目指せ邪神討伐

チタン製折り紙

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第1章

第六話

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猫・虎・豹獣人
この先危険に付き、立ち入り禁止。
海に落ちる奴が毎日多すぎて海人族から注意して欲しいと嘆願書が来ました。
この三種を見掛けた者は力ずくでも止めるように。
 
獣人領・アーガ街・代表ラール
 

 ジケイダンのクマのおばち(ギロッ)お姉さんが立て札を立ててたにゃ 
 まだ三人ともむずかしい字は読めないから見てたら
 もう一枚、小さい立て札を立ててくれた。
 
 
ねこ・とら・ひょうじゅうじん
このさきの    うみは    あぶないので    かえりなさい。
おとうさん、おかあさんに    おこられちゃうよ
 
ざっかや    ラール


「こんな立て札を立てるなんて  ひどいにゃ」

 私たち三人はその立て札を見ながら怒っていた。
 本当は気にしないで海にあそびに行きたいけど、クマのおば(ギロッ)お姉さんがまだこちらをずっと見ているからあそびに行けない。
 
 「ねぇ、ミーシャ、ルン。私一つ思い出したのですけど、聞いてくれない?」
 
 「リズールどうしたにゃ?」

 「お昼はまだ二時間先」
  
 私、ミーシャ、ねこジュウジン
 ルンが、ひょうジュウジン。
 リズールが、とらジュウジン
 皆七才になったから一人でもあそびに出られるりっぱなレディ!
 えっまだ早いにゃ?
 
 「ち・が・い・ま・す!私ね、色が白いでしょ?」
 
 「白いけど、それがどうかしたにゃ?」

 「白くてフワモコ。美味しそう?リズールちょっと一口味見させて」 
 
 「ルンさん舐めるのやめてっ、くすぐったい~」
 
 「ルンちょっとだけ待つにゃ。おバカなリズールの話し聞いてあげるにゃ」
 
 「う~、ベタベタする」
 
 「ほら、ルンおさえてる間に言いたい事言うにゃ」
 
 「私は白い虎。そう、昔居たと言う伝説の白虎獣人なので虎獣人ではありませんから、この先に行っても怒られませんわ!」
 
 「ルン、こんなアホの子食べたらアホが移ってお腹こわすにゃ、食べちゃだめにゃ。」
 
 「リズールが虎獣人のアルビノなのは皆が知ってる。リズールどんまい」
 
 「いえ、私ならいけますゎ!」
 
 歩き出した途端、クマのお姉さんに首を捕まれ持ち上げられる。
 
 「暴れん坊のおちびちゃん達。今日の遊ぶ予定は?海になんて行かないよね?」

 「「「こ、公園!!」」」 
 
 「そうか、それなら離してあげよう。海に落ちたら大変なんだから、海に行っちゃダメだよ?」
 
 「リズール、クマのおばち(ギロッ)お姉さんの前じゃムリ」
 
 「でも海に行けないとつまんないにゃ」
 
 「海いいですわよね」
 
 「そうにゃ。海になんて昨日は4回位しか落ちてないから大丈夫にゃ」
 
 「私も昨日は5回位ですわ」
 
 「私13回」
 
 「あんたら1日1回でも落ちすぎだよ」
 
 「でも家の向かいのトラのおっちゃんは仕事ない日は20回は落ちてるにゃ」
 
 「そう、この立て札は大人も子供も関係なく落ちるから立てたんだよ。なんでこんなに落ちるのかねぇ」

 「お姉さん知らないにゃ?美味しそうな魚つかまえるにゃ!」
 
 「海鳥が海の方に飛んでいくのが悪いんですの!」
 
 「両方!!」
 
 「はぁ、きっと立て札ぐらいじゃダメだねこりゃ。ほら、ラールさんとこで桃でも買ってやるから今日は公園行くよ」
 
 「「「わーいモモー」」」
 
 
 雑貨屋は大繁盛していた。
 別の意味で。 
 
 「海に行っちゃ行けないだと!?俺達の生き甲斐をなんだと思ってんだ!!」
 
 「鳥を捕まえる為に落ちるぐらい仕方ないだろ!」
 
 「魚が足の付く範囲から居なくなるのがいけないんだ!」
 
 「人魚さんに抱きかかえて貰えるチャンスだろうが!」
 
 一部子供よりバカな理由はあれど、互いに下らないと罵りあいながら店の前で殴り合いの大乱闘が起きている。
 そんな光景を目の当たりにした四人、いや一人のお姉さんはため息を一つ付くと殴り合いをしている集団を端から殴り飛ばし始めた。
 いくら同じ獣人と言えど片や重い一撃に定評のある熊獣人。片や早さに定評のある猫系獣人達。乱闘の場では素早さは半分も生かせないだろう。
 
