蘇り令嬢の幸せな結婚

よしゆき

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 それから数日後の事だ。セルマの家族が屋敷にやって来た。
 窓の外に両親と妹の姿を見つけ驚いた。思えばもうずっと家族の事を考えていなかった。
 彼らはセルマがここにいると知っているのだろうか。知っているからこそ訪ねて来たのか。
 もちろん、こんな姿になってしまった事は知らないだろうけれど。
 しかし、シーラはどう考えているのだろう。彼女はセルマを殺した当人だ。セルマが生きてここにいるわけがないと思っているはずだ。
 セルマは部屋の中から出る事はなく、対応したのはマルクスだ。一体どんな話をしているのか、セルマは気が気ではなかった。
 やがて両親と妹は帰り、そしてマルクスが部屋に入ってきた。セルマはすぐに彼に声をかける。

「ねえ、マルクス。私の家族は、私がここにいる事を知っているの?」
「ああ。森で見つけてうちで保護して、それから結婚した事も報告しなきゃならなかったからね。セルマの家族だから」
「な、何か言ってなかった? 私が姿を見せないの、変だと思っていたんじゃ……」
「今は精神が不安定だから俺以外の誰にも会わせられないって説明したら、君のご両親はそれ以上特に追及してこなかったよ」
「そ、そう……」

 両親が自分には無関心な事が幸いした。この先二度と顔を合わせなくても、彼らはきっと気にしないだろう。

「ところで、セルマ?」

 マルクスが感情の読めない顔でこちらを見つめる。

「君を殺したのは君の妹か?」

 平坦な口調で尋ねられ、一瞬何を言われたのかわからなかった。

「……え? ど、どうして……?」

 何故彼は、「殺した」と断定的に口にしたのだろう。セルマは自分が殺された事は言っていない。

「ご両親に比べて、彼女は酷く動揺していたから。まるで、セルマが生きているなんてあり得ないとでもいうように」
「それは……だって、一ヶ月以上も行方不明だったんだもの。普通は生きているなんて思わないわ」

 妹に殺された事をセルマは隠した。
 自分が行方不明になった事であんなにも憔悴していたマルクスに、殺された事実を教えたらどうなるのか。
 言ってはいけない気がして、セルマは自分が殺された事は隠し通すと決めた。

「確かにそうだね」

 マルクスはニッコリ笑った。
 納得してくれたのかはわからないが、それ以上は何も訊かれなかった。





 翌日。マルクスは仕事に行き、セルマが一人で部屋にいる時だ。
 ドアの向こうから揉めるような声が聞こえてきた。

「困ります、シーラ様……! セルマ様のお部屋には近づかないようお願い致します」
「何でよ!? 私は妹なのよ! 姉に会いに来ちゃいけないっていうの!?」

 使用人の制止を振り切るように近づいてくる足音。そして部屋に鳴り響くノック音。

「ねえ、いるの、お姉ちゃん?」

 シーラの声が問い掛けてくる。
 セルマは身を固くし、じっと息を殺す。

「ほんとに……ほんとにいるの? 生きてるの? 生きてたの? ねえ、お姉ちゃん……っ」

 シーラの声には恐怖と疑惑が滲んでいる。
 彼女は知っている。彼女だけは知っている。セルマは確実に死んでいると。
 だから生きているわけがないと思っている。けれどそれを公然と口にする事はできない。口にすれば、セルマがどうして死んでいる事を知っているのか話さなければならなくなる。
 そしてもし万が一、本当に生きていたとしたら。殺人犯となってしまう事を彼女は恐れているのだろう。
 マルクスが生きていると言っているだけで、彼女には本当に姉が生きているのかどうかわからない状態だ。だから確認せずにはいられないのだろう。こうしてマルクスのいない隙を狙って屋敷に訪ねてくるほどに。
 彼女はきっとセルマを殺したあの時よりも、今の方が心から姉の死を望んでいるはずだ。
 ここに姉はいない。そう願いながらドアをノックしている。
 長い時間彼女はそうしていたが、やがて帰っていった。また明日来るわ、と言葉を残して。
 セルマは脱力したようにベッドに座る。
 返事をすれば、シーラは当然顔を見せるように言ってくるだろう。
 このままずっと返事をしなくても。返事をして姿を見せなくても。彼女が不審に思わないわけがない。
 この先マルクス以外の誰にも会わず、ずっとこの部屋から出ずに生きていくなんてできるのだろうか。
 現にシーラはその内無理やりドアを壊してでも部屋に入ってきそうだ。
 この屋敷で働く使用人だって、おかしいと思っているはずだ。
 もしマルクス以外の誰かにこの姿を見られてしまったら。
 化け物だと糾弾され自分だけが殺されるのなら別にいいが、マルクスにまで害が及ぶ可能性も高い。化け物を匿っていたと断罪されてしまうかもしれない。
 それだけは避けなくてはならない。
 その上、もし子供を孕んでしまったら。

