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前世の少女は語る。
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ごめんね、アリアンヌ様。
アリアンヌ様。うん、そう呼ばせてもらうね。
そして、初めまして。といっても。瞳を閉じて横になっているあなた。私が誰かはわからないよね。でも一応、話をさせてね。
私は、小川結衣っていいます。私はあなたを知っていたけど、あなたは知る由もなかったよね。
あなたの前世。その知識も、私によるもの。突然過ぎたよね。本当にさ、早く言ってほしかったよね。私もさ、さっき目覚めたばかりだったから。
改めてごめんなさい。『そのはず』だったんだ。窓から逃走したあなたは、『国外追放』される。それでも諦めることなく、無実の罪を晴らそうとする。
そんな、バッドエンディング。敗北エンディングの方が合ってるかも。私としてはノーマルエンディングだと思ってるけど。だって気持ちは負けてないし。
なんの話かって、なるよね。うん、順を追って話さないとだね。
私、あなたのことが好きなんだよ。あなたの頑張りもわかっていたから。だからね、あなたを失ったまま終えたくなかった。
これは、あなたが。悪役令嬢が主役の物語。
――タイトルは、脳筋悪役令嬢の華麗なる恋愛遊戯。
どこか憎めない悪役令嬢が、四苦八苦する物語だったはずが。
きっと、私が歪めてしまったから。
ここはアルブルモンドという所ではない。名門の学園でもない。
私はいたって普通の高校生。日本で暮らしていた。見た目も肩くらいの長さの黒髪。昔は短髪のみだったけど、伸ばしている。あとの特徴といえば。
「……」
いつもの授業も終わって、帰るところだった。廊下の踊り場に映る、私の姿。私の特徴だったもの。筋肉質な手足。前はもうちょっと筋肉ついていたんだ。
私は元アスリートだった。でも事故によって、そこで私の選手生命が終わってしまった。日常生活は送れるけれど、前みたく激しい運動は出来なくなってしまった。
日常は送れていた。今となっては笑えてもいる。辛かった選手生活からも解放された、充実した日々のはずなのに。
やっぱりなんだ。やっぱり、胸がぽっかりと空いてしまっていた。
今日も友達と遊んで帰ってきた。結構遅い時間になっちゃった。
「あ、ユウ君。ただいま」
「……おかえりなさい、姉さん」
玄関先でばったり会ったのは、私の義理の弟だった。響きは似ているけど、再婚の連れ子同士。顔だって似てない。あっちはいかにもなイケメン。こうやって、髪をかき上げる仕草までもイケメン。
昔は『お姉ちゃんお姉ちゃん』って慕ってくれて。もうちょっと笑ってもくれていたけど、今じゃ全然。会話なんて挨拶程度。敬語にもなってしまってるし。
だから、こうして会ったのもたまたまなんだろうね。
――って、昔に浸っている内に彼はどっかに行ってしまっていた。
「……前みたくは、難しいかぁ」
この年になってくると、色々とあるのかな。血がつながってなくても、私は弟だと思ってきた。あっちもそうだと信じたい。でも昔みたく仲良くまでは、うん、難しいかな。
いつかは関係が修復出来ればいいな。それこそ、お酒を飲みに行ける年齢になったらとか――。
「――いえーい! 結衣ちゃん、おかえりー! お邪魔してまーす!」
「ちょ、真麻さん!?」
突然飛び出してきた酔っ払いに、私の心臓は飛び出しそうだった。従姉の真麻さんだった。私はその人に絡まれてしまい、自分の部屋まで連れていく流れになっていた。自然と。
「……」
弟がまた通り過ぎていった。こっちを見ているけど、止めに入ることはなかった。見てるだけかい。
二階にある私の部屋。前までは筋トレグッズとか関連書とか置いてた。今は譲ったり処分したりで、棚とかがスカスカだった。トロフィーもどうしようかな……いつかは、かな。
「……」
「……結衣ちゃん」
棚を眺めていた私に、従姉は声をかけていた。
「……えっと、どうしたの?」
「……。パソコン、借りていい? ほら、兄さんがあんたに買ってくれたやつ」
従姉は私の頭を優しく撫でると、机の上にあるパソコンを立ち上げた。私がパスワードを入力し、交替。従姉にそれからの操作を委ねることにした。
「って、結衣ちゃん! あんた……少しは疑いなさいよ!んもう、悪いお姉ちゃんだったらどうするの!」
「真麻さんが悪い人って、そんな」
「んもう!」
従姉は不満そうにしながらも、USBを挿した。画面に映し出されるのは、ダウンロード画面。時間はそこまでかからず、データは落とされた。
「……なに、入れたの?」
「てへっ?」
