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本編
20.二人目の仲間①
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昼も一時間すぎた頃だろう
一度拠点に着いてから二人で拠点の周りを
確認して回って再度拠点前に戻って来た。
「ルシエルは疲れたろう、
俺は少しここの周りで役に立ちそうな物を
片っ端から取って来るから
少し休んで夕食後にルシエルが『鑑定』してくれるかな」
「はい、お義兄様」
「こまめに戻って来るけど何かあったら、
あちらの方向に行って来るから大声を出しながら逃げて来るんだよ。
お腹が空いたら食べ物と飲み物を少し置いておくから食べると良い」
「何から何までありがとうございます。」
私が返事をすると何度かこちらに振り返りつつ森の中に消えていった。
ここまで過保護だったかしら、当初のサバイバルの覚悟から
初めての遠足でパパの帰りを待つ小さな子供位になって来ている。
少し大きめの石に座りホッと一息ついた。
少し過ぎた頃に右前の草むらがガサっと揺れて人が出てきた。
「ヒッ・・・」
私は思わず悲鳴をあげそうだったが、その人は草むらからヨロヨロと出てくると
力尽きたのか倒れ込む様にその場で崩れ落ちた。
少しく神経質そうだが、金色の髪に一見冷たく見える碧眼
デスクワーク中心だから、スラリとした体躯。
よく見るとかなり汚れて入るが宰相の息子のルイード様だった
「初めまして綺麗なお嬢さん」
「全然初めましてじゃ無いですよね、薄情なルイード様」
「その声は、ルシエルさんですか?」
「眼鏡は、伊達メガネだと聞いていたんですが、違ったみたいですね」
「まあ、伊達で着けていた眼鏡では無いのは事実ですが
ルシエルさんがこんなに美しいと思っていなかったので
ビックリしたんですよ」
「なるほど、石投げて良いですか?
流石に見え透来過ぎたおべっかは聞きたくは無いので」
「この距離だと避けられそうに無いので石は勘弁して下さい。
それにおべっかというわけでも無いのですが。
とても魅力的なドレスも着られてますし。」
私はハッと現在はリリーナのドレスを着ている事を思い出して
お義兄様から借りてきているマントで前を隠した。
「小さい石をたくさんか、大きな石を一個かどっちが良いですか?
こんなのでも聖女様御用達のお着物ですよ・・・こんなのでも」
「石を投げられてしまうのは確定してしまったんですね
聖女のドレスという事は、コンテナの物資ですか。
では、デュークさんも同行しているんですよね」
「ええ、今でもその草むらから火炎魔法を打ち込む準備が出来てます」
「・・・本当に物騒なご義兄妹ですね」
「そうですか?
無実の罪で言い訳も聞いてもら得ずに極悪な犯罪を犯した罪人すら嫌がる島に
島流しするほどでは無いと思ってたんですが」
「・・・あの時は本当に申し訳ありませんでした。
実はこの後、デュークと取り引きをしようとしていたんですよ。
ですが、あなたが許せないほど私を嫌っているのでしたら
あなたを傷つけた罰としてデュークには会わずに
このままこの場をさりますよ」
「そうですね、感情的にはルイードさん個人が嫌いという事は無かったと思います。
冤罪で誰も助けてくれなかったうちの一人として嫌ってたかも知れません。
ですが私にも悪いとこありましたし、謝って頂けましたし、もういっかって気分ですね。」
「そう言って頂けると助かりますよ」
「ただ用心はしていますよ、噂が噂でしたので」
「?はて、
ちなみにどんな噂です?」
「陰険キザサド腹黒伊達メガネですかね」
「ハハハ
その内の幾つかは、聞いた事がありますが、
並べられると壮観ですね。
ぜひ参考までに誰から聞いたのか教えてください。」
「嫌ですよ、私もこれ以上評判悪くなりたくありませんし、
ところで、ルイードさん、調子悪そうですが、病気とか、怪我ですか?」
「ご心配ありがとうございます、単純に疲労と空腹と睡眠不足と喉の乾きですので
平気ですよ」
「確かに並べられると壮観な事ってありますね、
分かりました、お義兄様が帰って来るまで辛いでしょうから、
今少しだけ持っている食料と飲み物をお渡しします。
ですが、もし私に暴力を振おうとしたら、この後の交渉は一切無しで
茂みからあなたを狙っているお義兄様の火炎魔法が火を吹きますからね」
その後ルイード様に食べ物を渡して、ひと段落ついたのか
お互い取り止めも無い話しをした。
『あなたは本当に優しいかたですね』
話の途中で聞いたその言葉が本心に聞こえて、
もし断罪のあの日にそんな優しさをかけてくれてたら
きっと・・・
「やあ、焼き方は、ミディアムかウェルダンどちらが好みだ」
「・・・レアの選択すらない所に、殺意の高さを感じるよ。
久しぶりで良いのかな、デューク。」
振り向くと、片頬をあげた悪人顔で冷たく笑うお義兄様が、
片手に火炎魔法を発動して立っていた。
