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後期だ!(まだ始まってない)
114: 地味令嬢初めての舟遊び、ヤンキーはプライベートをゆったり楽しみたい。
しおりを挟む目が覚めたら、アレックスに抱かれたまま馬車に乗っていて、
短時間でもぐっすり寝たせいか大分体力が回復していた。
状況が飲み込めず、
暫くアレックスの優しい笑顔をほげーっと見詰めた後、
どうしてこうなったかを理解して縮こまった。
アレックスは何も言わず、只、何度も、腕の中の私にキスを降り注ぐ。
私は、それはもう、申し訳無さとか恥ずかしさとかで、
状況を認識してから顔はこれでもかってくらい熱いし、
まともにアレックスの顔が見れなかった。
羞恥心を前々世に置き忘れた私に、これ程までの羞恥心が残っていたとは!
馬車を降りたら、令嬢達の大好きな区域、プラチナ区域だった。
王都の中でも最先端の流行が集まる、セレブの遊び場プラチナ区域。
私がそんなに歩けないだろうからと、近くを流れる水路へと進むアレックス。
勿論、お姫様抱っこ継続中です。
なんかもう、ずーっと抱かれてるからほっかほっかする。
初めて訪れたプラチナ区域は、真っ白な臭くないベネチアって感じだった。
白い大理石に金色の欄干や街灯が映える高級感溢れる町並みに、思わず溜め息が洩れる。
橋の下へと続く階段を降りれば、これまた白い幾つかのボートやゴンドラが停留していた。
アレックスが、その中の一際華やかな、
マリーアントワネットが池遊びに使いそうな小舟にずんずん近付いていく。
予約をしていた訳でもないだろうに、船頭らしき人物はこちらをちらりと見て、
アレックスが何か手で示しただけで頷いて出発の準備をしだした。
てか、流石プラチナ区域、
認識阻害で気づきにくい筈なのに、この船頭や馬車が到着した場所近くの大店の守衛や支配人なんかは私を視認していた。
すぐに視線を外したけれど、ちゃんと、認識阻害を掛けた人物がそこに来たという認識を持ってた。
通りすがりの貴族や、中位貴族向けの店なんかの従業員は私達を気にしなかったのに。
やっぱ、大店はそういう能力の高い人を雇ってるんだなぁ。
都会こわー。
こんなの、アレックスと一緒じゃなかったら絶対知れなかったな。
アレックスが私を抱いたまま小舟に乗り込む。
小舟は、ヴァイキングの船みたいに船頭と船尾がくるんっとなってて、真ん中に白いレースのカーテンが掛かった東屋みたいなのがあるデザインで、
船の縁や東屋のあちこちに蔦性のいい香りの花が垂れ下がっていた。
中に入れば中央にドーーンと低めのキングサイズの円形ベッドがあり、おしゃれなクッションが山盛りになっている。
あれだよね?
令嬢令息が自由に寛げるソファみたいな役割だよね?
何かこーゆーので遊ぶ貴族令嬢令息って憧れるわぁ。
凄い髪盛って顔白塗りしたい。
マリーアントワネットやモーツァルトの世界を妄想してる私をアレックスがベッドの真ん中におろしてくれる。
「わぁ、カーテンが!!」
外からは中が見えなかったレースのカーテンだが、中からはカーテンが見えなかった。
凄い!優美な彫刻が施された木枠しか見えない。
まぁ、木枠見えないと危ないよね。ゴン!するもんね。
「この舟はプライベートをゆったり楽しんだり、
ちょっとした商談なんかの時に使われるんだ。
ローブとって良いぞ。」
ローブとって良いって言われながら、ローブをとられる。
アレックスもベッドに上がって隣のクッションに背を預ける。
ゆるゆると動き出した小舟は、遠い遠い昔のベネツィアと違って爽やかな風を運んできた。
カンツォーネを唄うでもなくピガチーゥケンシーロホアタタタター!と私達を子供扱いしてきたあの船頭は天寿を全うしたんだろうか…。
ふいに、アレックスにキスされる。
どうやら、ここはそーゆー事をしても大丈夫な空間のようだ。
あ、プライベートをゆったりって、そーゆー?
思わず笑みを浮かべ、アレックスの舌を迎え撃つ。
キャピキャピと控えめにはしゃぐ令嬢達のゴンドラを舟が追い抜いた。
んー。幸せだけど、
やっぱ、露出に目覚めそうで少し怖いなぁ。
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