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王者のポーズで乗り切れるかっ!?

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「「……?」」

 ボクたちはフリーズした。
 灰色メガネがなにを言っているか判らなかったのだ。

「私が、この学園に、やって来たのは、3年ぶり、だからです」

 幼い子に噛んで含めるように言われて、ようやくボクらの頭に言葉がしみこんできた。

「嘘をつくな!」「あ、ありえません!」

 そんな途方もない嘘を誰が信じると言うのだっ!

「学園の校長、教職員、学園生、学園の関係者なら皆様知っている事です。
 王宮の大臣次官、役人、小間使いらがいくらでも証言してくれるでしょう。
 更に言えば、貴方のお父上である陛下御自おんみずか御自らも」
「う、嘘だ! こいつはこのメガネは学園に通っているのだぞ! 学園生なのだぞっ! そんなことあるはずが――」

 ボクは周りの視線を感じた。
 ホール中の来賓達が、哀れみの視線でボクらを見ていた。
 ってか、どうして学園生がいない!? ボクの腹心の友らもいない!?
 見たこともないか、どっかで見たことがある程度の大人しかいない。

 ここは卒業パーティ会場だよな?

「同じ理由で私がそそのかした、というのも不可能です。
 殿下と違って私には学園内に取り巻きなどというものは存在せず、貴族の子女とのつきあいも公的なものしかありません。
 ですからそそのかす事など出来ないのです」
「ば、ばかなっっ! だが証拠が! 証拠がっっ! お前の取り巻き達の証言が――」
「彼女らがそう証言したのは存じております。ですが、私と彼女らには何のつきあいもありません。
 そもそも学園に来ていないので、学生会室で命令などできませんしね。
 彼女らが『未来の王妃となる私の意志を忖度したと言えば罪には問わない』と告げられ、証言を誘導されたことも把握しております」

 テレーズは怯えている。

「は、把握しているって……まさか今日のことも事前に……」

 いかん! テレーズに心労をかけてはいかん!
 ここがボクがなんとかするしか!
 懸命に王者のポーズをして何とか立て直すぞ!

 ふんぬっ。たぁっとぉっ!

 王者のポーズ復活!

「誰が誘導したというのだっ。それはお前の当て推量でたらめ――」
「殿下の握っている証拠とやらは、全て殿下のご友人達が集め作ったものではないですか?」
「そうだ! お前はボクの忠実な友らが――」
「殿下の取り巻き、いえ、忠実な友らは全て貴族の子弟。でしたら私が学園に通っていないことは知っていたはずです。
 それが一人か二人で、更に殿下並みに周りが見えない方ばかりであれば、そういうこともあるかもしれません。ですが全員知らないと言うのはありえません。
 それなのに、なぜそのような証拠を作成したのか。
 簡単なことです。それを見抜けないのは、殿下とテレーズ嬢だけだからです」

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