絶対結婚したくない令嬢と絶対結婚したい王太子

よしゆき

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レナート視点 3

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 魅力的なナイナは男子生徒だけでなく、女子生徒までも魅了する。友人として親しくなるだけなら構わないが、ナイナの魅力は同性さえも誘惑してしまう。相手がナイナよりも小柄な女性だったとしても、だからこそ油断し、薬を盛られ、身動きをとれなくされたら。
 そんな想像が頭を過り、毎日気が気ではない。友人を作るのを止めはしないが、あまり近づきすぎないよう、しっかりと見守っておく必要がある。ナイナが俺以外を誘惑してしまわないよう、常に彼女に気を配っていた。
 そんなある日の夜のこと。
 ナイナが俺の部屋を訪ねてきた。
 こんな時間にやって来るなんて、なにか急用だろうか。用などなくても、ナイナならばいつでも大歓迎だが。

「どうした?」
「どうしても、レナート殿下のお顔が見たくて……我慢できずに来てしまいました。どうか、お部屋に入れてください」

 ナイナは瞳を潤ませて俺を見上げてくる。
 なんて可愛らしくいじらしいのだろう。
 我慢などする必要はない。会いたいからという理由で会いに来るのは、婚約者のナイナにだけ許された特権だ。
 わざわざ会いに来てくれたことに喜びを噛み締めながら彼女を招き入れた。
 ナイナはローブを脱ぎ夜着姿になった。リボンをあしらった可愛らしいものを身に付けている。ドレス姿も制服姿も可愛いが、こういう無防備な姿も大変可愛い。
 ベッドに並んで座れば、ナイナはぴったりと身を寄せてきた。

「レナート殿下ぁ」
「なんだ」
「夜はレナート殿下にお会いできないので、私、とっても寂しいのです。たくさん甘えてもいいですか?」
「構わない」

 もちろん断ることなどない。いちいち確認などしなくても、いついかなるときでも甘えてくれて構わない。
 それにしても、俺は彼女を寂しがらせていたのか。それに気づけずにいたことが不甲斐ない。本当なら、彼女の寂しさを察し俺の方から会いに行くべきだったのに。
 俺は深く反省する。
 今夜は彼女のわがままは全て叶え、思いっきり甘えさせてあげたいと思った。
 ナイナは「えへへ」と嬉しそうに笑い腕にしがみついてくる。
 
「レナート殿下、私、キスしたいです」
「わかった」

 そんなの、いくらでもしてやる。寧ろ俺がしたい。
 ぷるぷるの彼女の唇を優しく啄む。柔らかくて、何度しても飽きない。ずっとキスしていたい。
 唇の感触を堪能していると、ナイナが切なげに見つめてきた。

「や……レナート殿下、もっと激しいのがいいです……私のお口の中、くちゅくちゅして下さ、ぁんっんっんんっ」

 可愛らしいおねだりに、堪らずナイナの唇にむしゃぶりついた。舌を差し込み口の中を掻き回し、彼女の甘い唾液を啜る。

「くふぅ、んんっ、んっ、ぁっ、レナート殿下ぁっ」

 キスの合間に甘えるように名前を呼ばれ、じん……と下腹部が熱を持つ。

「んっんぁっ、お願いします、レナート殿下……触って下さい……」

 ナイナは夜着の裾を持ち上げて、下肢を晒した。脚を開くと、下着がはっきりと濡れているのがわかった。
 ナイナにねだられると嬉しい。
 彼女の淫靡な姿にくらくらしながら、望みを叶えるべくベッドに押し倒し下着を脱がせた。
 とろりと蜜を滴らせるそこに指で触れる。

「ふぁっ、あんっ」

 温かくてとろとろの蜜口は撫でるとくちゅくちゅと水音が鳴った。彼女の体液で濡れた指で、花芽を弄る。

「ひあっあっあぁんっ、きもちぃっ、あっあぁっ」

 ひたすらに、ただナイナを気持ちよくするために愛撫する。刺激で固く膨らんだ陰核を、蜜を塗りつけぬちゅぬちゅと撫で回した。

「あぁっ、こりこりきもちいぃのっ、あっあっあっ、レナート殿下ぁっ」

 もっともっと俺の手で感じさせたい。俺が与える快感で乱れる姿を見たい。
 その欲求に突き動かされるまま、小さな粒を指で挟んでちゅこちゅこと扱いた。

「ひっあっ、いくいくっ、いっ、~~~~~~っ」

 ナイナはよがり声を上げ、激しく体を震わせた。
 浅く胸を上下させ、懸命に呼吸を整えるナイナを労るように体を撫でる。

「大丈夫か?」
「はひ……」

 ぼんやりする顔が可愛くて、火照った額にちゅっと唇を落とす。
 彼女の肌は汗でしっとりしていた。この汗を全て舐めとりたいが、今は俺のしたいことをするのではなく、ナイナを甘えさせわがままを叶えることを優先しなくては。
 もっと甘えて、わがままを言ってほしい。そう思っていると、ナイナは震える脚を広げて俺に視線を向けた。

