サンタの村に招かれて勇気をもらうお話

Akitoです。

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孤独な私の日常が崩れ去る

友達のいない私は日直のお仕事を完璧にこなす

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 学級日誌 今日のひとこと

 サンタさんへ。

 私には友達がいません。友達どころか、学校の用事以外で他人と話す機会すらないです。

 だからでしょうか? 私は今の学生生活を大変さびしく思っております。

 もうこんな学生生活は終わらせたいです。

 いったいどうすれば、こんな私にも友達ができるでしょうか?
 サンタさんにお願いすれば良いのでしょうか?





 サンタさん、私に友達をください!!!!!!!!!

 12月23日
 日直:山梨やまなしあかり、平野ひらのにこ

 ◇◇◇
 
 キーンコーンカーンコーン。

 教室にチャイムが鳴り響く。

 その音でハッと目が冷めた私は急いで消しゴムをゴシゴシと動かす。

「危ない、危ない。日誌は他の人も読めちゃうんだった」

 もし、日誌のひとことに書いたこのサンタへの手紙をクラスの子に読まれたなら、私は明日、クラスの笑い者となっていたかもしれない。

 そうならないためにと、私は消し忘れがないか日誌をすみずみまで注意深く確認する。

 ……微妙に筆の跡が残っているが、上から何か書けばごまかせるだろう。

 大丈夫、まだやり直せる!

 そう思って、私が再びペンを持ちなおした直後だ。

「あかりちゃん、日誌書けた?」

 私と同じく今日の日直に選ばれていた平野にこさんが後ろから声をかけてきた。

 私はすかさずサッと日誌を閉じる。

 ……大丈夫。この距離なら筆の跡なんて見えないはずだ。
 だけど、疑われないように一応ポーカーフェイスを意識して返事を返そう。

「も、もうすぐかな~? あっ! 日誌書けたら私が出しとくから、平野さん先に帰ってもらっても大丈夫だよ!」

「おっけ~。ありがとね」

 平野さんはニッと笑い、指でピースを作ると、きびすを返して教室の入口で待つ彼女の友達のもとへと小走りで向かう。

「友達かぁ。いいなぁ~」

 誰にも聞かれないように、私は小声でつぶやいた。

 きっと平野さんのあの明るさが誰とでも打ち解けあえる秘訣ひけつなのだろう。

「私には……無理だな」

 私は「今日も一日平和でした」と日誌のひとことを埋め、先生に提出して学校を出た。
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