４月６日午後は晴れ

朝の支度

着心地の悪いＴシャツを脱ぎ捨てる。いつもならきちんとたたむが今日はそんな気分にはなれなかった。少し肌寒さを感じながら洗面台に向かった。

(はぁ…マジで何だったんだよあの夢)

歯を磨きながら今朝見た夢について考える。とても気持ちの悪い夢だった。あの爆弾を体に付けていた人物はだれだったのか。何が目的だったんだろうか。いつもなら夢を見たことは覚えていてもその内容は起きた時には忘れている。しかし、今回の夢は妙にはっきりと覚えていた。

(どうせならもっと楽しい夢が見たいよ)

時計を見ると時計の針はそれぞれ５と６を指していた。いつもよりもいくらか早い目覚めだったようだ。冷たい水のおかげて少しは気分がすっきりとした。腹ごしらえをするために俺はキッチンへ向かった。

少し狭いキッチンに立って、朝ご飯を用意し始める。ハムエッグを作るためのフライパンを温めている間に、食パンをトースターに入れる。インスタントの卵スープも欲しいからお湯も沸かそう。そうしている間にフライパンが温まったようだ。ハムをいれ、その上に卵を落とす。ジューっといい音がしたが、脂が腕にはねて一瞬おどろいた。そういえば、Tシャツを脱いでそのままだったことを思い出した。服を着ようかとも思ったが、仕事用のシャツを着ては汚してしまうかもしれない。かといって違う服を着るのも二度手間だ。別に独り暮らしだし、誰に見られるわけでもないのだからいいかと、俺はハムエッグを皿に移した。お湯もとっくに沸いていてたので卵スープをコップに作っていく。香ばしく焼けた食パンをハムエッグの皿にのせて完成だ。いつもよりいくらか早い朝食に手を合わせて食べ始める。卵の黄身の具合は好みの具合に出来ていた。あの夢さえなければいつも通りの素敵な朝だった。