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62.ルシエルの最期②
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気がつけば、ルシエルはまた違う空間に立っていた。
だけど前回とは違い暗い闇では無く、優しい光に包まれた空間だった。
きっと自分は死んでしまったのだろう、
あの女は私を怪しい宝石の中に入れて、
旦那様を取られる様を見せつけると言っていたけど、
どうやら天国に行けるみたいだ。
旦那様達が上手くやってくれたのだろう。
だとしたら暫らくここで待っていれば二人に会えるかも知れない。
ルシエルは、そう考えて暫らく二人が来るのを待つことにした。
『平気よルシエル、貴女は死んで無いし、直ぐに戻れるから、私達の勝利よ』
光の世界から何処かで聞いた声が聞こえた。
『私達の勝ちですか?貴女は誰ですか?』
『そうよね、自分の声って自分以外から聞くとわかりづらいわよね』
『自分の声って、もしかしてルシエルさんですか?』
『そうよ、お互い同じ名前だとややこしいけど、貴女が転生して来る前のルシエルよ』
『そうですか、もし会えたら謝りたいと思っていたんです』
『謝る?何で?』
『私が転生して来たせいで、貴女が死んでしまったので』
『貴女が望んだ事じゃないでしょ?
今回強引に貴女が呼ばれたので、
私の魂も殆ど砕けてしまったし、貴女も前世の記憶をかなり無くしたわ。
逆にいきなりひどい状況で辛い思いをさせてしまったわね。
相談とかくらいなら聞いてあげたかったんだけど、私も殆ど砕けてしまったんで』
『正直、最初はすこしだけ恨みました、でも最後は幸せでしたから』
『ごめんね、でもさっきも言ったけど最後じゃないわ』
『最後じゃ無いんですか?』
『ええあの女に呪いの宝石があった様に、私達にも女神の像があったの』
『えっと、コンテナに入っていた女神様の像ですか?確かに洞窟の中に簡易的な神殿を作って、
お水とかお供えしてましたけど』
『そうよ、その女神像よ、でもあの女神像を使うには条件があったの』
『条件ですか?』
『ええ二人に自分が転生者だと伝える事が条件よ。
仮に私が伝えても二人に信じて貰うには時間がかかるの。
同じルシエルでも、あの二人との愛を深めたのは貴女だもの。
私が説明してもあの女の罠だと思われて終わり。
事実を二人に打ち明けるのは勇気が必要だったと思うけど、どうしても必要だったの』
『そうですか、勇気を出して良かったです』
『その勇気を無駄にはしないわ、あまりゆっくりも出来ないので、
もう行って始末を付けて来るわ、次に貴女が目を覚ます時は呪いが無くなっているから、
安心していいわよ』
『ありがとうございます』
『こちらこそありがとう、幸せにね』
ーーーーーーー
「もうそろそろいくか」
「そうですね、湖まで三人で」
デュークとルイードは、今まさにルシエルを抱えて洞窟を出ようとした。
「待ってお義兄様、ルイードさん」
「ルシエル?ルシエルなのか?いや少し違うな」
「薄情ですね、幼い頃からの貴方の大好きな、ルシエルですよ」
「ああ間違えない、ルシエルだね」
「転生する前のルシエルさんですか?」
「はいそうです、ルイードさん」
「転生して来たルシエルは、もう死んでしまったのかい?」
「いいえまだ生きてますし、私が助けますので平気です。
洞窟に祀ってある女神像を下さい」
「ええ分かりました、しばしお待ち下さい」
「ありがとうございます」
ルシエルは、ルイードから女神像を受け取ると、
女神像を抱きしめて祈った。
「女神様、力をお貸しください」
ルシエルがそう言うと、女神像から神々しい光が出てルシエルを照らした。
その光はルシエルの体の隅々まで届いたが、一点だけ小さな黒いシミの様な闇があった。
「見つけたわよ、性悪女」
『格納』
ルシエルが格納の能力を使うと、ルシエルの体の中から黒い闇が消えた。
それを見ていた二人は唖然としてしまった。
あんなに悩んだ呪いが呆気なく無くなったのだ無理もない。
確かに、ルシエルの体に接触していて、格納する物が特定出来ていれば能力の発動条件を満たす。
勿論女神像がなければ、特定は出来なかったのだが......
