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令嬢は仲間を見つけたようです
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翌日、私はギルドに素材の買取をお願いした。
ズドドオオオオオォォォン。
私はゴブリンキングのコアを含むそのほかの素材全てをカウンターに置いた。
「えっ、サルビアさん、これ、全部ですか?」
「ええ、そうですが?」
ハニカさんの驚き様に釣られて私も驚いた。そんな形相で見ないでください、ハニカさん...。ハニカさんは素材を持って奥のカウンターにてきぱきと運ぶ。
「それでは、鑑定が終わるまでしばしばお待ちくださいね」
「…ハニカさん、トワという冒険者をご存じですか?」
「トワ…...ってもしかしてA級冒険者のあのトワさんでしょうか。…...サルビアさん、いいですか。トワさんはずいぶん
昔から冒険者として活躍しているんです。噂では数十年に一度、ギルドを転々と移りながら、冒険者として活躍しているらしいです。年齢不明、経歴不明、まあ、そんな冒険者はたくさんいますが、彼は特にそうなんですよ」
声高に話すハニカさん。
「そうなんですか…...」
「トワさんと一緒に討伐したんですか?それなら、この可笑しな量にも納得です」
「は、は、は…...そうですか」
これは、私が単独討伐したことは言わない方が得策ですね。
「そういえば、サルビアさんはパーティーは組まれないのですか?」
「パーティー……」
あの洞窟に置いて言った輩もパーティーだったわね。ふと、思い出した。
「そうです。一般に、駆け出しの方はパーティーを組むことでローリスクでハイランクの素材が手に入りますし、何より、強いメンバーの戦い方を参考に成長できるというメリットもあります。まあ、サルビアさんは最初に同行したメンバーが最悪でしたのでためらう理由も分かりますが」
確かに、パーティーを組むメリットは少ない。大抵の魔物は自分の手で狩れる。けど、先日遭遇したトワさんとの食事はとても…...。
「そうですね。一人思い当たる人がいます。その人に聞いてみようかな…」
「それは、トワさんですか?」
「ええ、先ほどのお話から、あまりパーティーを組むことに興味はなさそうですが、一応あたってみようと思います」
「そうでしたか。あ、噂をすれば…トワさん」
ハニカが軽く手を振った先にはトワさんが丁度、ダンジョンから帰ってきた処だった。
「うん?…...あー、サルビアか。昨日ぶりだな」
「ええ。トワさんは朝からダンジョンに潜っていたのですね。…あの、お願いがありまして、少し時間を頂けませんか?」
「ああ、かまわない。ハニカ、この素材の鑑定を頼む」
「分かりました」
「サルビア、話はここのカウンターで大丈夫か?」
「ええ...」
ギルド内には、カウンターがあり、ギルドは、カフェとも提携しているため、カウンターで食事を楽しむことも可能だ。トワさんが、ダンジョン帰りで私も昼食がまだだったのでお互い飲み物と食事を注文してから、話すことにした。
「…...それで、単刀直入に言いますが、私とパーティーを組んでほしいのです」
もう、会うこともないと思った青年に私は、パーティーを組むことを提案した。
自分でも不思議に思う。
「パーティーか…それは、メンバーは俺とサルビアだけか?」
「はい。他のメンバーも誘う事になると、逆に危険になると思います」
「力の差か…」
「正直、トワさんの力も常人の力量ではないとお見受けします」
「も…...…」
「そうです。私も先日の貴方や先ほどのハニカさんの反応で多分私はソロの冒険者として活動すれば、素材の珍しさを不思議に思われるでしょう。先ほどのように。しかし、トワさんがいればかなり強い魔物を討伐したとソロの不思議に思われないでしょう。それに、トワさんは、私が魔物を食すことを知っている…それだけで大分安心して、旅を続けられます。」
「…分かった。パーティーを組もうか。よろしくな」
「よろしくお願いします、トワさん!」
「トワでいい、敬語も出来ればなしで頼む」
「分かったわ。けど、この丁寧語は根っからのものなのよね。多少、抜けない処はあるけど、そこのところご承知くださいね…」
「ああ」
私たちはパーティーを組むことにした。パーティー名は最初に出会った洞窟の名「グロッツ・ブルー」にした。何個かふたりでひねり出そうとしたがどちらとも名づけのセンスが無かった。
今日は食事後に各自準備をすることになり、ギルドからの依頼をこなすのは翌日からにした。私の願いをトワが受け入れ、「スケルトン討伐」を引き受けることにした。
「…ていうか、トワさん…ああ、トワ、これがハンバーグというものですね。実は食べたことがないんですよ。この肉にかけられているソースの匂い、この味…たまりません。中にはチーズが3種類も入ってますよ。私、ここ数年、肉は魔物のものしか口にしていなくて、こんなに美味しいものは食べたことがありません。」
「……そうか」
「はい、トワさんのはパスタですよね?なんと、魚介系ですか?これまた美味しそう…。魔物の肉でも作れないかな……あ、このスープは……」