「……っ」

 セルマは血が滲むほど強く唇を噛み締める。
 嬉しかった。マルクスが、こんな姿になっても変わらず自分を愛してくれた事が。本当に、本当に嬉しかった。
 けれど、やっぱり一緒にはいられない。
 ずるずると決断を先伸ばしにしてしまったが、覚悟を決めなくてはならない。マルクスから離れる覚悟を。
 しかし、彼は聞き入れてくれないだろう。きっとどれだけ言葉を重ねても、彼を説得する事はできない。
 ならば、逃げるしかない。
 ここから逃げて、そしてどこか遠く離れた場所で命を絶とう。
 セルマが姿を消せば、マルクスがどれほど悲しむ事になるのか。想像すると胸が苦しくなる。
 けれど、どんなに辛くても離れなければならないのだ。
 ただ、問題はここを抜け出す方法だ。ドアは外側から施錠されていて開かない。それにここを出た後も、人に姿を見られないように移動しなければならない。遠くへ行くにしても、その移動手段がない。
 考えた末、セルマはシーラに協力を求める事にした。
 彼女はセルマに消えてほしいと強く思っているはずだ。だから、きっと協力してくれる。
 セルマはシーラに手紙を書いた。
 死んで化け物として蘇ってしまった事。
 人間として生きていく事はできない。だからここから出て命を終わらせようと思っている事。
 馬車を用意して、それで人のいない遠くの森まで運んでほしい。シーラにその協力を頼みたい事。それを決行する日時。
 それらの書かれた紙を、翌日またシーラが訪ねてきた時、ドアの下の隙間から差し込んだ。やがて気づいたシーラがそれを取り、彼女は帰った。
 シーラが協力してくれる事を祈り、セルマはその日を待った。
 マルクスと顔を合わせるのは辛かった。セルマが離れようとしている事に気づかず微笑む彼を見ていると胸が激しく痛んだ。
 傍にいてほしいと望む彼を裏切り、逃げて、命を終わらせるのだ。
 彼はどう思うのだろう。
 いっそ嫌いになってほしい。こんな姿になっても愛してくれるというのに、そんな彼の気持ちを踏みにじり逃げ出すのだから。嫌気が差して、恨んで憎んで、セルマの顔など二度と見たくないと思うほどに嫌ってくれればいい。
 込み上げる悲しみを押し殺し、セルマは計画に気づかれないようにいつも通りの態度で彼に接した。
 そして数日後の、計画の実行日。
 シーラからの返事はもらっていない。手紙を渡したあの日から彼女は屋敷に来ていない。
 何日の何時頃に屋敷の門の外、中からは見えない場所に馬車を用意しておいてほしいと頼んだ。
 彼女が来てくれていると信じてセルマは実行に移る。
 セルマのいる部屋は屋敷の二階だ。部屋のドアからは出られないので、窓から抜け出すしかない。
 カーテンを繋ぎ合わせ、縛り付け、それを使って窓から外へ。ロープなどは用意できないのでかなり杜撰な計画だが、もし落ちて怪我をしても別にいいと思っていた。どうせ死ぬつもりなのだから、ここで怪我を負っても何も問題はない。馬車まで辿り着ければいいのだ。
 危なげながらもカーテンをつたい、地面まで届かなかったのでそこからジャンプして降りた。足は痛かったが無事に着地できた。
 セルマは腰に巻いていたシーツをローブのように被ってすっぽりと身を覆い、門の外へ急いだ。
 屋敷にいる使用人はセルマの部屋には近づかない。出ていくところを見られなければ、セルマがいなくなった事に気づかれることはないだろう。
 気づかれるのは、マルクスが仕事を終えて帰ってきた後だ。まだ時間は充分にある。
 そして、馬車はあった。傍らにシーラの姿もある。もし馬車がなければこのまま走って行こうと考えていたが、とりあえずその心配はなさそうだ。
 セルマは駆け寄る。

「ありがとう、シーラ、来てくれて」
「っ……」

 シーラは顔を青ざめ嫌悪を示す。極力姿が見えないようにシーツで隠しているが、死んだはずの人間が目の前にいるのだ。不気味に思って当然だ。シーラは殺した当人だから尚更そう感じるだろう。

