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第28話 特級ハンター
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「氷を解かすって……何を言ってんだお前。ルクシルアが。国が10年掛けて出来ねえ課題なんだぞ」
「この少女サスリカは、人間ではなく機械だ。バルセスの遺跡で俺達が見付けた」
「な!」
「(見付けたのはあたしだけど、まあ良いか)」
エフィリスと館長は、サスリカを見る。人間そっくりだ。殆ど人間に見える。だが。
言われてみれば、確かに。少しだけ、何故だか、『無機物』のように感じた。
「あそこは堀り尽くされただろ」
「だがあった。なあサスリカ」
『ハイ。ワタシは1万年間眠っていました。当時の技術を記録しています。現物を見ないとなんとも言えませんが、「人体を冷凍保存する」技術はありましたので。その解除方法も』
「……なんだと……!」
エフィリスと館長は驚愕を隠せない様子だった。クリューは普通に紹介したが、これが本当ならば『超特級トレジャー』だ。古代文明の解明に繋がる大きな発見だ。結果的に、クリューは『特級』の実力があるとふたりの目に映っている。
「ちょ……クリューてば。言っちゃって良いの?」
リディが慌てて訊ねる。そんなトレジャーを公にすると無用の混乱を招くからだ。機械人形などこの世にまだ存在していない。古代文明にもあるとは知られていない。
「このふたりなら構わないだろう。同じく『超特級』のトレジャーハンターと、それの『価値』が分かる館長だ。俺はそもそも、サスリカの存在を世界に公開するつもりは無いさ」
だがそれはクリューも承知の上だった。元々彼は『氷漬けの美女』が世間に晒されていることに不満を抱いている。サスリカも同様だと考えているのだ。
「…………中に入れなければ、その『解かす』協力は得られないと……?」
「館長」
館長は揺れた。彼は研究にも熱心だったのだ。つまり『氷を解かしたい』と思っている。
「……まあ取引、交渉ならそうなるな。ウチのサスリカは『唯一』だ。機械である証拠が欲しいならいくらでも示そう。サスリカ」
『ハイ。じゃあ首取ります』
「!?」
サスリカは自分の頭を掴んで持ち上げた。ガチャ、と音がして首と胴体が離れる。それを、目玉が飛び出るかというほど驚いて見るエフィリスと館長。
『ハイ。ワタシは機械ですよね』
「…………!!」
そして、ガチャリと戻す。サスリカはにこりと微笑んでいた。
「……もうひとつだ」
「!」
館長は認めた。あとはエフィリス。彼はまず、サスリカより『グレイシア』を案じている。
「お前達が犯人でない証拠はあるか」
「あるわ」
「見せろ」
それには、リディが答えた。取り出したのはチケットだ。乗り合い馬車の。当然、乗った人数と日付、料金、乗車駅と降車駅が書かれている。
「あたし達は『今日』この都市に来た。『昨日の夜』に美術館に忍び込むなんてできないわよ」
「…………」
チケットを手に取って確認する。エフィリスも必死なのだ。自身の栄光を象徴するトレジャーが盗まれたのだから。
「……良いだろう。『協力』させてやる。良いな館長」
「え、ええ。まあ。警察が、国がどう言うかは分かりませんが」
「何を言ってる」
エフィリスは納得した。理解した。クリューは本気だと。言っていることは真実だと。その眼が。他人を騙して、蹴落として利益を得るような悪党では無いと。トレジャーハンターの『目利き』がそう告げていた。
「ここに『特級』ハンターが『ふたり』居るんだ。国だろうが何だろうが誰にも文句は言わせねえよ。『グレイシア』は俺達で取り戻す。盗みやがった奴らには地獄を見せてやる」
「…………!」
「この少女サスリカは、人間ではなく機械だ。バルセスの遺跡で俺達が見付けた」
「な!」
「(見付けたのはあたしだけど、まあ良いか)」
エフィリスと館長は、サスリカを見る。人間そっくりだ。殆ど人間に見える。だが。
言われてみれば、確かに。少しだけ、何故だか、『無機物』のように感じた。
「あそこは堀り尽くされただろ」
「だがあった。なあサスリカ」
『ハイ。ワタシは1万年間眠っていました。当時の技術を記録しています。現物を見ないとなんとも言えませんが、「人体を冷凍保存する」技術はありましたので。その解除方法も』
「……なんだと……!」
エフィリスと館長は驚愕を隠せない様子だった。クリューは普通に紹介したが、これが本当ならば『超特級トレジャー』だ。古代文明の解明に繋がる大きな発見だ。結果的に、クリューは『特級』の実力があるとふたりの目に映っている。
「ちょ……クリューてば。言っちゃって良いの?」
リディが慌てて訊ねる。そんなトレジャーを公にすると無用の混乱を招くからだ。機械人形などこの世にまだ存在していない。古代文明にもあるとは知られていない。
「このふたりなら構わないだろう。同じく『超特級』のトレジャーハンターと、それの『価値』が分かる館長だ。俺はそもそも、サスリカの存在を世界に公開するつもりは無いさ」
だがそれはクリューも承知の上だった。元々彼は『氷漬けの美女』が世間に晒されていることに不満を抱いている。サスリカも同様だと考えているのだ。
「…………中に入れなければ、その『解かす』協力は得られないと……?」
「館長」
館長は揺れた。彼は研究にも熱心だったのだ。つまり『氷を解かしたい』と思っている。
「……まあ取引、交渉ならそうなるな。ウチのサスリカは『唯一』だ。機械である証拠が欲しいならいくらでも示そう。サスリカ」
『ハイ。じゃあ首取ります』
「!?」
サスリカは自分の頭を掴んで持ち上げた。ガチャ、と音がして首と胴体が離れる。それを、目玉が飛び出るかというほど驚いて見るエフィリスと館長。
『ハイ。ワタシは機械ですよね』
「…………!!」
そして、ガチャリと戻す。サスリカはにこりと微笑んでいた。
「……もうひとつだ」
「!」
館長は認めた。あとはエフィリス。彼はまず、サスリカより『グレイシア』を案じている。
「お前達が犯人でない証拠はあるか」
「あるわ」
「見せろ」
それには、リディが答えた。取り出したのはチケットだ。乗り合い馬車の。当然、乗った人数と日付、料金、乗車駅と降車駅が書かれている。
「あたし達は『今日』この都市に来た。『昨日の夜』に美術館に忍び込むなんてできないわよ」
「…………」
チケットを手に取って確認する。エフィリスも必死なのだ。自身の栄光を象徴するトレジャーが盗まれたのだから。
「……良いだろう。『協力』させてやる。良いな館長」
「え、ええ。まあ。警察が、国がどう言うかは分かりませんが」
「何を言ってる」
エフィリスは納得した。理解した。クリューは本気だと。言っていることは真実だと。その眼が。他人を騙して、蹴落として利益を得るような悪党では無いと。トレジャーハンターの『目利き』がそう告げていた。
「ここに『特級』ハンターが『ふたり』居るんだ。国だろうが何だろうが誰にも文句は言わせねえよ。『グレイシア』は俺達で取り戻す。盗みやがった奴らには地獄を見せてやる」
「…………!」
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