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63.ヒロインの最期
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どうなっているのよ。
闇ですらない、強いて例えるなら『無』の空間。
元聖女リリーナはそんな場所にいた。
意味が分からない。
さっきまであの女の中にいたはずだ。
もう少しで入れ替わりは成功するはずだった。
あの女に入れ替わってしまえば、
聖女から奪った魅力の能力を最大限に使えば、
デューク様を落とせる自信があった。
この体と魅力と私のテクニックに耐えられるはずもない。
現に昨夜は二人を満足させた、
最後の一線は元聖女が契約魔法を解いてからと断られたけど。
出産の際に事故があっても対処出来るかららしいけど。
とりあえず外に出してくれれば良いのに。
まあ変に焦る必要もないから私も我慢した。
意外と二人とも良い体をしていた。
デューク様は、細マッチョと言うか滑らかなゴムの様な筋肉だった。
人工的に作った筋肉とは違って野生の動物が必要な実践的な筋肉。
体中に鞭で叩かれた古い傷跡があったけど関係してるか知らない。
ルイードは、スタイルは良いが宰相の息子だけあって、
そこまでガッシリとした体では無かった。
だけど細い長い指は繊細に体を触ってくる、テクニカルタイプだ。
少しだけ独占欲が強いのか、言葉攻めして来るのは少々うざかったけど。
昨日の行為で明らかに、あの女では二人を満足させる事が出来て無かったのを感じた。
完全に入れ替わってしまえば、二人を毎晩満足できる。
二人を落とした後にハーレックとダンを迎えに行こうと思っている。
当初の計画とは随分違ったけど、変に王太子妃教育させられたり、
小うるさいジジイに説教されるよりは良いかも知れない。
悪役令嬢が住んでいた場所は、色々便利で衛生的だったから我慢出来る範囲だ。
私が汚い掘っ立て小屋で暮らしている間に、
悪役令嬢の癖にこんな快適な場所に住んでいたなんてムカつくけど、
最終的に全部私が奪ってやる。
もう少し、後少しでハーレムエンド達成だった。
それがいきなりこの状況だ。
私は呪いの黒いダイヤモンドを使った。
ゲーム設定で呪いのダイヤモンドは、古い時代に他国女王が使ったアイテムらしい。
上手く使えば何代にも渡っていきられる。
子供、孫に乗り移れるのだ、永遠の生が手に入る、
怪しむ奴もこの島にはいない。
一度使ってしまえば防ぐ事も出来ない。
それなのに突然おぞましい光を浴びたと思ったら、こんな場所に来ていた。
悪役令嬢から切り離されたのは、非常に不味い。
魅力をかけようにも体が無いからかけようが無い。
勿論一部の成金貴族なら、宝石として魅力を感じさせる事は出来る。
だけどあの二人はそんなタイプじゃないし、
無人島で宝石なんて男には全く魅力が無いだろう。
クソ女が何かしたのか?
悪役令嬢の癖に私から奪うなんて許せない。
私にとって幸せとは、他者から奪う事。
奪われた人間の悔しそうな顔を見るだけで興奮する。
圧倒的に上位になった気分だ。
それなのに、クソ女は私から奪おうとする。
転生してヒロインに生まれ変われるなんて幸運は、普通経験出来るはずもない
だから楽しんで楽しみつくす予定だった。
だけど諦めるには早い、私はヒロインなんだから。
ゲームでヒロインが死ぬ様なバッドエンドは無かった、
つまり、この状況から逆転出来るはずだ。
閉じ込められた時と同様に、突然開放された。
ここはあの空間では無い。
私を覗き込む人間がいる、デューク様だ。
後ろにはルイードもいる。
乗っ取りに成功したのだろうか?
いや、まだ自分は宝石の中にいる。
どうする、どうする、どうする、考えろ......
「もはやなんと呼べば良いのか分からないが、
宝石の中に元聖女はいるのか?」
『......』
「そうかいないのか、なら安心だ。
今無性に宝石を燃やしたい気分だったんだ」
『待って、待って下さい、聖女リリーナです。
いつの間にかこんな石に閉じ込められてしまったんです』
「それは嘘ですね、ハーレック王太子から全て聞きましたよ(嘘ですけど)」
『し、仕方がなかったんです』
「仕方がないとは?」
『運命だったんです』
「そうかであれば、これから俺に燃されるのも運命だな」
『...せめて最期にルシエルさんに謝らせて下さい』
「どうぞ、私が伝えておきますよ」
『っつざけんな、お前らだってただの攻略キャラだろ。
いちいち五月蝿いんだよ、私の思う通りにしてればいいんだ!!』
「やっと本性が出たか、先ほどから可愛いルシエルが遠くから心配そうにこちらをみてるから、
サッサと済ませるぞ」
そう言ってデュークは、目の前の宝石を燃やした。
『ッギャーーーーー』
元聖女の苦しそうな、叫び声が響いたが直ぐに終わった。
残ったボロボロの炭が風に飛ばされて消えていく。
ノーマルエンド デューク&ルイード ノ ジョウケン タッセイ
エンド スチール ジュンビOK
エンディングロール ヲ ナガシマス
......