「早く乗って」

 急かされて、馬車に乗り込む。魔法で動く馬車は走り出した。
 セルマは椅子の端に座り、シーラは向かいの反対側の端に座る。
 可能な限りセルマから離れたいという彼女の気持ちがひしひしと伝わってくる。セルマと同じ空間にいるのも嫌そうだ。
 これが普通の反応だろう。大半の人間はセルマという化け物を受け入れられず拒絶する。きっと両親も同じだろう。
 それなのに、マルクスは一度だってセルマを化け物扱いしなかった。嫌悪するどころか抱き締めてキスをして、愛してくれた。
 人間として生きられないのなら、何の為に蘇ったのか。そう思わなくもない。けれど、蘇らない方がよかったとも思えない。
 マルクスに抱いてもらえた。彼の肌の温度も、触れる手の感触も、胎内を貫く痛みも、強烈な快感も、愛する人の腕に包まれるこの上ない喜びも、全部鮮明に覚えている。
 彼が自分を愛してくれたように、自分も彼を心から愛している。それが痛いくらいにわかった。こんなにも人を愛せた事が嬉しい。そんな人に出会えた事が幸せだった。
 もう二度と会えなくても、死んでも、この気持ちは変わらない。
 ふと窓の外を見る。馬車が森ではなく、今は人の住んでいない廃墟が立ち並ぶ地域へ向かっている事に気づいた。

「待って、シーラ。進行方向が間違ってる。森とは反対の方へ向かってるわ」
「間違ってないわよ。これでいいの」

 慌てて声をかければ、シーラは冷めた目でセルマを見る。

「どういう事……? 私は森に運んでほしいって頼んだのに……」
「この先に、もう使われてない牢獄があるの。そこの牢屋に閉じ込める為よ」
「閉じ込めるって、私を……? どうして……」

 戸惑うセルマに、シーラは嫌悪感を剥き出しにして大声を上げた。

「当たり前でしょ!? あんたみたいな化け物、放置なんてできないもの!!」
「っ……」

 ビックリして、言葉を詰まらせる。シーラは不快感も露にこちらを睨み付けていた。
 悪意をぶつけられて怯みそうになるが、かといってこのまま牢屋に閉じ込められるわけにはいかない。

「ま、待って……手紙にも書いたでしょ? 私、死ぬつもりなのよ。だから、閉じ込める必要なんてないでしょう……?」
「そんなの、信用できない」
「そんな……」
「大体、あんたは一度死んでるのよ! なのに今、こうして生きてるじゃない!」
「そ、それは……」
「だったらまた蘇ってくる可能性だってあるわ。死ねないような化け物を野放しにするなんて危険だもの。誰も近づかない場所に閉じ込めておくのが一番よ」

 確かにセルマは自分が死ねるのかどうかまだわからない。どうして生き返ったのかもわからないのだ。シーラの言う通り、死んでも死ねない体になってしまった可能性はある。
 けれど、今の段階では確実な事など何もわからないのだ。そんな状態で牢屋に閉じ込められるなんて。
 死ねないかもしれない。
 でも、死ねるかもしれないのだ。それなのに、閉じ込められてしまったら本当に死ねなくなってしまう。食事を必要としないこの体では餓死などできないだろう。何もない牢屋の中で、寿命を終えるまで生き続けなくてはならなくなってしまう。
 そんなのは嫌だ。
 でも、シーラは何を言っても聞く耳を持たないだろう。彼女は既にセルマを化け物としか見ていないのだから。
 逃げなくては。
 マルクスの元から逃げ出して、今度は逃げ出した先のシーラから逃げる事になるなんて。
 セルマは走り続ける馬車のドアを開けた。そして飛び降りた。

「ちょっ……何してるのよ!!」

 シーラの叫ぶような声が聞こえた。
 綺麗に着地できなくても、上手く転がれば大丈夫だ。そして馬車で追って来られないよう、細い道を選んで逃げるのだ。
 そう考えていたセルマだが、逃走は失敗に終わった。変な体勢で地面に激突し、セルマは後頭部を強打した。そのまま意識を失う。
 そしてこの時、強く頭をぶつけた衝撃でセルマは記憶を失くしたのだった。
 馬車を停め、シーラが降りてくる。

「何なのよもうっ……。余計な手間ばかりかけさせて……!」

 イライラと不満を吐き出しながらセルマに近づく。体に絡み付くシーツは邪魔なので剥ぎ取り、気絶しているセルマの衣服を掴んで地面を引き摺り移動する。
 姉の体の軽さに一瞬驚いた。森で崖から突き落とし、湖まで運んだあの時よりずっと軽い。
 普通ならばあり得ないほどに伸びた長い髪に、スカートから覗く脚にちらほら見える鱗。

「何よ、やっぱり化け物じゃない!」

 化け物の言う事など信用できない。二度と人間と関わる事がないよう、隔離しておくべきだ。
 再び馬車に乗せて目的の場所まで移動する。目を覚まさない姉を引き摺り、牢屋の床に転がした。体重が軽かったので運ぶのにそれほど苦労はしなかった。
 シーラは外に出て格子戸を閉めると、用意してきた鎖を絡めて巻き付ける。内側から決して開けられないよう、南京錠を使って固定した。
 未だ起きる気配のない姉をそこに残し、シーラは振り返る事なくその場を後にする。
 外に停めておいた馬車に乗り、帰路に就く。
 そして屋敷に入ったシーラは使用人から言われたのだった。マルクス様がお待ちですよ、と。





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