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王道のために暗躍する
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「へ?」
「これから同じ生徒会に入るわけだし、部屋も中央棟に移動するだろ?」
「あ、そうかー」
中央棟、別名権力棟。7階に理事長室や会議室があって、6階に生徒会と風紀委員の専用部屋がある。
生徒会に入るってことは専用部屋が貰える。
……別に要らないけど。
まぁ、貰えるものは貰っとこうかな。
「毎日授業後には生徒会室で顔を合わせることになるだろうし、部屋も同じ階で近くなる。性欲処理に不特定多数の人とセックスするだけよりも、1人に絞って好きな相手と愛あるセックスする方が良いって」
肘をついて俺の顔を覗き込む会長。
人を魅了するカリスマ性に溢れるというか、簡単に人を落とす顔で、つい俺もほいほい言うこと聞きたくなってしまう。
が、俺の求めている王道会長は後藤会長とは違うベクトルで、確かに素晴らしいポテンシャルだが、尻だけは死守しなければならない。
「まぁ、自分が本当に好きだと思える人が現れたら、考えますねぇ」
「人を好きになろうと思わないと一生現れないだろうな」
「それならそーゆーセックスとは縁のない人生だったと諦めますよ」
面食らった顔をする会長、珍しい。
「ははっ!斎賀って本当に面白いな、気に入ったわ。なぁ、本気で俺と付き合わねぇ?」
「イヤですって、会長だったら相手してくれる人いっぱいいるでしょ?」
「俺だって誰でもいいわけじゃねぇんだよ」
「だからって俺じゃなくてもー」
「顔もタイプだし、お前とだったら一緒にいて飽きない気がするんだって」
「いやぁ、だいたい、会長と付き合う俺にメリットあるの?」
「はぁ?」
「メリットだよ、メリット。例えばどんなお願いでも聞いてくれるとか、浮気しても怒らないとか、毎朝俺の朝食作ってくれるとか」
「なんで、そんなことしなきゃいけないんだよ」
「だって愛あるお付き合いがしたいんでしょ?だったら俺を夢中にさせる何かがあるんでしょ?」
「なるほど」
会長は口を閉じて暫く考えてからゆっくり首を横に振った。
「今はないな。でも、ないならお前が探せばいいだろ?」
「えー?」
「とりあえず俺と付き合ってから斎賀は、いや、央蜜は俺の好きなとこを探す。んで、俺はお前を夢中にさせたらいいわけだ!」
「やだ!」
「なんでだよ」
「俺、ネコだけは絶対にやりたくないから!」
少し大きい声が出た。
生徒会長が現れた時から周りの視線を感じてたけど、注目の的だよ。
ニヤリと笑みを深める会長。
ゆっくりと俺の耳元に口も近づけて囁いた。
「大丈夫だって、俺、ネコだから」
え?
驚愕の新事実を知ってしまった。
みんなの憧れである生徒会長で
スポーツ万能、成績優秀、将来有望で抱かれたい男No.1の、あの後藤 稔が!
ね、ね、ね、ネコ!
受け身!
え、嘘でしょ、この筋肉で、この顔で、男のペニスを中に挿れられて悦がるの?
この端正な顔を歪めて?ヒィヒィ言っちゃうの?
うわっ!ちょっと興味出て来ちゃったんですけど!