fin
こうしてサバイバルゲームは終わった。
だが、ゲームが終わった所でサバイバル生活は続く、
ハーレックの件や本来の聖女との関係。
ダンについては、上手く付き合って行けそうだ。
そして今夜ルシエルは窮地に追い込まれる。
死を目の前にして生還した獣二人の本能に答えなければいけない。
かつて無いほどの激しい夜はすぐ目の前だ。
闇ですらない、強いて例えるなら『無』の空間。
元聖女リリーナはそんな場所にいた。
意味が分からない。
さっきまであの女の中にいたはずだ。
もう少しで入れ替わりは成功するはずだった。
あの女に入れ替わってしまえば、
聖女から奪った魅力の能力を最大限に使えば、
デューク様を落とせる自信があった。
この体と魅力と私のテクニックに耐えられるはずもない。
現に昨夜は二人を満足させた、
最後の一線は元聖女が契約魔法を解いてからと断られたけど。
出産の際に事故があっても対処出来るかららしいけど。
とりあえず外に出してくれれば良いのに。
まあ変に焦る必要もないから私も我慢した。
意外と二人とも良い体をしていた。
デューク様は、細マッチョと言うか滑らかなゴムの様な筋肉だった。
人工的に作った筋肉とは違って野生の動物が必要な実践的な筋肉。
体中に鞭で叩かれた古い傷跡があったけど関係してるか知らない。
ルイードは、スタイルは良いが宰相の息子だけあって、
そこまでガッシリとした体では無かった。
だけど細い長い指は繊細に体を触ってくる、テクニカルタイプだ。
少しだけ独占欲が強いのか、言葉攻めして来るのは少々うざかったけど。
昨日の行為で明らかに、あの女では二人を満足させる事が出来て無かったのを感じた。
完全に入れ替わってしまえば、二人を毎晩満足できる。
二人を落とした後にハーレックとダンを迎えに行こうと思っている。
当初の計画とは随分違ったけど、変に王太子妃教育させられたり、
小うるさいジジイに説教されるよりは良いかも知れない。
悪役令嬢が住んでいた場所は、色々便利で衛生的だったから我慢出来る範囲だ。
私が汚い掘っ立て小屋で暮らしている間に、
悪役令嬢の癖にこんな快適な場所に住んでいたなんてムカつくけど、
最終的に全部私が奪ってやる。
もう少し、後少しでハーレムエンド達成だった。
それがいきなりこの状況だ。
私は呪いの黒いダイヤモンドを使った。
ゲーム設定で呪いのダイヤモンドは、古い時代に他国女王が使ったアイテムらしい。
上手く使えば何代にも渡っていきられる。
子供、孫に乗り移れるのだ、永遠の生が手に入る、
怪しむ奴もこの島にはいない。
一度使ってしまえば防ぐ事も出来ない。
それなのに突然おぞましい光を浴びたと思ったら、こんな場所に来ていた。
悪役令嬢から切り離されたのは、非常に不味い。
魅力をかけようにも体が無いからかけようが無い。
勿論一部の成金貴族なら、宝石として魅力を感じさせる事は出来る。
だけどあの二人はそんなタイプじゃないし、
無人島で宝石なんて男には全く魅力が無いだろう。
クソ女が何かしたのか?
悪役令嬢の癖に私から奪うなんて許せない。
私にとって幸せとは、他者から奪う事。
奪われた人間の悔しそうな顔を見るだけで興奮する。
圧倒的に上位になった気分だ。
それなのに、クソ女は私から奪おうとする。
転生してヒロインに生まれ変われるなんて幸運は、普通経験出来るはずもない
だから楽しんで楽しみつくす予定だった。
だけど諦めるには早い、私はヒロインなんだから。
ゲームでヒロインが死ぬ様なバッドエンドは無かった、
つまり、この状況から逆転出来るはずだ。
閉じ込められた時と同様に、突然開放された。
ここはあの空間では無い。
私を覗き込む人間がいる、デューク様だ。
後ろにはルイードもいる。
乗っ取りに成功したのだろうか?
いや、まだ自分は宝石の中にいる。
どうする、どうする、どうする、考えろ......
「もはやなんと呼べば良いのか分からないが、
宝石の中に元聖女はいるのか?」
『......』
「そうかいないのか、なら安心だ。
今無性に宝石を燃やしたい気分だったんだ」
『待って、待って下さい、聖女リリーナです。
いつの間にかこんな石に閉じ込められてしまったんです』
「それは嘘ですね、ハーレック王太子から全て聞きましたよ(嘘ですけど)」
『し、仕方がなかったんです』
「仕方がないとは?」
『運命だったんです』
「そうかであれば、これから俺に燃されるのも運命だな」
『...せめて最期にルシエルさんに謝らせて下さい』
「どうぞ、私が伝えておきますよ」
『っつざけんな、お前らだってただの攻略キャラだろ。
いちいち五月蝿いんだよ、私の思う通りにしてればいいんだ!!』
「やっと本性が出たか、先ほどから可愛いルシエルが遠くから心配そうにこちらをみてるから、
サッサと済ませるぞ」
そう言ってデュークは、目の前の宝石を燃やした。
『ッギャーーーーー』
元聖女の苦しそうな、叫び声が響いたが直ぐに終わった。
残ったボロボロの炭が風に飛ばされて消えていく。
ノーマルエンド デューク&ルイード ノ ジョウケン タッセイ
エンド スチール ジュンビOK
エンディングロール ヲ ナガシマス
......
fin
こうしてサバイバルゲームは終わった。
だが、ゲームが終わった所でサバイバル生活は続く、
ハーレックの件や本来の聖女との関係。
ダンについては、上手く付き合って行けそうだ。
そして今夜ルシエルは窮地に追い込まれる。
死を目の前にして生還した獣二人の本能に答えなければいけない。
かつて無いほどの激しい夜はすぐ目の前だ。
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