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第22話 サスリカ
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黒い窓が。
急激に明るくなり、強いフラッシュに襲われた。
「!?」
「うおっ! なんだ!?」
部屋にあったいくつもの『窓』が一斉に光り始めた。ピコピコと聞き慣れない機械の音がする。ウーンと唸り声のような音も同時に。
天井から光が集まり、中心の柱を通って。
人形の管へと、光が伸びて。
繋がっている首へ光が入り込んだと思えば、人形がびくりとその身体を揺らした。
「どうなった!? 起動したのか!?」
「ちょっ。眩しくて分かんないわよ!」
『……〈手動入力による再起動命令を実行します〉』
「!」
クリューでも、オルヴァリオでも、リディでもない。声が聞こえた。
女声のようだが、嫌に感情の無い無機質な声で、しかも聞いたことのない言語で。
『〈前回のシャットダウンからのスリープ期間は10,255年3ヶ月26日。マスターソラのマスター権限は既に失われています〉』
「な、何語なんだ」
「喋ってる……。古代語?」
「おい、どうなった。人形が動き出したのか?」
フラッシュアウトしていた視界が徐々に戻ってくる。ガシャリ、ガシャリと足音のようなものが聞こえる。
あの人形が、歩いているのだ。
クリューはなんとか目を擦り、状況を確認しようとする。
瞼を開けると。
『〈新たなマスター設定が必要です〉』
青い髪と、金色の瞳をした無表情の少女と目が合っていた。
「うおお!」
がたがたと後ずさるも、背後は壁である。
『……〈手動入力を実行した人物を確認。新たなマスター設定をお願いいたします〉』
「な、なんだお前は! 何を言ってるのか分からんぞ!」
クリューの慌てた叫びを聞いて。少女の人形はキューンと機械音を上げながら首を傾げた。
『……〈言語不明。解析モードに入ります〉』
「クリュー! 大丈夫!?」
「……ああっ。取り敢えず、敵意は無い……のか?」
リディの声にも、少女は耳を傾ける。
「くっそ。まだ目がチカチカする」
「オルヴァリオ!」
オルヴァリオの方も向いてから。
再度、クリューへ向き直った。
『……新タナ、ますたー設定ガ必要デス』
「!」
次に放った台詞は、クリュー達にも通じる言葉だった。
「これは……!」
「あたし達の言葉を……覚えた? 今?」
少したどたどしいが。間違いなくそう言っていた。何が起きたのか、リディが感覚で察した。
『新タナますたー設定ヲオ願イイタシマス』
「な、なんだそれは。マスター、設定?」
『オ名前ヲ』
無表情のまま、異国のからくり少女が迫ってくる。クリューは恐怖に支配されていた。
「……な、名前? クリュー・スタルースだ」
『クリュー・スタルース様。コノママ登録スルノデアレバ、手ヲ』
「は?」
少女は右手を差し出して、握手を促した。
『手ヲ』
「…………手?」
『少シちくりトシマス』
恐る恐る、クリューも右手を出す。少女はそれを取った。
と同時に。
「痛っ!?」
「クリュー!」
右手に痛みが走った。驚いて引き抜くと、親指の腹から血が出ていた。
「何をした!?」
『……登録イタシマシタ。ますたークリュー』
少女は。
そう言って、自分の右手を口まで持って行って、舌を出して指を嘗めた。
「!?」
『ワタシハ「サスリカ」。家庭版汎用防衛しすてむデス。ますたークリュー。ドウゾヨロシクオ願イイタシマス』
そして、にこりと。
片膝を突いてかしずき。
人形とは思えないほど柔らかく、本物の少女のように微笑んだ。
急激に明るくなり、強いフラッシュに襲われた。
「!?」
「うおっ! なんだ!?」
部屋にあったいくつもの『窓』が一斉に光り始めた。ピコピコと聞き慣れない機械の音がする。ウーンと唸り声のような音も同時に。
天井から光が集まり、中心の柱を通って。
人形の管へと、光が伸びて。
繋がっている首へ光が入り込んだと思えば、人形がびくりとその身体を揺らした。
「どうなった!? 起動したのか!?」
「ちょっ。眩しくて分かんないわよ!」
『……〈手動入力による再起動命令を実行します〉』
「!」
クリューでも、オルヴァリオでも、リディでもない。声が聞こえた。
女声のようだが、嫌に感情の無い無機質な声で、しかも聞いたことのない言語で。
『〈前回のシャットダウンからのスリープ期間は10,255年3ヶ月26日。マスターソラのマスター権限は既に失われています〉』
「な、何語なんだ」
「喋ってる……。古代語?」
「おい、どうなった。人形が動き出したのか?」
フラッシュアウトしていた視界が徐々に戻ってくる。ガシャリ、ガシャリと足音のようなものが聞こえる。
あの人形が、歩いているのだ。
クリューはなんとか目を擦り、状況を確認しようとする。
瞼を開けると。
『〈新たなマスター設定が必要です〉』
青い髪と、金色の瞳をした無表情の少女と目が合っていた。
「うおお!」
がたがたと後ずさるも、背後は壁である。
『……〈手動入力を実行した人物を確認。新たなマスター設定をお願いいたします〉』
「な、なんだお前は! 何を言ってるのか分からんぞ!」
クリューの慌てた叫びを聞いて。少女の人形はキューンと機械音を上げながら首を傾げた。
『……〈言語不明。解析モードに入ります〉』
「クリュー! 大丈夫!?」
「……ああっ。取り敢えず、敵意は無い……のか?」
リディの声にも、少女は耳を傾ける。
「くっそ。まだ目がチカチカする」
「オルヴァリオ!」
オルヴァリオの方も向いてから。
再度、クリューへ向き直った。
『……新タナ、ますたー設定ガ必要デス』
「!」
次に放った台詞は、クリュー達にも通じる言葉だった。
「これは……!」
「あたし達の言葉を……覚えた? 今?」
少したどたどしいが。間違いなくそう言っていた。何が起きたのか、リディが感覚で察した。
『新タナますたー設定ヲオ願イイタシマス』
「な、なんだそれは。マスター、設定?」
『オ名前ヲ』
無表情のまま、異国のからくり少女が迫ってくる。クリューは恐怖に支配されていた。
「……な、名前? クリュー・スタルースだ」
『クリュー・スタルース様。コノママ登録スルノデアレバ、手ヲ』
「は?」
少女は右手を差し出して、握手を促した。
『手ヲ』
「…………手?」
『少シちくりトシマス』
恐る恐る、クリューも右手を出す。少女はそれを取った。
と同時に。
「痛っ!?」
「クリュー!」
右手に痛みが走った。驚いて引き抜くと、親指の腹から血が出ていた。
「何をした!?」
『……登録イタシマシタ。ますたークリュー』
少女は。
そう言って、自分の右手を口まで持って行って、舌を出して指を嘗めた。
「!?」
『ワタシハ「サスリカ」。家庭版汎用防衛しすてむデス。ますたークリュー。ドウゾヨロシクオ願イイタシマス』
そして、にこりと。
片膝を突いてかしずき。
人形とは思えないほど柔らかく、本物の少女のように微笑んだ。
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