「レナート殿下、お願い、中も触って……ぐちゅぐちゅして……?」
「中?」
「おまんこの、中……」

 ナイナの口から飛び出した言葉に僅かに驚いた。そういう俗語があるのは知っている。女性器のことだというのはわかった。幼い子供が使う言葉だと思っていたので、彼女が口にするのは意外だったのだ。
 驚きはしたがそれを少しも表情に出すことなく、俺はナイナの望みを叶えるため彼女の脚の間に触れる。

「ここか?」
「あっ、そこ、そこ、レナート殿下の指、ほしい……っ」

 ナイナは早くと催促するように腰をくねらせる。
 可愛くもいやらしい彼女の姿に体が昂るのを感じながら、蜜口の中へ指を差し込んだ。

「ああぁっ」

 ナイナは甲高い声を上げた。反応は大きいが、声も表情も、痛みを感じている様子はない。
 傷つけないよう慎重に、中を探る。一度舌で味わったことがある、温かくぬかるんだそこの濃厚なナイナ本人の味を思い出し、涎が込み上げてきた。また味わいたいが、ナイナは指がいいと言っている。
 だから俺は舐めるのは我慢して、指をぐちゅぐちゅと抜き差しした。柔らかいのに締め付けるように狭い彼女の中はこうしているだけで気持ちがいい。

「ひあぁっ、そこ、きもちいいのぉっ」
「ここ?」
「あっあっ、そこっ、擦られるの好きっ、あっあぁんっ、きもちいいっ」

 ナイナが気持ちいいと言うざらついた箇所を指の腹で何度も擦る。蜜がどんどん溢れてきて、指を出し入れする度にぷちゅぷちゅと漏れた。
 シーツに吸わせるなんてもったいない。俺が全部舐めとりたい。彼女の脚の間に顔を埋め、一滴残らず啜りたい。
 そんな自分の願望は抑え、快楽に身悶えるナイナの姿を目に焼き付けながら膣内を刺激する。
 今、部屋の中はナイナの甘い喘ぎ声と彼女の蜜の音で満たされている。そしてナイナが俺のベッドの上で顔を蕩けさせ身をくねらせている。
 その事実に酷く興奮した。

「んひぁっあぁっ、レナート殿下ぁっ、いく、いっちゃ、あっあっ、おまんこぐちゅぐちゅされていっちゃうっ、あっあっあああぁっ」

 こうして俺の手で絶頂に達するナイナを見るのはとても幸せで、同時にとても情欲を掻き立てられる。
 込み上げる欲望はぐっとこらえて、そっと指を引き抜いた。

「あんっ……レナート殿下ぁ……」
「満足したか?」

 ナイナの寂しさは埋めることができただろうか。彼女が満足するまでとことん付き合うつもりでいる。

「まだ、です……っ」

 ナイナは自分で両脚を抱えた。そうすると秘所が丸見えになる。丸見えになったそこを、ナイナは更に指で広げた。
 いやらしいポーズにずくりと股間が熱くなる。

「指じゃ足りないです……奥、熱くて切ないの……助けて下さい、レナート殿下……」
「助ける?」
「レナート殿下のおちんぽ、欲しいんです……お願い……」

 ナイナは切なく潤んだ瞳をこちらに向け、蜜で濡れそぼった花弁をくぱぁ……と広げる。
 ナイナの口から「おちんぽ」という言葉を聞き、えもいわれぬ興奮を覚えた。
 ナイナの姿を食い入るように凝視しつつ、俺は頷いた。

「わかった」
「へ……?」

 そこまでしなければ満たされないほど、俺はナイナを寂しがらせてしまったのだ。女性に言わせてしまうなんて情けない。せめて、身も心も存分に満たしてあげたい。
 もしも、万が一のときのためにと避妊薬を用意しておいてよかった。
 サイドテーブルに置いてある箱から薬を取り出し、片手で下衣を寛げながらもう片方の手で薬を口に運ぶ。薬を飲み込み、男根を取り出した。それは扱く必要もなく、既に勃起していた。
 広げられた蜜口に、先端を押し付ける。

