脳筋悪役令嬢の華麗なる恋愛遊戯~ダンジョン攻略駆使して有利に進めてみせます!~

古駒フミ

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紡がれたルート。

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「……知ってしまったからには、僕だって動くんだ。あなたは酷い人だ。このまま黙って――僕の前からも消えようとして」
「……」

 イヴに知られた。ええ、最低と思われても仕方ないでしょう。あなた、怒っていますものね。失望も――。

「あなたの影響だよ、僕も諦めが悪くなったんだ。だから――僕と恋愛しよう。僕とずっと一緒にいよう?」

 イヴはとても綺麗に笑っていました。

「何を馬鹿なことを――」

 殿下は嫌な予感でもしたのでしょうか。私たちを引き離そうとしていますが――。

「……うざ」

 殿下に吐き捨てるかのように呟いたその唇が。

「……!?」

 私の唇と触れ合っていた。

 私はもうパニックだった。殿下のも衝撃だったのに、イヴまで……あのイヴにまでと。彼はずっと従者として、私のことを主……アリアンヌ様に劣っていようとも、丁重に接してくれていて。

 そんなイヴが……イヴが。

「……消毒、こんなんじゃ足りないけど。というか、全然足りないけど。ねえ、ユイ。まだ僕が従者として、とか思ってる?」
「いえ……」

 行為もだけど、男の顔をしていたから。私にもわかってしまう、わからされてしまう。イヴは本気なのだと。

「くっ……」

 忌々しそうに見ていたのは殿下。イヴも負けじとでした。それに――じきに刻限ともいえます。

「……殿下。お願いいたします」

 あなたに振っていただきませんと。それによって――私に死が迫る可能性があろうとも。そうであろうとも。それなのに。

「……なあ、アリアンヌ」

 殿下が目を向けているのはイヴでした。彼もまた憎しみを隠しきれないようですが、何かを考えているようです。そんな彼は私に尋ねてきたのです――アリアンヌと。

「俺はな、君を振る言葉なんて口にもしたくない。かといって、君が命を奪われるはもっと耐えられない。でもってさぁ……俺とラブラブしてくれないわけだろ?」
「殿下……?」

 殿下、時間は迫ってましてよ? あなたは何も行動をされてない、したくないともとれましてよ? 

「……なら、もっとマシなことはないものか」

 殿下が示しているのはイヴ。

「――要は繰り返しだ。これまで君がしてきたこと。君が選択してきたことの」
「……!」

 まさか、と思いましたわ。まさかの連続なのです。でも、今の私ならばわかるのです。
 本来の攻略対象は四人。だけれど――イヴが追加されてしまったのだと。

「アリアンヌ、頼んだからな!? 友愛、友愛だぞ! 俺も助力するからな!」

 ああ……眠気が訪れていく。私はベッドに倒れ込み、仰向けの態勢となりました。今日ももう終わろうとしているのでしょう。

「……うっさいな。ねえ――アリアンヌ様?」

 ――待っててね。
 イヴの声が落ちる寸前、聞こえてきたのでした――。

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