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幕を降ろす日、片眼鏡は執務室にて。
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もうすぐ、
もうすぐ君が手に入る。
世界で一番幸せにすると誓うよ。
だから、迎えに行くまで待っていてね。
俺の愛しいお姫様。
扉の向こうで第2王子と男爵令嬢の嬌声が聞こえる。
第2王子の執務室で、私、シューレン・マッケナは一人シャルドネの入ったグラスを見つめていた。
くるくるとグラスを揺らし、煌めく様を見つめ、動く度に煌めき、白金に黄金にと輝いていた白金髪に想いを馳せる。
第2王子の婚約破棄騒動から一年が経った。
マリアを奪い合い、未だ西モンテン、リブレー、バレイの3国がいざこざを起こしていた。
それを静観する我が国では、先日、亡き正妃の唯一の子である第2王子が、立太子する予定を撤回され、側妃から産まれた第一王子が時期王太子として内定した。
隣で励んでいる二人はまだその事実を知らないが。
とはいっても、第1王子も立太子にはさほど興味がない。
何故なら、将軍職を任されてる第1王子と私は、この期に乗じて侵略の準備を進めているのだ。
例え立太子出来なくとも、侵略する国が1つ増えるだけだ。
西モンテン国とリブレー王国は、もうすぐクーデターが起きる。
国の中枢にいる奴らがマリアにうつつを抜かしたり、そんな間抜けを御そうとジタバタしている間に、属国の王で良いから王位が欲しいと想っている奴に足許を掬われるのだ。
傾国、とは良くいったものだ。
まもなく、この国は大帝国になる。
第一王子を皇帝に据えて。
そして、俺はバレイ王国を貰い、マリアクリスティナを王妃に属国の王の一人となる。
ずっと前からこの為に動いてきた。
ふと、私しか居ない執務室を見渡す。
ラインハルトは死の商人まがいの事業と貿易で荒稼ぎ、今や大陸中に名を轟かす大商会の主となった。
タイソンは昔から、王子の側近なんかより、命を賭して戦場を駆け敵軍に血の雨を降らせたいと言っていただけあって、軍の中でめきめきと頭角を表しているらしい。
今はバレイ国近くの砦で開戦の合図を今か今かと待っている事だろう。
又、今回の功績で将軍の職を賜るだろう。
「この一年、自分の側近が二人も居なくなってるってのに盛ってばっかりで気付きもしないとは思わなかったが、お陰で私もやり易かったよ。」
もうすぐ全てが手に入るという油断から、つい口に出してしまったが、幸い嬌声にかき消された。
まだ少し時間があるので、マリアの事を考える。
もうすぐ君が手に入る。
世界で一番幸せにすると誓うよ。
だから、迎えに行くまで待っていてね。
俺の愛しいお姫様。
扉の向こうで第2王子と男爵令嬢の嬌声が聞こえる。
第2王子の執務室で、私、シューレン・マッケナは一人シャルドネの入ったグラスを見つめていた。
くるくるとグラスを揺らし、煌めく様を見つめ、動く度に煌めき、白金に黄金にと輝いていた白金髪に想いを馳せる。
第2王子の婚約破棄騒動から一年が経った。
マリアを奪い合い、未だ西モンテン、リブレー、バレイの3国がいざこざを起こしていた。
それを静観する我が国では、先日、亡き正妃の唯一の子である第2王子が、立太子する予定を撤回され、側妃から産まれた第一王子が時期王太子として内定した。
隣で励んでいる二人はまだその事実を知らないが。
とはいっても、第1王子も立太子にはさほど興味がない。
何故なら、将軍職を任されてる第1王子と私は、この期に乗じて侵略の準備を進めているのだ。
例え立太子出来なくとも、侵略する国が1つ増えるだけだ。
西モンテン国とリブレー王国は、もうすぐクーデターが起きる。
国の中枢にいる奴らがマリアにうつつを抜かしたり、そんな間抜けを御そうとジタバタしている間に、属国の王で良いから王位が欲しいと想っている奴に足許を掬われるのだ。
傾国、とは良くいったものだ。
まもなく、この国は大帝国になる。
第一王子を皇帝に据えて。
そして、俺はバレイ王国を貰い、マリアクリスティナを王妃に属国の王の一人となる。
ずっと前からこの為に動いてきた。
ふと、私しか居ない執務室を見渡す。
ラインハルトは死の商人まがいの事業と貿易で荒稼ぎ、今や大陸中に名を轟かす大商会の主となった。
タイソンは昔から、王子の側近なんかより、命を賭して戦場を駆け敵軍に血の雨を降らせたいと言っていただけあって、軍の中でめきめきと頭角を表しているらしい。
今はバレイ国近くの砦で開戦の合図を今か今かと待っている事だろう。
又、今回の功績で将軍の職を賜るだろう。
「この一年、自分の側近が二人も居なくなってるってのに盛ってばっかりで気付きもしないとは思わなかったが、お陰で私もやり易かったよ。」
もうすぐ全てが手に入るという油断から、つい口に出してしまったが、幸い嬌声にかき消された。
まだ少し時間があるので、マリアの事を考える。
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