どんなものでも燃やす男とどんなものでも凍らせるロリ、そんな二人のイチャイチャスローライフ

劇場版俺

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一章

八話

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 先日、私とシルドの愛の巣に一匹の犬が住み始めた。


 どうやら私の知り合いらしいが、あの頃の記憶がない私はこの子がどのような人間であるか知るよしもない。


 けれど、私のことを信頼して「様」付けで呼んでくれている辺り、青の国にいた頃の私とは随分と良好な関係を築けていたようだ。


 名前はフレイア・ソードデイズ、私がこの子の事を影なから犬、と表しているのは別に悪意があってではない。


 犬、さらに細かく言い表すのであれば彼女は忠犬だ。


 青の国の頃の私に使えていたからだろうと住み始めた当初は思っていたけれど、記憶を失っている私にこうも忠誠を誓ってくれていると思うと、なんだか少し照れる。


 フレイアは家事全般を手伝って、シルドがカルラさんのお手伝いに行っている間は私の話し相手になってくれている。


 そして今日もいつものように家事を一通り済ませ、私はフレイアと、更には温泉宿の女将マルタさんと(客がいないからと宿をほったらかしてきたらしい)お茶の時間を楽しんでいた。


 「こうやって、見るとシルドは本当に幸せ者ね」


 「何がです?」


 マルタさんの言葉に、フレイアは首をかしげた。


 ちなみにフレイアが今着ている服は私の、ではなく背丈が似たマルタさんから借りている物だ。


 つまり、フレイアは胸が大きい。


 なんというか、包み込めそうなくらいに。ずるい。


 「いやだってね、こんな可愛い女の子二人と同棲中なんでしょ? 世の男達から恨まれるわよ本当に」


 「な!? そ、そんな可愛いだなんて……」


 「初々しい照れ方だけど、もしかしてフレイアちゃんこういうこと言われたことがない感じ? というかシルドったらカレンちゃんばかりでフレイアちゃんのこと見てないのかしらね」


 「それは、その……って、シルドの奴は関係ないですよ!?」


 どうやらないみたい。……私としてはシルドが他の女の子を誉めるのは複雑な気持ちになるから、誉めない方がいい。


 「確かにフレイアは可愛いと思う。お胸大きいし」


 「でも、邪魔ですよ。鎧造るとき苦労しましたから」


 たゆん、たゆん、と両手でそれをもつフレイア。


 なんだろう。この心の奥底に宿るどす黒い何かは……


 「大丈夫だって! きっとカレンちゃんも大きくなるよ!」


 「……本当に?」


 「本当の本当! この前会った時だって成長してたって言ったじゃない!」


 「……でも私マルタさんやフレイア、カルラさんの半分もないよ」


 「き、きっとなんとかなりますよ! それにもしシルドの奴がそんなことでカレン様を傷つけるようなら私がシルドをブッ飛ばします!」


 それ私が胸小さいこととなんも関係ない……


 「そういえば大きくする方法、どこかで聞いたことあったような……」


 「え!? 教えてマルタさん!」


 この時、家の外では……


 「(なんていう会話してるんですかお三方ーーー!?)」


 仕事から帰ってきたシルドがなんか扉の前で悶々としていたのだった。

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