私は今になって不安になってきた。なにせ、従姉が舌を出しているから。なんだ、この表情は。従姉には悪いけどデータを消そうとしたところで、音が鳴った。
『――脳筋悪役令嬢の華麗なる恋愛遊戯』
声が読み上げられた。とはいえ、声優さんとかの声ではない。よく動画とかである、合成音声ソフトによるものだった。
「あ、タイトル画面だけね。あとは追々、ね?」
追々? そう疑問に思っている内に。
画面に映し出されたのは、立派な建物。多分、学校かな。西洋っぽい感じ。西洋モチーフのゲーム? さらに私は思い当たった。
悪役令嬢。タイトルにはそうあった。これは、あれか。いわゆる異世界を舞台にした学園物か。
「ふふん、作ってみましたー。同人ゲーム! 今度売り出そうとしているんだ」
キャラグラも従姉によるものみたい。なんか、もっと美しさを表現したい。もっと力を得たいと彼女は言い続けていた。
「一応ね、完結まではしているけど。結衣ちゃんにテストプレイをお願いしたくて!」
従姉はお願いって、手を合わせてきていた。それはいいんだ。でもね。
「私、ゲームほとんどやってこなかったから……」
従姉が色んなゲームをやっていた時、私は見てる専だった。中でも頻度が多かったのが、乙女ゲーというものだった。従姉が興奮して画面に釘付けになっている間、私も密かにドキドキしてたりしていた。
「プレイ、させてもらおうかな。新しいことやってみたかったし」
「やったー!そうだ、説明しとく。ざっとこんな感じー」
従姉が作ったゲームは、悪役令嬢が主役の恋愛モノだった。
攻略対象はいずれも正統派ヒロインポジションの子が好き。それを奪い取る。そんな内容だった。
「ああ悪役令嬢、尊い……でもって、カタルシスも感じたいぃ。勝ち取りたいぃ。冷遇されてきた誤解されがち悪役令嬢を、華々しく輝かせたいんだよ!」
従姉は昔から悪役令嬢を崇拝していた。ライバルキャラに萌えるような人だった。
「あ、でも。最初から一途なのも好きなんだよぉ……」
「そうなんだ」
人によって色々な萌えどころはあるんだな。私はそんな感想を抱くくらいだった。従姉の熱量に対して、あっさりめな。
「それと結衣ちゃんよ。パソコンの方で良かった? アプリ版もあるんだけど」
「ううん、パソコンの方でいいよ」
どっちでも良かった。こだわってなかった。大好きな従姉の力になりたかった。新しいことをしたかった。そんな理由だったから。
そんな私が、まさか。
そんなスタンスだったのに。まさか。
あんなにもドハマりするなんて、思ってもみなかった。
アリアンヌ様。うん、そう呼ばせてもらうね。
そして、初めまして。といっても。瞳を閉じて横になっているあなた。私が誰かはわからないよね。でも一応、話をさせてね。
私は、小川結衣っていいます。私はあなたを知っていたけど、あなたは知る由もなかったよね。
あなたの前世。その知識も、私によるもの。突然過ぎたよね。本当にさ、早く言ってほしかったよね。私もさ、さっき目覚めたばかりだったから。
改めてごめんなさい。『そのはず』だったんだ。窓から逃走したあなたは、『国外追放』される。それでも諦めることなく、無実の罪を晴らそうとする。
そんな、バッドエンディング。敗北エンディングの方が合ってるかも。私としてはノーマルエンディングだと思ってるけど。だって気持ちは負けてないし。
なんの話かって、なるよね。うん、順を追って話さないとだね。
私、あなたのことが好きなんだよ。あなたの頑張りもわかっていたから。だからね、あなたを失ったまま終えたくなかった。
これは、あなたが。悪役令嬢が主役の物語。
――タイトルは、脳筋悪役令嬢の華麗なる恋愛遊戯。
どこか憎めない悪役令嬢が、四苦八苦する物語だったはずが。
きっと、私が歪めてしまったから。
ここはアルブルモンドという所ではない。名門の学園でもない。
私はいたって普通の高校生。日本で暮らしていた。見た目も肩くらいの長さの黒髪。昔は短髪のみだったけど、伸ばしている。あとの特徴といえば。
「……」
いつもの授業も終わって、帰るところだった。廊下の踊り場に映る、私の姿。私の特徴だったもの。筋肉質な手足。前はもうちょっと筋肉ついていたんだ。
私は元アスリートだった。でも事故によって、そこで私の選手生命が終わってしまった。日常生活は送れるけれど、前みたく激しい運動は出来なくなってしまった。
日常は送れていた。今となっては笑えてもいる。辛かった選手生活からも解放された、充実した日々のはずなのに。
やっぱりなんだ。やっぱり、胸がぽっかりと空いてしまっていた。
今日も友達と遊んで帰ってきた。結構遅い時間になっちゃった。
「あ、ユウ君。ただいま」
「……おかえりなさい、姉さん」
玄関先でばったり会ったのは、私の義理の弟だった。響きは似ているけど、再婚の連れ子同士。顔だって似てない。あっちはいかにもなイケメン。こうやって、髪をかき上げる仕草までもイケメン。