「ま、マジで?」
「マジマジ」
「わー、それは話が変わってくるなぁ」
「付き合う気になった?」
「き、興味は出たかも」
「じゃあこれから俺の事は稔って呼べよ」
「あ、まぁ、それは」
「これからよろしくな、央蜜」
頃合いを見計らったかのように店員が会長のスコーンとカフェオレを持ってきた。
会長は席をくっつけて俺に肩を回して頬に唇を押し付けた。
キャー!!!と周囲から歓声が湧く。
うわっ、俺付き合うなんて言ってないのに。
周りに絶対勘違いされちゃったし。
…………まぁ、別にいいか。
こうして俺と生徒会長、いや、後藤稔はなんとなく付き合うことになった。
「これから同じ生徒会に入るわけだし、部屋も中央棟に移動するだろ?」
「あ、そうかー」
中央棟、別名権力棟。7階に理事長室や会議室があって、6階に生徒会と風紀委員の専用部屋がある。
生徒会に入るってことは専用部屋が貰える。
……別に要らないけど。
まぁ、貰えるものは貰っとこうかな。
「毎日授業後には生徒会室で顔を合わせることになるだろうし、部屋も同じ階で近くなる。性欲処理に不特定多数の人とセックスするだけよりも、1人に絞って好きな相手と愛あるセックスする方が良いって」
肘をついて俺の顔を覗き込む会長。
人を魅了するカリスマ性に溢れるというか、簡単に人を落とす顔で、つい俺もほいほい言うこと聞きたくなってしまう。
が、俺の求めている王道会長は後藤会長とは違うベクトルで、確かに素晴らしいポテンシャルだが、尻だけは死守しなければならない。
「まぁ、自分が本当に好きだと思える人が現れたら、考えますねぇ」
「人を好きになろうと思わないと一生現れないだろうな」
「それならそーゆーセックスとは縁のない人生だったと諦めますよ」
面食らった顔をする会長、珍しい。
「ははっ!斎賀って本当に面白いな、気に入ったわ。なぁ、本気で俺と付き合わねぇ?」
「イヤですって、会長だったら相手してくれる人いっぱいいるでしょ?」
「俺だって誰でもいいわけじゃねぇんだよ」
「だからって俺じゃなくてもー」
「顔もタイプだし、お前とだったら一緒にいて飽きない気がするんだって」
「いやぁ、だいたい、会長と付き合う俺にメリットあるの?」
「はぁ?」
「メリットだよ、メリット。例えばどんなお願いでも聞いてくれるとか、浮気しても怒らないとか、毎朝俺の朝食作ってくれるとか」
「なんで、そんなことしなきゃいけないんだよ」
「だって愛あるお付き合いがしたいんでしょ?だったら俺を夢中にさせる何かがあるんでしょ?」
「なるほど」
会長は口を閉じて暫く考えてからゆっくり首を横に振った。
「今はないな。でも、ないならお前が探せばいいだろ?」
「えー?」
「とりあえず俺と付き合ってから斎賀は、いや、央蜜は俺の好きなとこを探す。んで、俺はお前を夢中にさせたらいいわけだ!」
「やだ!」
「なんでだよ」
「俺、ネコだけは絶対にやりたくないから!」
少し大きい声が出た。
生徒会長が現れた時から周りの視線を感じてたけど、注目の的だよ。
ニヤリと笑みを深める会長。
ゆっくりと俺の耳元に口も近づけて囁いた。
「大丈夫だって、俺、ネコだから」
え?
驚愕の新事実を知ってしまった。
みんなの憧れである生徒会長で
スポーツ万能、成績優秀、将来有望で抱かれたい男No.1の、あの後藤 稔が!
ね、ね、ね、ネコ!
受け身!
え、嘘でしょ、この筋肉で、この顔で、男のペニスを中に挿れられて悦がるの?
この端正な顔を歪めて?ヒィヒィ言っちゃうの?
うわっ!ちょっと興味出て来ちゃったんですけど!
「ま、マジで?」
「マジマジ」
「わー、それは話が変わってくるなぁ」
「付き合う気になった?」
「き、興味は出たかも」
「じゃあこれから俺の事は稔って呼べよ」
「あ、まぁ、それは」
「これからよろしくな、央蜜」
頃合いを見計らったかのように店員が会長のスコーンとカフェオレを持ってきた。
会長は席をくっつけて俺に肩を回して頬に唇を押し付けた。
キャー!!!と周囲から歓声が湧く。
うわっ、俺付き合うなんて言ってないのに。
周りに絶対勘違いされちゃったし。
…………まぁ、別にいいか。
こうして俺と生徒会長、いや、後藤稔はなんとなく付き合うことになった。
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