腐男子会計の王道計画!

卯月

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王道のために暗躍する

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「ってわけだから、キッシュ作る事になったんだけど、キッシュって一体どうやって作るのさー」

生徒会室で会計の机に座ってPCで書類整理を作成しながら愚痴を言う。

「冷凍のパイ生地使えば結構簡単に出来るぞ」

視線を上げれば海堂と目が合った。

「はぁー?海堂って料理出来るの?」
「それなりにな」

ガバッと立ち上がって海堂の手を握る。

「ハイスペック!」
「お、おう」
「海堂の手なんて握ったら妊娠するからやめろ!」

バシッと稔が海堂の手を叩く。

「痛っ!」
「あ、なんかごめんね!」
「海堂なんかに謝らなくて良いぞ」

眉間にシワを寄せて明らかに不機嫌な様子で稔は俺を後ろから抱きしめる。

「おい!この前から俺への扱い酷くないか?」
「央蜜、キッシュだったら俺の系列で扱っているレストランのシェフに聞くと良い。食べた瞬間にとろける最高のキッシュが」
「海堂、作り方詳しく教えて?」
「なっ!」

海堂の苦情をガン無視して、稔は俺に見当違いなアドバイスをしてくる。
高級料理の話なんかされても再現出来ないと何も意味無いじゃーん?
稔を無視して海堂に話を振ると、稔は分かりやすくショックを受けていた。
ははんっ、ザマー!

「あ、あぁ。まず冷凍パイシートを解凍してパイの型に嵌め込んで、フライパンで入れたい具材に火を通す。火を止めて、生クリームと卵を入れてよく混ぜる。そうだなぁ、コンソメとチーズと、塩胡椒を入れると良いかな。あとはパイの上に流してオーブンで焼くだけだ。200度で30分くらい焼けば十分じゃないかな。様子見ながら早めに出したりしろよ」
「おお!料理男子!」

萌えキュンだね。
文武両道で料理スキルもあるなんて、どんだけ優良物件なんだよ。海堂っていい奴!
言われた事をその前にスマホにメモして、メッセージで共有する。

「これくらいなら別に。この前良いもの貰ったしな!」
「そうやって何人も落として来たんだね」

あぁ、アクセの話かな?それにしても律儀だよね。評価高いよ~!
イケメンは何しても許されるんじゃないかと思ってるけど、こうもハイスペックなイケメンが居ると、やっぱりイケメンであろうと全てが許されるわけじゃないんだよね。
まぁ、でも優し過ぎるというか、顔の割には俺様感が無いよね。
時期生徒会長になる予定なんだから(俺の中では確定)その辺もう少し強気の俺様感出してもらわないとね。

「あ、いや別にそういうわけじゃ」
「海堂だったら時期会長間違いないね。俺、応援するから!でももう少し横暴な感じの方が良いかな」
「あぁ?」
「そうそう、人を見下すような感じの方が俺は好」
「央蜜!!海堂なんか相手にするなっ!」

俺の言葉を遮って再び稔がギャーギャー言って来た。
俺と海堂が話すと敏感に感じとるよね。
嫉妬?拗ねてて可愛いとは思うけど、俺ってあんまり束縛とかされたいわけじゃないしなー。

「もー何?拗ねてるのー?」
「違う!これ以上ライバル増やすなバカ!」
「ふふーん、でもこれで料理はなんとかなりそうだね。海堂、ありがとう!」
「お、おう」

海堂はこれから王道くんと仲良くなるんだから、嫉妬しても意味無いのにね。
まぁ、これで来週の実習は無事に乗り越えれそうだね!
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