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第一章
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と、そこで俺はここに来た理由を思い出す。
来たときはまだ12時も回っていなかったが、色々ゴチャゴチャとしているうちにとっくに12時は過ぎている。
まぁ、つまりは腹が減ったのだ。
腹が鳴るのを聞かれるのも嫌だし、とりあえずは昼食をもらいに行こうか。
昼食をもらうため、一旦ザクの元を離れ調理室の横にあるカウンターの前にトレーを持って行く。
そこにはいくつかの底が深めの金属製のバットに料理が入れられて横に並べられており、順番に担当の人がトングで皿に盛り付けて持ってきたトレーの上へと置いてくれる。最後に水をコップに汲んでからザクの元へと戻る。ちなみにさっき見たときザクは水を汲んでなかったから、ザクの分もトレーに乗せている。
ザクに水の入ったコップを渡してからテーブルにトレーを置き、隣の席に腰を下ろすとザクに小さく礼を言われた。
そして料理を食べようとようとカトラリーに手を伸ばしたところでザクが爆弾を落とした。
「あぁ、そうだ。今日の昼からの外の仕事は俺らだけだとよ。」
は?おいもう昼だぞ?
些か報告が遅すぎやしないか?
いや、こいつのことだしな…
さっきの感じからしても忘れてたんだろう。こいつのことだし。
「おい、なんか失礼なこと考えてないか?」
「いや別に?報告が遅すぎる気がするが、お前のことだから仕方ないなと思っていただけだ。」
「えぇ…お前……それが考えてるって言うんじゃねぇのかよ…」
「そんなことより場所は?場所も聞いてきているはずだろ?」
「そんなこと⁉︎」
叫ぶザクを無言で見つめること数秒。
先に折れたのはザクの方だった。
「…わ、わかったから!今すぐ場所言うからその無言の圧やめろ!」
まぁ、今朝の仕返しはこれくらいでいいだろ。
「はぁ…それで場所のことだが、今回は西地区の外れにある荒野あたりだそうだ」
ザクは疲れたようにため息を吐きながらも、場所について話しだした。
俺らが過ごしているここは、先の大戦により破壊された建物や道路が復興することなくそのままにされている嘗ての都市だった場所である。その他、同じように滅びたまま放っておかれている都市や町、村などが今では総じて『廃地区』と呼ばれている。そして、ここらの廃地区では、ザクが先程言った西地区を含め五つの廃地区が存在する。
まず、俺らが過ごしているのが中央地区。それからこの中央地区を中心として北側に位置するのが北地区、南側が南地区、東側が東地区、西側が西地区となっている。ただし、この五地区以外に区分はない。元々がこの配置だっためにこの廃地区に限りそう呼ばれているに過ぎないのだ。
更に大都市であった故に、廃地区となった今でもこの五地区は人が多く、廃地区にしては規模が大きいというのもある。
だがまぁ、所詮は滅びた都市。今も栄える都市と比べてしまうと、人口は圧倒的に少ない方だろう。
そこで、俺たちの仕事だが、今回の仕事は『傀儡単語』を討伐すること。ドールとは大戦後、突如として現れた不可思議な生物のことであると今では広く知られている。ドールは現存の動物に似通った性質を持つため、なんらかの動物が突然変異したと考えられている。
他にも俺たちがこなしている仕事はあるが、主な仕事はこのドール討伐にある。
「因みに型は判ってるのか?」
「いや、そこまでは判らなかったそうだ」
ドールにもいくつかの種類があり、Ⅰ型、Ⅱ型、… と確認された順に付けられている。
聞いた時は流石に単純過ぎないかと思ったものだが、やっぱりシンプルが一番だな。複雑にされても覚えにくくて大変なだけだ。
「今回は目撃された場所からあまり離れていないといいが…」
「まぁ、そこは運だな」
思わずため息が漏れる。
ドールも生き物である以上、何処かへ移動してしまい、言われた場所に行ってもなかなか見つけられないことも多い。つまりは予定より長引くことが多々ある。
毎度毎度あちこち探し回させられるのもいい加減にしてほしいものだ。
***
ドールの型があまりに雑すぎると作者も思うのでいいのが思いついたらあとで変えようと思います。
来たときはまだ12時も回っていなかったが、色々ゴチャゴチャとしているうちにとっくに12時は過ぎている。
まぁ、つまりは腹が減ったのだ。
腹が鳴るのを聞かれるのも嫌だし、とりあえずは昼食をもらいに行こうか。
昼食をもらうため、一旦ザクの元を離れ調理室の横にあるカウンターの前にトレーを持って行く。
そこにはいくつかの底が深めの金属製のバットに料理が入れられて横に並べられており、順番に担当の人がトングで皿に盛り付けて持ってきたトレーの上へと置いてくれる。最後に水をコップに汲んでからザクの元へと戻る。ちなみにさっき見たときザクは水を汲んでなかったから、ザクの分もトレーに乗せている。
ザクに水の入ったコップを渡してからテーブルにトレーを置き、隣の席に腰を下ろすとザクに小さく礼を言われた。
そして料理を食べようとようとカトラリーに手を伸ばしたところでザクが爆弾を落とした。
「あぁ、そうだ。今日の昼からの外の仕事は俺らだけだとよ。」
は?おいもう昼だぞ?