「ま、待っ、レナート殿下……!」

 名前を呼ぶナイナの声を聞きながら、俺はぐっと腰を進めた。

「あああぁ────っ」

 先端がぬかるみにめり込む。

「っ、きついな……」

 俺は思わず息を詰めた。
 熱くてきつくて、信じられないほど気持ちいい。半分ほどしか入っていないが、ぎゅうっとぬめった肉筒に包み込まれる感覚はこれ以上ないほどの快感を俺にもたらした。
 しかし、俺が気持ちよくても意味がない。

「んゃっあっ、痛い、おっきい、太い、痛い……っ」

 ナイナの声音には苦痛の色が滲んでいる。
 俺はそれ以上奥へは進まず、ナイナの零す涙に吸い付いた。

「力を抜け、ほら、気持ちいいところを擦ってやる」
「んああぁっ」

 彼女が快感を得られる、浅い箇所を亀頭で擦る。

「ここだろう、ナイナの気持ちいいところは」
「あぁんっ、そこっ、そこ、硬いので擦られるのきもちいいっ」

 よかった。ちゃんと感じてくれている。
 ナイナの声に甘さが戻り、固くなっていた体からも力が抜けた。
 俺は浅く抜き差しを繰り返しながら、ナイナの夜着のリボンに指をかける。
 俺はナイナの胸を、初夜でたっぷり可愛がる予定だったのに。まさかこんな形で初夜を迎えることになると思っていなかったからすっかり遅れてしまったが、今からでも遅くはない。
 胸元をはだければ、大きな二つの膨らみが露になった。白く滑らかな膨らみの先端に、果実のように色づく乳首がいやらしくも美しい。

「あんっ、あっあっひあぁんっ」

 ナイナが背中を仰け反らせると、それに合わせて胸が揺れた。
 素晴らしい光景に感動しつつ、そっと優しく掌に包み込む。ふにゃりとした感触が伝わり、その柔らかさに衝撃を受けた。少し力を入れただけで、柔らかい肌に自分の指が食い込む。

「あぁっ、お願い、ちくび弄ってぇっ」

 あまりの柔らかさに感激していると、ナイナがそうおねだりしてきた。
 要望に応え、ぷくんと膨らむ先端を指で刺激する。すると、膣内をきつく締めつけながらナイナは気持ちよさそうに身を捩る。
 俺は更なる快楽を与えるため、揺れる胸に顔を寄せた。舌を伸ばして乳首を舐め、乳輪ごとぱくりと食んで吸い上げる。

「んぁああっ、いいっ、ちくびきもちいぃっ、あっああぁんっ」

 気持ちいいと言ってもらえるのは嬉しいが、どれが気持ちいいのか判断がつかなかった。

「どれだ?」
「ふぇっ? あっあっあぁっ」

 確かめるために、乳首を指で詰まんでこりこりと捏ねる。

「これか?」
「ふあっあっあっあんっ」
「それともこれか?」

 今度は唇に含んで音を立ててしゃぶりつく。

「ひぁっあぁんっ」
「どれが気持ちいいんだ?」

 大切なことなので真剣に尋ねた。

「どっちもきもちいぃっ、吸われるのも、指でされるのも好きぃっ」
「わかった」

 素直で可愛い答えを聞き、俺は頷いてから早速愛撫を再開した。
 両方の胸を平等に可愛がる。乳首を舐めてしゃぶり、指にきゅっと挟んで捏ね回した。桃色だったそこは、どんどん濃く赤くなっていく。唾液にまみれ濡れる乳首はとても扇情的だ。
 甘くてとても美味しく感じられるナイナの胸を弄りながら、膣内もゆるゆると掻き回し続ける。

「ひぅっうぅっ、レナート殿下、奥、奥もぐちゅぐちゅしてぇっ」
「奥?」
「おまんこの奥ぅっ、奥までおちんぽ入れて、ずんずんして、んあっあっひはぁんっ」

 快楽に蕩けた顔でいやらしくお願いされ、俺はずぶずぶと肉棒を奥へ押し進める。
 やはり奥はまだぎゅうぎゅうにきつくて、ナイナに辛い思いをさせていないか心配だった。

「辛くはないか?」
「んんっ、きもちい、ですぅっ、あっあっ、入ってくるぅっ」

 気持ちいい、と言われて安堵する。ナイナの顔にも苦痛は浮かんでいない。
 彼女の表情を見つめながら腰を進め、先端が最奥に当たった。

「ああ、奥まで入ったぞ」
「はひんっ、お、奥、ごりごりってぇっ、されるの好きぃっ、ひあっあっあぁっ、もっとぉっ」
「こうか?」
「ひっんぁあっ、きもちいっ、あっあっあっあっあぁぁあっ」