 女性はもっとか弱い?女性獣人に幻想等抱いてはいけない。
ちなみに、この騒ぎの中猫系女性獣人達は普通に仕事をしているか、向かいのカフェでお茶を楽しんでいたりする。オスの本能丸出しな様を冷めた眼差しで見つめていた。
 
 クマのお姉さんは全員殴り倒した所で全員に正座をさせ一応の主張を聞いてみたが、乱闘中聞こえて来た以外の主張はないようで、下らなすぎて天を仰ぐ。
 一方雑貨屋店主は女性にまじり、途中から来たミーシャ達を呼びカフェでのんびりとしていた。
 
 「ラールのおじちゃんは止めなくていいにゃ?」
 
 「あれは私と直接戦えないからあそこで暴れているだけだからねぇ。本当に私に文句を言う気があれば店に入るよ。それに、同じように海に行きたい者同士で戦う必要はないけし、騒げば自警団が止めにくるからね。私にやられると最悪ポーション使う事になるから店の中じゃなくて店の前で暴れているんだ」
 
 「ラールのおじさまは海に出る巨大なクラーケンも殴り飛ばすってお父様が言ってましたわ!」
 
 「この街最強の竜人」
 
 「強くないと獣人の街で代表なんてできませんからね。頑張って強くなりました」
 
 「すごいにゃ!クラーケン美味しかったにゃ!?」 
 
 「そっちですか、えぇ、美味しかったですよ。また倒したら皆で食べましょうね」
 
 「ミーにゃも最強になってクラーケンたおして皆で食べるにゃ!竜人にはどうやってなるにゃ?」
 
 「竜人にはなれない、だから」
 
 「ミーシャさんは猫獣人最強になればいいんですわ」
 
 「がんばるにゃ!」
 
 
 
 
 山の中で山のような巨体をした猪を追い回す三人の人影がいた。
 
 「広い場所に出るにゃ!」
 
 「追いかけっこは終わりですわ!」
 
 猪の横に躍り出た少女は大きな鎚を振り、猪の横から頭を打ち払う
 
 「我が敵を阻め、ストーンウォール」
 
 猪を止めるにはあまりにも小さい石の壁が地面からせり上がる。巨体を止めるには至らないが、足を引っ掛けるには十分な高さである
 頭を強打され、足元を掬われ倒れ込むマウントボア、倒れた所に素早く潜り込み喉を剣で叩き斬る少女。
 暫く暴れていたマウントボアも喉を斬られ出血が酷く、二度と起き上がる事なく力尽きる
 見事な連携である
 