「完全に隔離していますから、このままでも安全ですが、早々に処分した方が良いでしょう」
「ルシエルは何故知っていたんだ?」
「一応ルシエルさんの中から見えてましたし、
ルシエルさんと入れ代わった時に神様の思し召しか分かりませんが、
この世界の事を色々知る事が出来たんです」
「そうか、今回は色々理解不能な事が多くてな、素直に納得しておくよ」
「そうして下さい」
「君はどうなるんだ?」
「もう魂も殆どありませんし、器から離れてしまったので、間もなく消えて無くなります。
その前にお二人にお願いがあります」
「なんだい?」
「何ですか?」
「色々複雑だとは思いますが、ハーレック様を殺すのは我慢して下さい。
あんな人でも愛した人ですから」
「仕方ない、可愛いお義妹の最期の頼みだ、ギリギリ聖女が絶好調の時なら助かる程度にしとくよ」
「それって、聖女様が少しでも調子悪かったら死んでしまうので、
もう少しだけ手前で留めて下さい。
そろそろ私は逝きますね、お父様、お母様には、もし会ったら宜しく言っておいて下さい。
親不孝でごめんなさいと私と同じ様にルシエルさんを愛してあげて下さいと」
「ああ、伝えておくよ」
「ありがとうございます」
その言葉を最後にルシエルは深い深い眠りについた。
同心円の様に限りなく同じ事を繰り返す運命。
何千何万と繰り返される物語。
本来であればルシエルが断罪されて終わる物語。
だけどもし神様達が悪役令嬢に同情したら。
あくまでも、もしものお話し。
単純にヒロインが寝ぼけて一年遅くこの世界に来ただけなのかもしれない。
でも神様が、もし乙女の様な気持ちを持っていたとしたら、
きっとこの勝利は必然なのであろう、そんなもしもの物語。
だけど前回とは違い暗い闇では無く、優しい光に包まれた空間だった。
きっと自分は死んでしまったのだろう、
あの女は私を怪しい宝石の中に入れて、
旦那様を取られる様を見せつけると言っていたけど、
どうやら天国に行けるみたいだ。
旦那様達が上手くやってくれたのだろう。
だとしたら暫らくここで待っていれば二人に会えるかも知れない。
ルシエルは、そう考えて暫らく二人が来るのを待つことにした。
『平気よルシエル、貴女は死んで無いし、直ぐに戻れるから、私達の勝利よ』
光の世界から何処かで聞いた声が聞こえた。
『私達の勝ちですか?貴女は誰ですか?』
『そうよね、自分の声って自分以外から聞くとわかりづらいわよね』
『自分の声って、もしかしてルシエルさんですか?』
『そうよ、お互い同じ名前だとややこしいけど、貴女が転生して来る前のルシエルよ』
『そうですか、もし会えたら謝りたいと思っていたんです』
『謝る?何で?』
『私が転生して来たせいで、貴女が死んでしまったので』
『貴女が望んだ事じゃないでしょ?
