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テポラの街で

3.黒の魔女

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「さて と とりあえず街までまあまあ距離あるし な少し話そう うん
まず ちょーっと提案がある」
「……………… あんまりいい提案ではない気がしますが 聞いておきます」
「いやいや 両方にとっていい提案だぞ? 君は色々な術を手に入れられるし 私はようやっと研究に没頭できる」
「 ん? 金さえ払えば色々と教えてやるってことでいいんですか?」
「あー ちょっと違う 
ちょっと私のクランに入ってくれないかという話なんだよ うん」
「話が全然見えないのですが……」
「いやね クランを作るってギルドにちゃんと申請して 事務所(?)までちゃんと用意したのはいいんだよ
人がね いなかったんだよ うん」
「……見切り発車ってやつですか?」
「いやー 人は結構簡単に集まると思ってたんだよねー
ただ まあ 大概の人はクランに入ってるわ
新人は大きなクランに行って人のいないクランには来ないわ うん
クランを作れば人は来る じゃなくて人のこないクランは消える っていうことだったんだなーって思い知ったね」
「人のいないクランに入るメリットは?」
「えーっと……
人数少ないから責任者がよく面倒を見れる…… とか
ギルドが気を使って 割のいい依頼を斡旋してくれる…… とか
クランとしてちゃんと活動できるから私がわざわざこんな所まで来てポーションの材料を取りにこなくてよくなることかな うん」
「最後のはいいとして…… 面倒って例えばどんなのです?」
「まあ ある程度の護身くらいはできるようにしてあげるさ 

まあ あとは 大きなとこに行って異世界から来たとかバレると 期待もあって使い潰されることがあるかもしれないけど 私のとこはそれがないことかな うん

そもそも使い潰す手段がない!!!」
「悲しいことをドヤ顔で言い切るのはやめましょうよ……
あー もう いいですよ 何も分からないですし一旦入りますよ!!」
「おー いい決断だな少年
私は…… あー クロエと言う
昔は黒の魔女とか言われてたけど最近は錬金術師アルケミストとしてしか動いてない よろしく頼む」
「僕は霧生 慶 です よろしくお願いします」
「さて 街に行ったら冒険者登録して その間に私がクラン登録をして そんで一応魔法の基礎とかを教えて……
色々やることが多いな うん
とりあえず冒険者登録云々は今日中にやってしまおう 善は急げ だ」
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