 奥の肉壁を亀頭でぐりぐりと抉る。
 中が蠢き、悦ぶように陰茎に絡み付く。目も眩むような快感に酔しれながらも、ナイナの体を気遣い決して乱暴にしないよう奥を刺激し続けた。

「もっとずぽずぽしてぇっ、好きにしていいの、おまんこめちゃくちゃにしてぇっ」
「ナイナ……っ」

 こちらの理性を粉々にするような誘い文句を言われ、俺は激しくナイナの唇を貪り、強く腰を振り立てた。じゅぽじゅぽと淫猥な水音が結合部から響く。ベッドの軋む音も酷く卑猥に感じられた。
 ナイナの声と涙に濡れた瞳、触れ合う唇の柔らかさ、熱い舌の感触、彼女の全てに煽られ、夢中で男根を出し入れする。

「んっ、はぁんっ、もう、いく、いくぅっ」
「っ……ああ」

 俺ももう限界が近い。
 絶頂を促すように内奥を強く突き上げれば、ナイナは全身を震わせ達した。
 肉筒が蠕動し、絞り上げるように剛直に絡み付く。その刺激に、俺も射精した。
 愛するナイナの胎内で果たす射精はこの上ない愉悦と幸福を俺にもたらした。
 これが愛する女性と結ばれる幸せなのだ。
 じーんと胸を震わせそれを噛み締めていると。 

「ななななんてことしてくれてんですか!?」

 突然ナイナに胸ぐらを掴まれた。

「どうした急に」
「どうしたじゃないですよ!! 結婚前に人の処女奪っておいて!!」

 ナイナは怒鳴るように言った。
 こんな彼女を見るのははじめてだ。俺が寂しい思いをさせたせいで、情緒不安定になっているのだろうか。彼女は繊細なのだ。処女を喪失することは、男が童貞を卒業するのとは違うのだろう。
 とにかくナイナを安心させてやらなければ。

「問題ないだろう。いずれ結婚するのだから」
「そういう問題じゃありません!!」

 ではなにが問題なのだろう。彼女はなにを不安に思っているのだ。彼女の気持ちをすぐにわかってあげられない自分が嫌になる。

「子供ができたらどうするつもりですか!?」

 それを聞いて胸を撫で下ろす。それについてはなんの問題もない。
 ナイナが不安に思うことなどなにもないのだと伝える。

「それは心配ない。ちゃんと避妊薬を服用した」
「へっ……?」
「こんなこともあろうかと、用意しておいたんだ。挿入前に飲んだから安心しろ」
「っ、っ……」

 ナイナは目を丸くして口をパクパクしている。
 別に隠れて飲んだつもりはなかったが、彼女は見ていなかったようだ。不安にさせるくらいなら、ちゃんと言っておけばよかった。そんなところまで気が回らず、俺も余裕がなかったのだろう。
 それにしても、こんなにもナイナを寂しがらせ不安にさせてしまっていたとは。俺は婚約者になれたことに喜び、それに安心して、ナイナの気持ちを考えることを疎かにしていた。遠くから見守るのではなく、常に彼女と行動し、俺の方からもっと彼女を愛し、彼女の心を満たしてあげるべきだったのだ。
 そのことに気付き、俺は改めてナイナに伝える。

「だから、なんの気兼ねもいらない。寂しいのなら、いつでも言え。俺が何度でも抱いてやる」
「っあ、やっ、あんっ」

 二度と彼女を悲しませないよう、これからは頻繁に彼女を愛することを心に誓う。
 その誓いを示すため、俺は再び腰を揺すった。

「あっやっ、だめぇっ」
「お前が寂しい思いをしないように、たっぷり甘やかしてやる」
「んゃあっ、やぁっ、だめ、もう……っ」
「遠慮するな。ナイナは俺の婚約者なのだから」

 不甲斐ない婚約者で申し訳ない。けれどこれからは、ナイナを不安にさせることなどしない。
 俺は胸に溢れる愛を体で伝え続けた。





 ナイナに寂しい思いをさせないように、俺は彼女を抱くことで愛を伝えた。夜は俺から彼女の部屋を訪ね、学院内でも人の来ない場所で抱いた。
 ナイナは可愛い。駄目だと恥ずかしがりながら、キスをすれば瞳をとろんとさせてすぐに蜜を漏らし、触れれば甘い声を上げ、「もっと」と俺を求めてくれる。
 彼女が愛しくて愛しくて堪らない。俺の方からも、もっともっとと彼女を求めていた。
 人が近づかない空き教室の中で、いつものようにキスをして、ふにゃふにゃになったナイナの制服をはだけ、愛撫でとろとろにして、立ったまま後ろから挿入してぐずぐずになった膣内を肉棒でぐちゅぐちゅにする。そんないつもの睦み合いの最中。