 十年の月日は彼女達を逞しく成長させたようである。
 
 「次は連絡魔法誰の番にゃ?」
 
 「私は今石壁出したばっかり」

 「私もボアを追うのに皆さんに補助魔法掛けましたし。とぼけてないで早く連絡いれてくださいな」
 
 「魔道具とか魔法は使うと気持ち悪くなるのが嫌にゃ」 
 
 文句を言いながらも通信用の魔道具を起動させる。起動すればおよその現在地も表示される
 
 「はい、こちらアーガ港街ギルドでございます」
 
 「Aランクのミーシャにゃ。マウントボア倒したから昆虫さん呼んで欲しいにゃ」

 「場所は~、はい。場所確認できましたので通信を切ってもその場でお待ちくだ」
 
 
 「ふ~、たったこれだけの通信でも魔力足りなかったにゃ~。気持ち悪いにゃー」
 
 「要件は伝わりましたし、途中で魔力切れになるのも毎度の事ですから大丈夫ですわよ」
 
 「全員魔力少ないから仕方ない」
 
 三人でマウントボアの横で寝転がっていると一面に咲いている花が目に入る。
 
 「ルン、リズール、この花なんて名前にゃ?」
 
 「ん~、分かりませんわね」
 
 「私も知らない」
 
 「皆の乙女力が足りないにゃ」
 
 「ミーシャもだから。そもそも冒険者に乙女力を求められても困る。だけど、花で髪飾りを作れる私は乙女、ほら二人にもあげる」
 
 「薬草だけなら分かるにゃ!」
 
 「薬草と野花を同列にしてる時点でもうダメですわ。ってこれ髪に挿してるだけじゃないですの」
 
 「リズールは細かい事気にするとこがダメにゃ。名前は分からないけど綺麗だから庭で育てようかにゃ」
 
 「心なしか、この花を見てると魔力枯渇も癒される。」
 
 「確かにもうあんまり気持ち悪くないにゃ」
 
 「魔力の回復効果があるんですかね?魔力なんて回復してまで使いませんし、調べた事もありませんでしたわ」
 
 「とりあえず庭に埋める分採取にゃ~♪」
 
 「採取キットなんて駆け出しの頃買って以来、初めて見たかもしれませんわ」
 
 「討伐依頼しか受けてないから。薬草も葉っぱだけちぎって食べてたし」
 
 
 
 花の採取も終わりごろごろとしていると、遠くから昆虫さんがやってきた。今日の昆虫さんはカブト種の方が二匹でした。
二匹なのは一匹は荷物を守る護衛を兼ねている為だそう。
 
 「「「今日もよろしくお願いします(にゃ・わ)」」」
 
 昆虫さん達は基本荷物を運ぶのを専門としている為、荷物を渡したら本人達はゆっくり帰るのだが、この三人は特に恥じらいも躊躇いもないため、シーツを何重にも縫い合わせ、大きな手提げの荷物入れを作り、そこに三人入ると荷物として昆虫さんに運ばれていく。
 
 「いつもながら昆虫さん凄いにゃー」
 
 「私達が3日掛けてきた道が数時間ですものね」
 
 「荷物扱いでも一緒に帰る方が断然お得」
 
 シーツにくるまれ、顔だけ出しているこの三人娘は遠目からでもかなり目立ち、あれをやる位なら意地でも歩いて帰ると言う者が後を絶えないのは本人達の耳には入っていない。
 
 「運んでくれたお礼にカブトさんにもこの花あげるにゃー」
 
 「おや、この花は」
 
 「魔力回復効果があったようなので摘んできたのですわ」
 
 「それは本当に!?」
 
 「い、今までで一番食い付いてるにゃ」
 
 「私達は魔力が少ないので回復したらすぐ判るから本当」
 
 「むしろこれはこちらの方が報酬を出させて頂かなくては。お嬢様さん方、我々が育てる物に好きな物はありますか?明日の一番早い時間に届けさせて頂きますよ。ギルドの方にも情報提供の依頼があるので、そちらも後で貰ってください」 
 
 
 翌日ギルドの解体待ちのマウントボアの横に、同じ位大きな桃が三つ解体待ちとして並べられていた。
 
 三人娘は料理(解体)も苦手なようである。
 
 
 
 
~説明書~
 
獣人族
動物達の加護を受け子孫へと受け継がれている。加護を受けた動物の能力が反映される。どの動物の加護が発現するかは生まれて来ないとわからない。
最初の頃は動物に近い容姿だったが、神達が可愛さを重視した結果、人に近い容姿になって、耳と尻尾だけ生えるようになった。
 
 
海人族
海に住む水中呼吸ができる種族
主に大陸沿岸部の日が射す場所に住んでいる。
人魚や魚人等がよく見掛けられるが、様々な種族がおり、陸上などの    ~族~種などでは括れない程進化が多様化している。
人が溺れていたりすると助けてくれる心優しい種族。
海では取れない天空、地上の果物が大好物である為、助けて貰ったら果物をあげると喜ぶだろう。
 
 
クラーケン
おっきいイカ。その強靭な足で色々なものを砕くのが好きな為、地上の建物等が目に入れば嬉々として壊しにくる。
モンスターではないため、魔石等はない。
 
マウントボア
おっきい猪。体長十メートルはあり、その巨体故の突進を受け止める事は困難。
モンスターなので食事はあまり必要としない。たまに地面を掘り返しては物を食べる素振りをしているが、物を食べている形跡はない。
 
 
謎の花(追加報告)
ポーションでも覚醒しなかった意識が、花を置いて1日で意識を取り戻した事を確認。
怪我が治ったと言う冒険者に接触。現場に連れて行って貰った所、花畑と言っていい程この花が群生していた。
獣人達によって近くにあるだけで魔力回復効果を得られる事を確認。
鑑定は依然としてできないので今後も情報提供を求む
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