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きな臭い

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 部屋に案内された烈たちにはそれぞれ個室があてがわれていた。客人用の着替えや、酒やつまみなども用意されており、さながら一流ホテルの一室のようであった。その中には驚くべきものまであった。

「これは......大麻か? 俺の世界のものと同じなのかはわからんが、嫌な感じだな」

 烈が手に取ったのは、昔博物館で見たことのある、阿片パイプと、それに入れるための練り草であった。烈は自身の倫理観・道徳観からぽいと捨てた。

「貴族の中では嗜好品なのかもしれないが......すこし聞いてみるか」

 烈がガチャリとドアを開いて、廊下に出ると、真向いの部屋からラングが出てきた。

「よう? レツも殿に用かい?」

「まあ、そんなところだ。部屋の中に気になるものもあったしな」

「ははぁ。もしかしてかい?」

「ああ、あれはよくないものだろう?」

「あながちそうとも言えんさ。一部では麻酔にも使うらしいしな。だが、禁忌の代物だ。それだけじゃなく、感じているだろう?」

「ああ、二人......いや、逆の曲がり角にも一人いるな」

「そういうこと。護衛じゃなくて、見張りがいる上に、どうにも国士様の家にしちゃ豪華すぎる」

「その辺のことをすべてミアに確認しておきたいな。ここに来たことも含めて」

「だな。だったら早速入ろうぜ」

「ああ」

 烈は同意しつつ、ミアの部屋の扉をノックした。「は~い」と声が聞こえると、中からルルが出てきた。

「ルル? こっちにいたのか?」

「はい......その......少々聞きたいことがあったので......」

「ああ、ルルもか」

「え?」

「俺たちも聞きたいことがあってな」

「え!? もしかして、レツさんたちの部屋にもあったんですか!?」

「ん? ああ、こっちでは使うのが普通なのか念のため聞きたくてな」

「そ! そんな! 着るんですか!?」

「着る? 吸うんじゃなくてか?」

「吸う!!? 喉詰まっちゃいますよ?」

「いや、そんな大量に吸うというか、そもそも吸う気はないんだが......ん? さっきから何の話をしているんだ?」

「へ? スケスケのネグリジェの話じゃなくてですか?」

「ネグリジェ? いや、俺はパイプの話がしたくて......」

 誤解と分かって、ルルの顔が耳まで真っ赤になるのがわかった。後ろでミアが肩を震わせて笑っているのが見て取れる。どうやら男性陣に聞くわけにもいかず、勇気をもって相談にきていたようだ。烈は紳士的に、今までの会話を脳内から削除し、改めてミアに聞いた。

「色々と聞きたいことがあるんだが、いいか?」

 ミアは諦めたように肩をすくめた
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