。1つの個性として受け入れてしまえば良い、奴隷なんて勿体ない、一緒に笑顔で働ければ、その能力はもっと発揮するのに……と。
◇
「僕も獣人の方々に会って良いですよね」
森が近づくと、王太子殿下は笑顔で有無を言わさぬ言葉を放った。流石に、道中あれだけ目を輝かせて獣人達の話をしていた以上、言ってくるかなとは思っていたが……。無碍に断る事も出来ない……というか、両親や村の人達である程度慣れてるから大丈夫だと思うけれど……一国の王太子殿下なんだよな……。
チラリとフィンを盗み見ると、気配を消しながらも頷いていた為、大丈夫だと言う判断を下したのだろう。まぁいきなり殴りかかってくるという事はないだろうし、あっても警戒心丸出しで遠巻きに珍獣を見るかのようにしている様子が想像できた。
「はい、大丈夫で……」
ドカ――ンッ!!!!!
私が頷き、言葉を発した瞬間、とんでもない爆音が聞こえてきた。危険を察したフィンが窓の外を見ると同時に、私や王太子も爆発音の方向を探ると……。
「森!?」
王太子殿下が叫び、馬車から飛び降りた。森はもうすぐそこで、入り口は目視出来る距離だ。走った方が早い。
そんな事をしている間にも、次々と爆音のような音が響く。
私やフィンが下りた事にも気が付いた王太子は、私に道案内を頼みながらフィンと共に後ろについてくる。その間にも、嫌な予感で心が騒ぐ。入口からずっと、かろうじて道と言われていたような場所が見事に切り開かれているのだ。更には保護施設がある方向で爆音が聞こえているし、近づくにつれて剣のような金属音まで聞こえるのだ。
「何事!?」
道を抜けた先の光景を見て、私は絶句した。
森を破壊するかのように暴れる人物、そして……壊れた保護施設に。
王太子がこんなに城を開けていて良いのかと言えば、少し苦笑しながらも大丈夫だと思いますなんて答えられて不安しかない。
第二王子殿下があれなので、優秀なものは大抵第二王子殿下の側近に選ばれていたのに、軒並み謹慎という処分中だ。国王陛下と王太子殿下で裁かなければいけない書類は多いだろうし、次期王太子妃が不在となれば、その分の仕事も三人で割り振るだろう。
少し長い旅程を一緒に居れば、それなりに打ち解けようと王太子殿下もするわけだが、フィンに至っては気配を完全に消す程、存在感を無くしている。……王太子ともあろう方が獣人に対して差別や嫌悪がないのならば打ち解けやすい筈では……?と疑問に思ってはいたが、フィンが嫌なら仕方ない。
その分、聖獣の話を中心的に聞いていた。王太子殿下はどうやら聖獣に対して探してお礼を言いたいという熱量が強いようだ。それだけでなく、獣人達の身体能力が素晴らしいと目を輝かせて言っていた。1つの個性として受け入れてしまえば良い、奴隷なんて勿体ない、一緒に笑顔で働ければ、その能力はもっと発揮するのに……と。
◇
「僕も獣人の方々に会って良いですよね」
森が近づくと、王太子殿下は笑顔で有無を言わさぬ言葉を放った。流石に、道中あれだけ目を輝かせて獣人達の話をしていた以上、言ってくるかなとは思っていたが……。無碍に断る事も出来ない……というか、両親や村の人達である程度慣れてるから大丈夫だと思うけれど……一国の王太子殿下なんだよな……。
チラリとフィンを盗み見ると、気配を消しながらも頷いていた為、大丈夫だと言う判断を下したのだろう。まぁいきなり殴りかかってくるという事はないだろうし、あっても警戒心丸出しで遠巻きに珍獣を見るかのようにしている様子が想像できた。
「はい、大丈夫で……」
ドカ――ンッ!!!!!
私が頷き、言葉を発した瞬間、とんでもない爆音が聞こえてきた。危険を察したフィンが窓の外を見ると同時に、私や王太子も爆発音の方向を探ると……。
「森!?」
王太子殿下が叫び、馬車から飛び降りた。森はもうすぐそこで、入り口は目視出来る距離だ。走った方が早い。
そんな事をしている間にも、次々と爆音のような音が響く。
私やフィンが下りた事にも気が付いた王太子は、私に道案内を頼みながらフィンと共に後ろについてくる。その間にも、嫌な予感で心が騒ぐ。入口からずっと、かろうじて道と言われていたような場所が見事に切り開かれているのだ。更には保護施設がある方向で爆音が聞こえているし、近づくにつれて剣のような金属音まで聞こえるのだ。
「何事!?」
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森を破壊するかのように暴れる人物、そして……壊れた保護施設に。
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