【完結】ヒールで救った獣人ショタがマッチョに進化!? 癒しが招く筋肉のカタチ

たもゆ

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番外編

グルメ狩猟ツアー④ ※R描写あり

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(※性的描写あり。苦手な方はご注意ください)





 熱の奔流が引いていく。脱力した背中に伝わるのは、揺らめく暖炉の火ではなく——クー自身の熱い屹立。布越しに感じるその存在感が異様に生々しい。

 背筋がぞくりとした。焦燥と興奮が奇妙に混ざり合う。ゆっくりと振り返ると、クーが困ったような笑みを浮かべていた。瞳には抑え切れない欲望が揺らめいている。

 俺は少し勇気を振り絞って。彼の太腿に手をかけた。
 「……今度は俺がしてやるから」

 息を整えながら告げた言葉に、クーは一瞬、驚いたように目を見開いた。震える指でベルトの金具に触れると、彼は何も言わず、ただ俺の動きを見つめている。
 その視線の熱だけが、空気を震わせるように肌を焦がしていく。
 硬く膨らんだ質量に直接触れる前に、一度深く息を吸った。

 (……改めて見ても、やっぱりデカいな)
 開いた隙間から現れたそれは、血管の浮いた灼熱の得物。先端は既に濡れて艶を帯び、脈打ちながら天井を仰いでいた。
 今まで、よくこんなものを自分の中に受け入れてたな……と、我ながら感心してしまう。

 「ちょ……ちょっと待ってユーマ」
 クーが慌てて声を上げる。珍しく余裕のない表情だ。
 「ユーマがそんな……汚れちゃうから」
 「……いまさら?」
 苦笑すると、彼は困ったように眉を下げた。俺は意を決して右手を添える。驚くほど熱くて張りつめているそれを、ゆっくりと上下させると、手の中でさらに硬度が増した。

 「う……ぁ…」
 クーの吐息が髪を揺らした。首筋にかかる息が熱い。左手を彼の太腿に置いたまま親指で先端を撫でると、ぬるりと粘液が絡む。その感触に背中が粟立った。

 「……気持ちいい、か?」
 「……ん、すごく、気持ち、いいよ……」

 (俺がクーを悦ばせてるんだ……)
 奇妙な優越感と、不安が胸の奥でせめぎ合う。
 クーの呼吸が荒くなるたび、その熱が俺の肌に伝わり、高鳴る鼓動が、同じリズムを刻みはじめた。

 こんなぎこちない愛撫でも、彼の雄が応えてくれる。
 羞恥と欲望が渦を巻いて、頭の中がぐちゃぐちゃになる。 満足に呼吸ができないほどに、俺の感情は、完全に彼に支配されていた。

 もっと悦ばせてみたくて、よつ這いになり、肘をついて彼の太腿の間に顔を埋めた。
 「あ……っ……ユーマ!」

 自分の心臓の音がうるさくて、焦る気持ちをどうにかしたくて、勢いで唇を彼のものに押し付ける。だが、慣れない体勢と緊張で、どこか指先が硬直してしまっているのが自分でも分かった。

 舌先でそっと先端に軽く触れる。塩気とクー特有の野生の匂いが鼻腔を刺激し、理性を揺さぶった。口を開いて含もうとするが──すぐに限界を感じ、半分も収められずに咽てしまう。

 仕方なく、咥えるのは諦め、舌と唇だけを使うことにした。大きく張り出した雁首を唇で挟むようにあむあむと食む。すると想像以上の反応が返ってきた。

 「っ……!?」
 クーの腰が跳ね上がる。予想外の刺激に困惑した表情が可愛く思えた。調子に乗って何度も唇で擦るように往復させ、鈴口に吸い付くような、触れるだけの柔らかい愛撫を繰り返す。

 「あ……っ……ユーマ……それ……!」
 声が裏返った。見上げた視線の先で、クーは後ろに手をついた体勢で、眉根を寄せ目を瞑り、必死に耐えていた。その姿が愛おしくてたまらず、さらに角度を変え、舌で裏筋を丁寧になぞると、熱い脈動が唇越しに伝わってきた。

 「……!!」

 クーが息を詰まらせた瞬間だった。

 「もうダメ……我慢できないっ!」

 鋭い叫びと共に視界が反転した。
 床に敷かれた毛皮の温もりが背中に伝わり、気がつけばクーが覆いかぶさっていた。
 獣のように光る瞳、荒く熱い吐息。
 俺を組み敷いた筋肉質な腕は微かに震えている。

 「クー……?」
 「ごめんユーマ……でももう……止まれない」

 囁きは嵐前の静けさを孕んでいた。次の瞬間

 「あ゛っ……!?」
 灼熱の質量が体内に侵入してくる。予兆のない衝撃に喉が詰まった。クーは歯を食いしばりながらゆっくり腰を沈めていく。

 「き、つ……」
 呻き声と共に奥まで貫かれると同時に、熱い指が俺の硬くなりかけた愚息を握りしめた。
 「あっ……まっ、て……そこ……っ」

 律動が始まるなり前立腺を容赦なく抉られ、同時に敏感な陰茎を揉みしだかれると意識が飛んだ。肌のぶつかる音が室内に響き渡る。

 「ユーマ……好き……愛してる……!」
 まるで譫言《うわごと》のように繰り返されるその声と、打ちつけられる力強い腰の動きが、怖いほどの快感となって全身を電流のように駆け抜けた。
 痛みと快楽の境界が溶け、全てがひとつに混ざり合う感覚。
 俺は抗えず、ただ溺れるように、喘ぎに身を任せるしかなかった。

 「ひ……っ…ああ……!!」
 背筋を弓なりに反らせると内部の角度が変わり、より深くクーを受け入れてしまう。互いの熱が溶け合う感覚。絶頂の波がすぐそこまで迫っていた。

