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王道のために暗躍する
親衛隊の大混乱
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「で、結局付き合ってるの?付き合ってないの?」
169cmと平均的な身長、栗色の髪をした一見可愛らしい男、山下 涼は、10cmほど背の高い焦茶色の髪をした男、都築 直也に問い詰める。
「分からない。斎賀は泣いたり怒ったり感情の揺れが激しかったが、耳につけたピアスはそのままだったから、本気で嫌いになった訳ではないと思う。」
「斎賀様だったら、なんだかんだで流されて付き合ってしまいそうだけど…。だからこそ、斎賀様が自分で決めた相手なのか、本当にネコになったのか、今後の親衛隊の活動方針を決めるためにも重要な情報なのに、何煽るだけ煽って反応楽しんでるの?」
睨みつけるが、都築は気にした様子もなくケラケラ笑った。
「だってよー、アイツがコロコロ表情変える面白かったし。それにアレは多分しばらく姿見せない気がする」
「どういうこと?」
「生徒会長は嫉妬深いみたいなんだよ。俺が煽ったらブチギレして部屋に連れ込んでた」
「なんでそういうことするの?」
涼は何よりも斎賀の身体が心配になって頭を抱える。
「俺が央蜜と接触して話を聞くので、委員長はなるべく2人に関わらないでください。」
「それは約束しかねるな。ちなみに、今親衛隊はどうなってる」
都築の反応に涼はため息を吐くことしか出来ない。
監査の頭がこうも適当で大丈夫なのか、不安しか出ないが、腐っても委員長。ある情報を有意義に使ってくれる面では十二分に信用している。
人間性は絶望的だが。
「親衛隊は元々2つに割れて居ましたが今はその派閥内でも揉めてます。」
「ほう?」
「例えば僕ら隊長派の中でも斎賀様を本当にお慕いしている子たちは、斎賀様が幸せになるならと見守る姿勢ですし、相手にされなくて生徒会長を妬む過激派なるものも出ました。僕は斎賀様の意思を聞いてから行動を決める慎重派になります。また、ネコ解放の噂が事実なら、隊長派からも斎賀様を組み敷きたいという奴が出てきてます。副隊長派は元々そういった派閥でしたから、いよいよ動きが活発になるかもしれません。あとは生徒会長さんとこの親衛隊がどう動くか考えてる中立派もいます」
「生徒会長の方はどうなってる?」
「それは僕の管轄外でしょう。そちらの監査に聞けば良いのでは?」
「分かってる。そうじゃなくて、会長親衛隊がどう動くと思ってるんだ?」
都築の言葉に涼は少し思考を巡らせた。
「……会長は今まで親衛隊に関して無関心だったらしいので、怒り狂っていると思われます」
「そうか」
「冷遇され続けた挙句、新入生を生徒会に入れてご執心だから仕方ないですよ。斎賀様に害が無ければ良いのですがね。ここからは僕の意見ですが、案外上手く纏まるような気がします。」
「ほう?」
「生徒会長の親衛隊長は短気な所があって、怒り狂っていますが、あそこは副隊長がしっかり支えてくれていますし、副隊長は斎賀様に好意的だったと記憶してます」
「好意的?」
「はい、たしか凛と仲が良かったと思います」
「それは知らなかった」
「僕も、確かではないんですけど、前にメッセージを交換している所を見たので」
「ふぅん、そうか、分かった。もう行って良いぞ」
「では、その後の報告はスマホに送ります」
涼は何事も無かったかのように第三温室を出て行く。都築は後ろ姿を見送った後に、深くため息を吐くのであった。
169cmと平均的な身長、栗色の髪をした一見可愛らしい男、山下 涼は、10cmほど背の高い焦茶色の髪をした男、都築 直也に問い詰める。
「分からない。斎賀は泣いたり怒ったり感情の揺れが激しかったが、耳につけたピアスはそのままだったから、本気で嫌いになった訳ではないと思う。」
「斎賀様だったら、なんだかんだで流されて付き合ってしまいそうだけど…。だからこそ、斎賀様が自分で決めた相手なのか、本当にネコになったのか、今後の親衛隊の活動方針を決めるためにも重要な情報なのに、何煽るだけ煽って反応楽しんでるの?」
睨みつけるが、都築は気にした様子もなくケラケラ笑った。
「だってよー、アイツがコロコロ表情変える面白かったし。それにアレは多分しばらく姿見せない気がする」
「どういうこと?」
「生徒会長は嫉妬深いみたいなんだよ。俺が煽ったらブチギレして部屋に連れ込んでた」
「なんでそういうことするの?」
涼は何よりも斎賀の身体が心配になって頭を抱える。
「俺が央蜜と接触して話を聞くので、委員長はなるべく2人に関わらないでください。」
「それは約束しかねるな。ちなみに、今親衛隊はどうなってる」
都築の反応に涼はため息を吐くことしか出来ない。
監査の頭がこうも適当で大丈夫なのか、不安しか出ないが、腐っても委員長。ある情報を有意義に使ってくれる面では十二分に信用している。
人間性は絶望的だが。
「親衛隊は元々2つに割れて居ましたが今はその派閥内でも揉めてます。」
「ほう?」
「例えば僕ら隊長派の中でも斎賀様を本当にお慕いしている子たちは、斎賀様が幸せになるならと見守る姿勢ですし、相手にされなくて生徒会長を妬む過激派なるものも出ました。僕は斎賀様の意思を聞いてから行動を決める慎重派になります。また、ネコ解放の噂が事実なら、隊長派からも斎賀様を組み敷きたいという奴が出てきてます。副隊長派は元々そういった派閥でしたから、いよいよ動きが活発になるかもしれません。あとは生徒会長さんとこの親衛隊がどう動くか考えてる中立派もいます」
「生徒会長の方はどうなってる?」
「それは僕の管轄外でしょう。そちらの監査に聞けば良いのでは?」
「分かってる。そうじゃなくて、会長親衛隊がどう動くと思ってるんだ?」
都築の言葉に涼は少し思考を巡らせた。
「……会長は今まで親衛隊に関して無関心だったらしいので、怒り狂っていると思われます」
「そうか」
「冷遇され続けた挙句、新入生を生徒会に入れてご執心だから仕方ないですよ。斎賀様に害が無ければ良いのですがね。ここからは僕の意見ですが、案外上手く纏まるような気がします。」
「ほう?」
「生徒会長の親衛隊長は短気な所があって、怒り狂っていますが、あそこは副隊長がしっかり支えてくれていますし、副隊長は斎賀様に好意的だったと記憶してます」
「好意的?」
「はい、たしか凛と仲が良かったと思います」
「それは知らなかった」
「僕も、確かではないんですけど、前にメッセージを交換している所を見たので」
「ふぅん、そうか、分かった。もう行って良いぞ」
「では、その後の報告はスマホに送ります」
涼は何事も無かったかのように第三温室を出て行く。都築は後ろ姿を見送った後に、深くため息を吐くのであった。
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