探求心の魔物

弓チョコ

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『メア姫と魔物と4人の騎士』

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 あるお城に、メアというお姫様がいました。メア姫はいつも、5人の騎士を連れていました。

 ある時、戦争になりました。メア姫は自分の国の人達を守るため、騎士に命じました。

「つよくなってください。あいするたみをまもるため」

 4人の騎士は、それぞれ特訓をして、それぞれの強さを身に付けました。騎士達の活躍で、戦争に勝ったのです。
 しかしひとりの騎士だけは、特訓をしても強くなれず、反対にとても弱くなってしまいました。
 4人の騎士はその弱い騎士を責めました。姫に仕えていながら何故強くならないのかと。
 弱い騎士は他の騎士を妬み、その恨みで魔物になってしまいました。

 魔物となっては人の心を持たず、メア姫を襲いました。4人の騎士はメア姫を守ろうとしましたが、魔物の不思議な力によって阻まれてしまうのです。

 こうして、メア姫は悪い魔物に連れ去られてしまいました。

 騎士達は、今度はメア姫を救いだそうと、さらに特訓をしました。

 ひとりは、誰にも負けない強い身体を鍛え上げ、
 ひとりは、誰にも捕まらない素早い動きを会得し、
 ひとりは、相手の動きを止める魔術を編み出し、
 ひとりは、魔物の不思議な力に対抗する作戦を考えました。

 そしてついに、騎士達は魔物を打ち倒し、メア姫を救いだしました。
 ですがメア姫は既に魔物の力に侵されており、気が狂ってしまっていたのです。

 4人の騎士は誓いました。
 メア姫の愛した民を守り続け、もう魔物を生まないように正しい特訓方法を伝え続けようと。

 メア姫はそのまま幽閉され、死ぬまで出ることはありませんでした。

 彼らは知らなかったのです。
 メア姫はたったひとり、魔物となった騎士のことを愛していたのだということを。
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