 「……ユーマ、好き……大好き!」
 クーの囁きと同時に前立腺を押し潰される。同時に鈴口を爪で擦られ――目の前が閃光のように弾けた。

 「……やあぁッ……アアッ……!!」
 「……っ、ユーマ……!!」

 二人の喘ぎが重なる刹那。クーの熱が爆ぜるように奥底へ放たれ、その衝撃で俺も痙攣するように果てた。熱い飛沫が自分の腹にパタリと落ちる。
 暖炉の火がぱちりと弾け、静寂に小さな音を落とした。

 互いの荒い呼吸だけが、長い沈黙を埋めていく。
 クーは泣き出しそうな顔で、そっと俺の頬に両手を添えた。その手のひらは、先ほどの熱とは違う、冷たい不安を帯びていた。

 「……ユーマ、ごめんね。怖かったよね? 痛かったよね?」
 震える声でそう言うと、クーは俺の額に自分の額をそっと合わせてきた。
 「……ん、少しだけ、な」
 掠れた声で答えると、クーはすぐに俺の肩口に顔を埋め、後悔と自己嫌悪を滲ませながら呟いた。
 「……ほんとにごめん。こんなつもりじゃなかったのに……我慢できなかった」
 「……いや、大丈夫だって。気にするな」

 (まぁ、最悪ヒールあるしな……)
 そう心の中でだけ付け足す。声に出したら、この男は絶対泣く。

 突っ伏しているクーのクマ耳に手を伸ばし、落ち着かせるみたいに撫でつけた。

 「……その、あれだ……。お前がいつも、俺の身体を傷つけないように抱いてくれてるの、知ってるから……。ありがとな」
 ぽつりと告げると、クーの肩が小さく震えた。
 さっきまでしょんぼり垂れていた丸い耳の縁が、ゆっくりと――救われたみたいに持ち上がる。

 「……ユーマあぁぁ!」

 猛獣みたいな唸り声とともに、ぎゅうっと抱き寄せられ、荒々しく、こめかみに唇を押しつけられた。

 「んー……好き♡♡」

 その勢いに苦笑しながら、俺はクーの背をぽんぽんと叩く。
 「……はいはい」

 「ねぇ、ユーマ、そこは『俺も好きだよ♡』って返すとこだよ」
 「……さっき言っただろ?」

 照れ隠し半分でそう返すと、クーは「もー」と口を尖らせ、次の瞬間、言葉の代わりに俺の唇を塞いだ。
 炎の光が揺れ、その揺らめきが、クーの瞳の中で煌めいた。
 触れた唇の熱に、世界がゆっくりと溶けていく。
 クーのキスは、熱く、深く、そして逃げ場のない――温もりの檻を完成させるようだった。

 そのまま、俺たちはもう一度、静かに愛し合った。
 先ほどの荒々しさとは違い、吐息は穏やかで、まるで柔らかなまどろみの海に身をゆだねているようだった。



 ***

 次の日。
 家へ帰る途中、森で拾った木の実やキノコを鞄いっぱいに詰め込んだ。
 さらに、クーが仕留めたプテガルス――丸々と太った小型の鳥系魔物も何羽か。
 チビたちへのお土産だ。

 家に着くと、チビたちはもちろん大喜び。
 「かたじけねぇ兄貴! 腐る前にガツンと捌きやしょうかね!」
 台所へ張り切って運び込む姿に、思わず笑みが零れる。

 ――だが、その笑顔も長くは続かなかった。

 玄関ホールに立つガウルとアヴィ。
 ガウルは腕を組み、アヴィは腰に手を当て、二人そろって仁王立ち。
 目が据わっている。まるで狩りの獲物を睨みつけるような視線が、俺たちに突き刺さった。

 「……た、ただいま……?」
 声が自然と震える。
 この二人が揃ってこうして立っている時は――たいてい、ろくなことがない。
 だが、なぜ怒っているのか、俺にはまるで見当がつかなかった。
 
 「クーさん。聞きましたよ。『誕生日だから』という理由で、ご主人様をデートに誘ったとか」
 「うん! そだよー♡ それがどうかしたの?」
 クーは呑気に顔を覗かせ、悪びれた様子もなく笑っている。

 「……おい。お前、この前も『誕生日だからユーマを貸して欲しい』って言ってたよな?」
 「つい先月もですよ。僕の先約があったのに、『誕生日だから』って頼まれて、仕方なく譲ったんですけど?」

 (……おんやぁ……?)

 「……そうだったっけ?」
 隣を見やると、クーは相変わらずとぼけた顔で無邪気に笑っていた。
 だがそれは、俺の優しさという抜け穴を知り尽くした――確信犯の笑みだった。

 「『そうだったっけ?』じゃないですよ! いったい貴方は一年に何回誕生日があるんですか!」
 「しばらくユーマとの外出は禁止だな」
 「ええー!!」

 ​この後、クーはガウルに首根っこを掴まれ、寝室に連行された後、二人にみっちり絞られていた。
 ​だが、クーは全く堪えていない。
 ​アヴィが規則と規律を説き、ガウルが積もり積もった鬱憤をぶち撒けても、​クーは終始、俺を巡る「勝利」の余韻に浸っているかのようだった。
 ​結局、二人のほうが疲弊し、呆れ返ってしまったのは言うまでもない。

 ​――まったく、知恵があるんだかないんだか。

 ​(多分、全部わかってやってるんだろうな……)

 ​狡猾なのか、ただの愚鈍なのか――。
 ​どちらにせよ、手の付けられない猛獣のようなクーを、それでもなんだかんだ憎めないのが、俺にとってのクーという男であった。
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