些か報告が遅すぎやしないか?
いや、こいつのことだしな…
さっきの感じからしても忘れてたんだろう。こいつのことだし。
「おい、なんか失礼なこと考えてないか?」
「いや別に?報告が遅すぎる気がするが、お前のことだから仕方ないなと思っていただけだ。」
「えぇ…お前……それが考えてるって言うんじゃねぇのかよ…」
「そんなことより場所は?場所も聞いてきているはずだろ?」
「そんなこと⁉︎」
叫ぶザクを無言で見つめること数秒。
先に折れたのはザクの方だった。
「…わ、わかったから!今すぐ場所言うからその無言の圧やめろ!」
まぁ、今朝の仕返しはこれくらいでいいだろ。
「はぁ…それで場所のことだが、今回は西地区の外れにある荒野あたりだそうだ」
ザクは疲れたようにため息を吐きながらも、場所について話しだした。
俺らが過ごしているここは、先の大戦により破壊された建物や道路が復興することなくそのままにされている嘗ての都市だった場所である。その他、同じように滅びたまま放っておかれている都市や町、村などが今では総じて『廃地区』と呼ばれている。そして、ここらの廃地区では、ザクが先程言った西地区を含め五つの廃地区が存在する。
まず、俺らが過ごしているのが中央地区。それからこの中央地区を中心として北側に位置するのが北地区、南側が南地区、東側が東地区、西側が西地区となっている。ただし、この五地区以外に区分はない。元々がこの配置だっためにこの廃地区に限りそう呼ばれているに過ぎないのだ。
更に大都市であった故に、廃地区となった今でもこの五地区は人が多く、廃地区にしては規模が大きいというのもある。
だがまぁ、所詮は滅びた都市。今も栄える都市と比べてしまうと、人口は圧倒的に少ない方だろう。
そこで、俺たちの仕事だが、今回の仕事は『傀儡単語』を討伐すること。ドールとは大戦後、突如として現れた不可思議な生物のことであると今では広く知られている。ドールは現存の動物に似通った性質を持つため、なんらかの動物が突然変異したと考えられている。
他にも俺たちがこなしている仕事はあるが、主な仕事はこのドール討伐にある。
「因みに型は判ってるのか?」
「いや、そこまでは判らなかったそうだ」
ドールにもいくつかの種類があり、Ⅰ型、Ⅱ型、… と確認された順に付けられている。
聞いた時は流石に単純過ぎないかと思ったものだが、やっぱりシンプルが一番だな。複雑にされても覚えにくくて大変なだけだ。
「今回は目撃された場所からあまり離れていないといいが…」
「まぁ、そこは運だな」
思わずため息が漏れる。
ドールも生き物である以上、何処かへ移動してしまい、言われた場所に行ってもなかなか見つけられないことも多い。つまりは予定より長引くことが多々ある。
毎度毎度あちこち探し回させられるのもいい加減にしてほしいものだ。
***
ドールの型があまりに雑すぎると作者も思うのでいいのが思いついたらあとで変えようと思います。
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