今回強引に貴女が呼ばれたので、
私の魂も殆ど砕けてしまったし、貴女も前世の記憶をかなり無くしたわ。
逆にいきなりひどい状況で辛い思いをさせてしまったわね。
相談とかくらいなら聞いてあげたかったんだけど、私も殆ど砕けてしまったんで』
『正直、最初はすこしだけ恨みました、でも最後は幸せでしたから』
『ごめんね、でもさっきも言ったけど最後じゃないわ』
『最後じゃ無いんですか?』
『ええあの女に呪いの宝石があった様に、私達にも女神の像があったの』
『えっと、コンテナに入っていた女神様の像ですか?確かに洞窟の中に簡易的な神殿を作って、
お水とかお供えしてましたけど』
『そうよ、その女神像よ、でもあの女神像を使うには条件があったの』
『条件ですか?』
『ええ二人に自分が転生者だと伝える事が条件よ。
仮に私が伝えても二人に信じて貰うには時間がかかるの。
同じルシエルでも、あの二人との愛を深めたのは貴女だもの。
私が説明してもあの女の罠だと思われて終わり。
事実を二人に打ち明けるのは勇気が必要だったと思うけど、どうしても必要だったの』
『そうですか、勇気を出して良かったです』
『その勇気を無駄にはしないわ、あまりゆっくりも出来ないので、
もう行って始末を付けて来るわ、次に貴女が目を覚ます時は呪いが無くなっているから、
安心していいわよ』
『ありがとうございます』
『こちらこそありがとう、幸せにね』
ーーーーーーー
「もうそろそろいくか」
「そうですね、湖まで三人で」
デュークとルイードは、今まさにルシエルを抱えて洞窟を出ようとした。
「待ってお義兄様、ルイードさん」
「ルシエル?ルシエルなのか?いや少し違うな」
「薄情ですね、幼い頃からの貴方の大好きな、ルシエルですよ」
「ああ間違えない、ルシエルだね」
「転生する前のルシエルさんですか?」
「はいそうです、ルイードさん」
「転生して来たルシエルは、もう死んでしまったのかい?」
「いいえまだ生きてますし、私が助けますので平気です。
洞窟に祀ってある女神像を下さい」
「ええ分かりました、しばしお待ち下さい」
「ありがとうございます」
ルシエルは、ルイードから女神像を受け取ると、
女神像を抱きしめて祈った。
「女神様、力をお貸しください」
ルシエルがそう言うと、女神像から神々しい光が出てルシエルを照らした。
その光はルシエルの体の隅々まで届いたが、一点だけ小さな黒いシミの様な闇があった。
「見つけたわよ、性悪女」
『格納』
ルシエルが格納の能力を使うと、ルシエルの体の中から黒い闇が消えた。
それを見ていた二人は唖然としてしまった。
あんなに悩んだ呪いが呆気なく無くなったのだ無理もない。
確かに、ルシエルの体に接触していて、格納する物が特定出来ていれば能力の発動条件を満たす。
勿論女神像がなければ、特定は出来なかったのだが......
「完全に隔離していますから、このままでも安全ですが、早々に処分した方が良いでしょう」
「ルシエルは何故知っていたんだ?」
「一応ルシエルさんの中から見えてましたし、
ルシエルさんと入れ代わった時に神様の思し召しか分かりませんが、
この世界の事を色々知る事が出来たんです」
「そうか、今回は色々理解不能な事が多くてな、素直に納得しておくよ」
「そうして下さい」
「君はどうなるんだ?」
「もう魂も殆どありませんし、器から離れてしまったので、間もなく消えて無くなります。
その前にお二人にお願いがあります」
「なんだい?」
「何ですか?」
「色々複雑だとは思いますが、ハーレック様を殺すのは我慢して下さい。
あんな人でも愛した人ですから」
「仕方ない、可愛いお義妹の最期の頼みだ、ギリギリ聖女が絶好調の時なら助かる程度にしとくよ」
「それって、聖女様が少しでも調子悪かったら死んでしまうので、
もう少しだけ手前で留めて下さい。
そろそろ私は逝きますね、お父様、お母様には、もし会ったら宜しく言っておいて下さい。
親不孝でごめんなさいと私と同じ様にルシエルさんを愛してあげて下さいと」
「ああ、伝えておくよ」
「ありがとうございます」
その言葉を最後にルシエルは深い深い眠りについた。
同心円の様に限りなく同じ事を繰り返す運命。
何千何万と繰り返される物語。
本来であればルシエルが断罪されて終わる物語。
だけどもし神様達が悪役令嬢に同情したら。
あくまでも、もしものお話し。
単純にヒロインが寝ぼけて一年遅くこの世界に来ただけなのかもしれない。
でも神様が、もし乙女の様な気持ちを持っていたとしたら、
きっとこの勝利は必然なのであろう、そんなもしもの物語。
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