「やっ、や、です、あんっあっあっ、も、やあぁっ、しないで、きもちぃのやめてぇっ」
「何故だ? 気持ちいいのにやめてほしいのか?」
「ひぁあっあっ、だめだめぇっ、きもちいぃのだめぇっ、レナート殿下のおちんぽ忘れられなくなっちゃうっ、あぁっ、そんなのだめなのぉっ」
「別に問題ないだろう? 結婚するのだから」
「しないっ、レナート殿下と結婚しないぃっ」

 ナイナの口から信じられない言葉が飛び出した。

「…………どういうことだ?」

 一瞬頭の中が真っ白になり、思考も体も動きを止めた。
 結婚しない? まさか。そんな。しかし彼女は確かに今、そう言った。
 一体どういうことなのだ。

「説明しろ、ナイナ」
「あっあっ、やぁっ、おちんぽじゅぽじゅぽしてぇっ」

 ナイナはもどかしそうに腰を揺すった。快感を得ようとする彼女の腰を掴み、動きを封じる。
 それよりも今はまず、説明をしてほしい。

「やだぁっ、おまんこ辛いのっ、お願いぃっ」
「なら答えろ。俺と結婚しないとはどういうことだ?」
「だって、毎日おちんぽ欲しいからぁっ、いっぱいいっぱい、エッチしてくれないとやなのぉっ」
「俺と結婚して、俺とすればいいだろう」
「レナート殿下は毎日エッチしてくれないもんっ。レナート殿下と結婚したら、月に一回しかエッチしてもらえなくなちゃうからやだぁっ」
「月に一回? どうしてそうなるんだ? お前が望むなら、いくらでも抱いてやるというのに」

 動揺が声に滲む。
 ナイナの言っていることの意味がわからない。ナイナと結婚したら俺は毎日彼女と性交するつもりでいるし、月に一回なんてあり得ない。俺が耐えられない。もちろん、彼女が心から望まないというなら話は別だが、だが彼女は性交はしたいと言っている。

「そんなのうそっ、私以外にいっぱいお嫁さん作って、色んな女の子とエッチして、私のところには月に一回しか来てくれないものっ」
「確かに王族は一夫多妻が認められているが、俺はお前以外を娶るつもりはないぞ」

 確かに、父上には側妃がいる。だが俺は、誰になにを言われようと、なにが起ころうとナイナ以外の妻を娶ることはない。ナイナだけが俺の愛するただ一人の女性だ。

「口ではなんとでも言えるもの。そんなこと言って、私とのエッチに飽きたらすぐに別の女に手ぇ出すんだぁっ」

 ナイナは子供の癇癪のように喚き散らす。
 相当不安に思っているようだ。頑なに俺の言葉を信じようとしない。
 口ではなんとでも言える。彼女の言う通りだ。言うだけならば簡単だ。だが、それを証明することなどできない。
 俺は酷く焦っていた。
 ナイナを愛する気持ちは本当で、だがそれを心から信じてもらうにはどうすればいいのかわからない。結婚したくないと言われ、なにを言っても信じてもらえず、彼女を手放したくないのにその方法がわからない。

「だからレナート殿下と結婚しないのっ、これ以上気持ちよくしないでぇっ、レナート殿下のおちんぽ忘れられなくなって、嵌めてもらえなくなったら悲しくて、おまんこずっと切なくなるのやだぁっ」
「だったら、忘れられなくしてやる……っ」
「ひああぁあっ」

 掴んだ腰をぐっと引き寄せ、強く最奥を突き上げた。
 ナイナの悲鳴じみた嬌声を聞きながら、何度も胎内を抉る。
 焦燥に駆られ、今すぐ彼女が俺から離れていってしまうのではと思うと怖くて、繋ぎ止める方法が他になにも思い付かなかった。

「はひっひっひうぅっ、んやっ、きもちぃのだめぇっ、おまんこレナート殿下の形になっちゃうぅっ」
「俺のものにしてやる……俺から、離れられないように……っ」

 ナイナの小さな体を激しく抱き締めた。腕に閉じ込め、胎内を繰り返し穿つ。そうすることが、ナイナを離さずにいられる唯一の方法だと、今の俺の頭にはそれしかなかった。





 
───────────────


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