本編完結【R18】地味すぎる転生悪役令嬢、攻略対象と関わらずに…俺様ヤンキー公爵に絡まれる。Why?

syarin

文字の大きさ
206 / 354
後期!

207: 地味令嬢とヤンキーの麗らかなお散歩。

しおりを挟む


乱痴気騒ぎの後、寮室でシャワーを浴びて、
ヨロヨロと空き教室に向かう。

と、寮を出て暫く歩いた辺りでふわりと抱き抱えられる。

「おはよう、性悪猫。」

アレックスだぁーーー♡

「おはようございます、アレックス様。」

「ゆうべは随分と暴れたなぁ。」

「え"っ!?どーして知ってるんです?」

フフッと笑うだけのアレックスを見つめながら、何となく、悟っていく。

多分、夜のどっかの時点で帰ってきてたんだ……。

あんな乱痴気騒ぎを起こしてなかったら、一緒にお月見出来てたかと思うと、急激に体からやる気が全部抜けていき、私はアレックスの胸に顔を埋めた。

制服のジャケットを肩に掛けただけのアレックスの胸は、
ツルツルと上質な手触りのシャツの下に、ふかふかと立派な胸板が存在してて、
じわっと伝わる熱い位の温もりが、何だか久々で、嬉しかった。

「ちくしょぅ」

そう呟くと、アレックスが優しく頭にキスを落としてくれた。

「そう凹むなよ。来年は一緒に過ごそう。
 それに、昨日フェローが月見てる時に俺も月見てたし。
 ……今日も月は綺麗だから…な?」

女の子同士仲良くするのも大事だよ……。

なんて、優しく囁かれながら、午前の爽やかな空気の中、私はアレックスに運ばれて庭園へとやって来た。

「……ここは……?」

「まだ体怠いんだろう?そのまま俺に凭れて花でも眺めておけよ。」

首を伸ばして辺りを見回そうとしたら、そっと頭を胸に戻されてしまった。
折角だし、ありがたく享受する。

アレックスの逞しい胸板が、ホカホカと熱を分けてくれて、ほっぺがじんわり温くなる。
くっつけた耳から、穏やかな鼓動が届いて……。

アカーン眠ーい!視力がんばへー。何かきーまぎらわせー。

「……秋薔薇、そろそろ、見頃ですね……。」

ふと、鼻腔を擽る薔薇の香りに目を上げて、立派な蔓薔薇のアーチに笑みが零れる。

香りの強い紫の薔薇。
前世から、紫の薔薇が好きだったのを思い出す。
何故なら、紫は香りが強く名前が面白い品種が多かったから。
シャルル・ド・ゴールとか、ステンレススティールとかね。

アレックスが歩みを止めてくれたので、そっと、品種名を確かめる。



"六角怪鳥乃尾羽"って書いてあった。



「フフフ…ロッカクケチョウノオバネ?こんな色なんですか?」

「ハハハ…変な名前。判らん、俺も六角怪鳥とやらは見たことがない。今度図書館にでも調べにいこうか。」

"貴方の唇"
"アパタイト将軍"
"あからさまな偽り"
"素敵な恋人達"
"王立学園"

何だか面白くて、アレックスが歩きながら他の薔薇の品種名を読み上げてくれた。

ピンク、黄色、紅白斑、橙ピンク斑、赤、どれもちょっと、
色とか想像出来ない名前で、2人でケラケラ笑いながら庭園を進んだ。

薔薇園を抜けると、青々とした芝が気持ちいい丘が広がっていた。
その先に木枠で区切られて乗馬用のコースがある。

学園内にランドスケープ庭園があるとか、流石異世界、流石王国。

なんて感心してる私を余所に、アレックスはズンズンと進む。
付いたのは、小高い丘のてっぺん近く、さわさわと風に梢を揺らしている大きな木の傍だった。

マジックボックスから、いきなり大きな敷き布とその上に重なったカラフルな敷き布、クッションの山が出てきて、
あっという間に上位貴族のピクニック様相を呈する。

ワーーーォ☆




しおりを挟む
感想 122

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...