昔は『お姉ちゃんお姉ちゃん』って慕ってくれて。もうちょっと笑ってもくれていたけど、今じゃ全然。会話なんて挨拶程度。敬語にもなってしまってるし。
だから、こうして会ったのもたまたまなんだろうね。
――って、昔に浸っている内に彼はどっかに行ってしまっていた。
「……前みたくは、難しいかぁ」
この年になってくると、色々とあるのかな。血がつながってなくても、私は弟だと思ってきた。あっちもそうだと信じたい。でも昔みたく仲良くまでは、うん、難しいかな。
いつかは関係が修復出来ればいいな。それこそ、お酒を飲みに行ける年齢になったらとか――。
「――いえーい! 結衣ちゃん、おかえりー! お邪魔してまーす!」
「ちょ、真麻さん!?」
突然飛び出してきた酔っ払いに、私の心臓は飛び出しそうだった。従姉の真麻さんだった。私はその人に絡まれてしまい、自分の部屋まで連れていく流れになっていた。自然と。
「……」
弟がまた通り過ぎていった。こっちを見ているけど、止めに入ることはなかった。見てるだけかい。
二階にある私の部屋。前までは筋トレグッズとか関連書とか置いてた。今は譲ったり処分したりで、棚とかがスカスカだった。トロフィーもどうしようかな……いつかは、かな。
「……」
「……結衣ちゃん」
棚を眺めていた私に、従姉は声をかけていた。
「……えっと、どうしたの?」
「……。パソコン、借りていい? ほら、兄さんがあんたに買ってくれたやつ」
従姉は私の頭を優しく撫でると、机の上にあるパソコンを立ち上げた。私がパスワードを入力し、交替。従姉にそれからの操作を委ねることにした。
「って、結衣ちゃん! あんた……少しは疑いなさいよ!んもう、悪いお姉ちゃんだったらどうするの!」
「真麻さんが悪い人って、そんな」
「んもう!」
従姉は不満そうにしながらも、USBを挿した。画面に映し出されるのは、ダウンロード画面。時間はそこまでかからず、データは落とされた。
「……なに、入れたの?」
「てへっ?」
私は今になって不安になってきた。なにせ、従姉が舌を出しているから。なんだ、この表情は。従姉には悪いけどデータを消そうとしたところで、音が鳴った。
『――脳筋悪役令嬢の華麗なる恋愛遊戯』
声が読み上げられた。とはいえ、声優さんとかの声ではない。よく動画とかである、合成音声ソフトによるものだった。
「あ、タイトル画面だけね。あとは追々、ね?」
追々? そう疑問に思っている内に。
画面に映し出されたのは、立派な建物。多分、学校かな。西洋っぽい感じ。西洋モチーフのゲーム? さらに私は思い当たった。
悪役令嬢。タイトルにはそうあった。これは、あれか。いわゆる異世界を舞台にした学園物か。
「ふふん、作ってみましたー。同人ゲーム! 今度売り出そうとしているんだ」
キャラグラも従姉によるものみたい。なんか、もっと美しさを表現したい。もっと力を得たいと彼女は言い続けていた。
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従姉はお願いって、手を合わせてきていた。それはいいんだ。でもね。
「私、ゲームほとんどやってこなかったから……」
従姉が色んなゲームをやっていた時、私は見てる専だった。中でも頻度が多かったのが、乙女ゲーというものだった。従姉が興奮して画面に釘付けになっている間、私も密かにドキドキしてたりしていた。
「プレイ、させてもらおうかな。新しいことやってみたかったし」
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従姉が作ったゲームは、悪役令嬢が主役の恋愛モノだった。
攻略対象はいずれも正統派ヒロインポジションの子が好き。それを奪い取る。そんな内容だった。
「ああ悪役令嬢、尊い……でもって、カタルシスも感じたいぃ。勝ち取りたいぃ。冷遇されてきた誤解されがち悪役令嬢を、華々しく輝かせたいんだよ!」
従姉は昔から悪役令嬢を崇拝していた。ライバルキャラに萌えるような人だった。
「あ、でも。最初から一途なのも好きなんだよぉ……」
「そうなんだ」
人によって色々な萌えどころはあるんだな。私はそんな感想を抱くくらいだった。従姉の熱量に対して、あっさりめな。
「それと結衣ちゃんよ。パソコンの方で良かった? アプリ版もあるんだけど」
「ううん、パソコンの方でいいよ」
どっちでも良かった。こだわってなかった。大好きな従姉の力になりたかった。新しいことをしたかった。そんな理由だったから。
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