私の食い気味の食レポと新メニューの開発?にトワがかなり引いていたことは語るまでもないだろう。
ズドドオオオオオォォォン。
私はゴブリンキングのコアを含むそのほかの素材全てをカウンターに置いた。
「えっ、サルビアさん、これ、全部ですか?」
「ええ、そうですが?」
ハニカさんの驚き様に釣られて私も驚いた。そんな形相で見ないでください、ハニカさん...。ハニカさんは素材を持って奥のカウンターにてきぱきと運ぶ。
「それでは、鑑定が終わるまでしばしばお待ちくださいね」
「…ハニカさん、トワという冒険者をご存じですか?」
「トワ…...ってもしかしてA級冒険者のあのトワさんでしょうか。…...サルビアさん、いいですか。トワさんはずいぶん
昔から冒険者として活躍しているんです。噂では数十年に一度、ギルドを転々と移りながら、冒険者として活躍しているらしいです。年齢不明、経歴不明、まあ、そんな冒険者はたくさんいますが、彼は特にそうなんですよ」
声高に話すハニカさん。
「そうなんですか…...」
「トワさんと一緒に討伐したんですか?それなら、この可笑しな量にも納得です」
「は、は、は…...そうですか」
これは、私が単独討伐したことは言わない方が得策ですね。
「そういえば、サルビアさんはパーティーは組まれないのですか?」
「パーティー……」
あの洞窟に置いて言った輩もパーティーだったわね。ふと、思い出した。
「そうです。一般に、駆け出しの方はパーティーを組むことでローリスクでハイランクの素材が手に入りますし、何より、強いメンバーの戦い方を参考に成長できるというメリットもあります。まあ、サルビアさんは最初に同行したメンバーが最悪でしたのでためらう理由も分かりますが」
確かに、パーティーを組むメリットは少ない。大抵の魔物は自分の手で狩れる。けど、先日遭遇したトワさんとの食事はとても…...。
「そうですね。一人思い当たる人がいます。その人に聞いてみようかな…」
「それは、トワさんですか?」
「ええ、先ほどのお話から、あまりパーティーを組むことに興味はなさそうですが、一応あたってみようと思います」
「そうでしたか。あ、噂をすれば…トワさん」
ハニカが軽く手を振った先にはトワさんが丁度、ダンジョンから帰ってきた処だった。
「うん?…...あー、サルビアか。昨日ぶりだな」
「ええ。トワさんは朝からダンジョンに潜っていたのですね。…あの、お願いがありまして、少し時間を頂けませんか?」
「ああ、かまわない。ハニカ、この素材の鑑定を頼む」
「分かりました」
「サルビア、話はここのカウンターで大丈夫か?」
「ええ...」
ギルド内には、カウンターがあり、ギルドは、カフェとも提携しているため、カウンターで食事を楽しむことも可能だ。トワさんが、ダンジョン帰りで私も昼食がまだだったのでお互い飲み物と食事を注文してから、話すことにした。
「…...それで、単刀直入に言いますが、私とパーティーを組んでほしいのです」
もう、会うこともないと思った青年に私は、パーティーを組むことを提案した。
自分でも不思議に思う。
「パーティーか…それは、メンバーは俺とサルビアだけか?」
「はい。他のメンバーも誘う事になると、逆に危険になると思います」
「力の差か…」
「正直、トワさんの力も常人の力量ではないとお見受けします」
「も…...…」
「そうです。私も先日の貴方や先ほどのハニカさんの反応で多分私はソロの冒険者として活動すれば、素材の珍しさを不思議に思われるでしょう。先ほどのように。しかし、トワさんがいればかなり強い魔物を討伐したとソロの不思議に思われないでしょう。それに、トワさんは、私が魔物を食すことを知っている…それだけで大分安心して、旅を続けられます。」
「…分かった。パーティーを組もうか。よろしくな」
「よろしくお願いします、トワさん!」
「トワでいい、敬語も出来ればなしで頼む」
「分かったわ。けど、この丁寧語は根っからのものなのよね。多少、抜けない処はあるけど、そこのところご承知くださいね…」
「ああ」
私たちはパーティーを組むことにした。パーティー名は最初に出会った洞窟の名「グロッツ・ブルー」にした。何個かふたりでひねり出そうとしたがどちらとも名づけのセンスが無かった。
今日は食事後に各自準備をすることになり、ギルドからの依頼をこなすのは翌日からにした。私の願いをトワが受け入れ、「スケルトン討伐」を引き受けることにした。
「…ていうか、トワさん…ああ、トワ、これがハンバーグというものですね。実は食べたことがないんですよ。この肉にかけられているソースの匂い、この味…たまりません。中にはチーズが3種類も入ってますよ。私、ここ数年、肉は魔物のものしか口にしていなくて、こんなに美味しいものは食べたことがありません。」
「……そうか」
「はい、トワさんのはパスタですよね?なんと、魚介系ですか?これまた美味しそう…。魔物の肉でも作れないかな……あ、このスープは……」
私の食い気味の食レポと新メニューの開発?にトワがかなり引いていたことは語るまでもないだろう。
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