(ここに来て思うんですが、周りの人が皆悪役令嬢より
悪役っぽいんですが、聖女も含めて
私のキャラ取らないで欲しいんですが・・・)
一度拠点に着いてから二人で拠点の周りを
確認して回って再度拠点前に戻って来た。
「ルシエルは疲れたろう、
俺は少しここの周りで役に立ちそうな物を
片っ端から取って来るから
少し休んで夕食後にルシエルが『鑑定』してくれるかな」
「はい、お義兄様」
「こまめに戻って来るけど何かあったら、
あちらの方向に行って来るから大声を出しながら逃げて来るんだよ。
お腹が空いたら食べ物と飲み物を少し置いておくから食べると良い」
「何から何までありがとうございます。」
私が返事をすると何度かこちらに振り返りつつ森の中に消えていった。
ここまで過保護だったかしら、当初のサバイバルの覚悟から
初めての遠足でパパの帰りを待つ小さな子供位になって来ている。
少し大きめの石に座りホッと一息ついた。
少し過ぎた頃に右前の草むらがガサっと揺れて人が出てきた。
「ヒッ・・・」
私は思わず悲鳴をあげそうだったが、その人は草むらからヨロヨロと出てくると
力尽きたのか倒れ込む様にその場で崩れ落ちた。
少しく神経質そうだが、金色の髪に一見冷たく見える碧眼
デスクワーク中心だから、スラリとした体躯。
よく見るとかなり汚れて入るが宰相の息子のルイード様だった
「初めまして綺麗なお嬢さん」
「全然初めましてじゃ無いですよね、薄情なルイード様」
「その声は、ルシエルさんですか?」
「眼鏡は、伊達メガネだと聞いていたんですが、違ったみたいですね」
「まあ、伊達で着けていた眼鏡では無いのは事実ですが
ルシエルさんがこんなに美しいと思っていなかったので
ビックリしたんですよ」
「なるほど、石投げて良いですか?
流石に見え透来過ぎたおべっかは聞きたくは無いので」
「この距離だと避けられそうに無いので石は勘弁して下さい。
それにおべっかというわけでも無いのですが。
とても魅力的なドレスも着られてますし。」
私はハッと現在はリリーナのドレスを着ている事を思い出して
お義兄様から借りてきているマントで前を隠した。
「小さい石をたくさんか、大きな石を一個かどっちが良いですか?
こんなのでも聖女様御用達のお着物ですよ・・・こんなのでも」
「石を投げられてしまうのは確定してしまったんですね
聖女のドレスという事は、コンテナの物資ですか。
では、デュークさんも同行しているんですよね」
「ええ、今でもその草むらから火炎魔法を打ち込む準備が出来てます」
「・・・本当に物騒なご義兄妹ですね」
「そうですか?
無実の罪で言い訳も聞いてもら得ずに極悪な犯罪を犯した罪人すら嫌がる島に
島流しするほどでは無いと思ってたんですが」
「・・・あの時は本当に申し訳ありませんでした。
実はこの後、デュークと取り引きをしようとしていたんですよ。
ですが、あなたが許せないほど私を嫌っているのでしたら
あなたを傷つけた罰としてデュークには会わずに
このままこの場をさりますよ」
「そうですね、感情的にはルイードさん個人が嫌いという事は無かったと思います。
冤罪で誰も助けてくれなかったうちの一人として嫌ってたかも知れません。
ですが私にも悪いとこありましたし、謝って頂けましたし、もういっかって気分ですね。」
「そう言って頂けると助かりますよ」
「ただ用心はしていますよ、噂が噂でしたので」
「?はて、
ちなみにどんな噂です?」
「陰険キザサド腹黒伊達メガネですかね」
「ハハハ
その内の幾つかは、聞いた事がありますが、
並べられると壮観ですね。
ぜひ参考までに誰から聞いたのか教えてください。」
「嫌ですよ、私もこれ以上評判悪くなりたくありませんし、
ところで、ルイードさん、調子悪そうですが、病気とか、怪我ですか?」
「ご心配ありがとうございます、単純に疲労と空腹と睡眠不足と喉の乾きですので
平気ですよ」
「確かに並べられると壮観な事ってありますね、
分かりました、お義兄様が帰って来るまで辛いでしょうから、
今少しだけ持っている食料と飲み物をお渡しします。
ですが、もし私に暴力を振おうとしたら、この後の交渉は一切無しで
茂みからあなたを狙っているお義兄様の火炎魔法が火を吹きますからね」
その後ルイード様に食べ物を渡して、ひと段落ついたのか
お互い取り止めも無い話しをした。
『あなたは本当に優しいかたですね』
話の途中で聞いたその言葉が本心に聞こえて、
もし断罪のあの日にそんな優しさをかけてくれてたら
きっと・・・
「やあ、焼き方は、ミディアムかウェルダンどちらが好みだ」
「・・・レアの選択すらない所に、殺意の高さを感じるよ。
久しぶりで良いのかな、デューク。」
振り向くと、片頬をあげた悪人顔で冷たく笑うお義兄様が、
片手に火炎魔法を発動して立っていた。
(ここに来て思うんですが、周りの人が皆悪役令嬢より
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