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第40話 ガルバ荒野へ
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ルクシルア共和国の東には、クリューとオルヴァリオの故郷であるラビア王国がある。北には、『氷漬けの美女』が発見された遺跡のある、ルクシルアの属国となったバルセス地方。
そして西側は、広大な砂漠と荒野が広がっている。危険な猛獣や、稀に怪獣も目撃される危険地帯だ。それより西は人類未踏の地であり、地図は無い。ルクシルアが国として発展してきた背景には、『そこ』から、貴重かつ便利なトレジャーをいくつも発掘してきたからだ。ルクシルアの英雄、特級トレジャーハンター『炎のエフィリス』も、この荒野を主な活動場所としている。
「ダリオって村が、全滅した。周辺の小さい集落も全て吹き飛ばしてな」
「……その怪獣の仕業か」
「そうだ。目撃者も居るから間違いねえだろう。デッドリィドラゴンだ。城ほどのデカさで空を飛ぶ。『はばたき』ひとつで町が崩壊する。奴は肉も草も石も食む。通った後には何も残らねえ。伝説の怪獣だ」
エフィリスの専属馬車で現地へ向かう。車両は普通の乗り合い馬車より広く、クリュー達一行が乗ってもまだ余裕があった。
「春になって、起きてきたんだろうな。前に確認されたのは5年前だ。1ヶ月掛けて2頭屠ったところで去っていった。人類の脅威だが、いつの時代も『狩れる人間』は居たらしい。俺も、先人の知恵を借りてるよ。お前ら間違っても正面から戦闘なんかするなよ」
「言われなくても怪獣の視界になんか入りたくないわよ」
馬車に乗っているのは、サスリカを含めて7人。クリュー、オルヴァリオ、リディ、サスリカの4人と、エフィリス。それに加えて、ふたり。
「まあそろそろ怪獣の季節かとは思ってましたが……。しかし段々と周期が短くなっている気がしますね」
「ど、どうでも良いわ。それより『見学』だなんて。き、緊張しちゃうわ……」
ちょび髭で眼鏡を掛けた40代の男性と、栗色の長い髪をした少女だ。
「初めまして。あたしがリディ。銃のクリューと剣のオルヴァリオ。それと何でもできる便利な機械人形のサスリカよ。よろしくね」
リディが朗らかに挨拶をする。それには男性が、同じくにこやかに応えた。
「こちらこそ。私はサーガ。こちらの少女はマル。エフィリスのチームメンバーです」
「……よ、よろしく」
紳士的な態度のサーガと、緊張した様子のマル。彼女は若い。下手をするとローティーンだ。何故こんな子供が『特級』のチームメンバーなのか。クリューは疑問に思った。
「ガルバ荒野までは3日ほどだ。寄る町々でも、『ネヴァン商会』について調べるぞ」
「かしこまりました」
「……わ、わたしは、別に『グレイシア』、無理して取り返さなくても良いかな、なんて」
「ああ?」
「ひっ。……だ、だって、そしたらエフィリスは、わたしを……ごにょ」
たった、3人のチームだ。それが、町を焼き払う怪獣の退治を請け負う。依頼者も信頼しているのだ。一体、如何にして討伐するのか。非常に気になる。
「そういや、訊いてなかったな。なあクリュー」
「なんだ?」
「『グレイシア』を買うとか言ってたな。解かすとも。それでどうするつもりだ?」
「プロポーズだ」
「!?」
「ぶっ!」
エフィリスの何気ない質問に。クリューは真剣かつ即座に回答した。サーガはドリンクの入ったカップを溢してしまう。
「はあ!? なに言ってんだお前!」
「俺は10年前、見世物としてラビアやってきた『彼女』に一目惚れした。彼女を手に入れる為に今までやってきた。価値にして100億だと言うから、それを稼ぐ為にトレジャーハンターになった。『ネヴァン商会』から取り戻してからになるが、いつか俺はあなたから買うぞ。氷を解かすのはその時だ」
「…………まじか、こいつ?」
「ええ」
「ああ。クリューは嘘も冗談も言わない」
「……!」
呆れ顔のエフィリスが訊ねるも、リディもオルヴァリオも真面目な顔で頷いた。『マジ』なのだ。この男は。
マルが頬を赤らめている。
「……ま、まあ、特級ハンターなんざ皆どっかイカれてんだが。お前も大概ヤベェな」
「売ってくれるのか?」
「…………考えてはおくがな。俺もあれを気に入ってんだ」
「う、売って良いと思う……」
「あん?」
「ひっ」
そして西側は、広大な砂漠と荒野が広がっている。危険な猛獣や、稀に怪獣も目撃される危険地帯だ。それより西は人類未踏の地であり、地図は無い。ルクシルアが国として発展してきた背景には、『そこ』から、貴重かつ便利なトレジャーをいくつも発掘してきたからだ。ルクシルアの英雄、特級トレジャーハンター『炎のエフィリス』も、この荒野を主な活動場所としている。
「ダリオって村が、全滅した。周辺の小さい集落も全て吹き飛ばしてな」
「……その怪獣の仕業か」
「そうだ。目撃者も居るから間違いねえだろう。デッドリィドラゴンだ。城ほどのデカさで空を飛ぶ。『はばたき』ひとつで町が崩壊する。奴は肉も草も石も食む。通った後には何も残らねえ。伝説の怪獣だ」
エフィリスの専属馬車で現地へ向かう。車両は普通の乗り合い馬車より広く、クリュー達一行が乗ってもまだ余裕があった。
「春になって、起きてきたんだろうな。前に確認されたのは5年前だ。1ヶ月掛けて2頭屠ったところで去っていった。人類の脅威だが、いつの時代も『狩れる人間』は居たらしい。俺も、先人の知恵を借りてるよ。お前ら間違っても正面から戦闘なんかするなよ」
「言われなくても怪獣の視界になんか入りたくないわよ」
馬車に乗っているのは、サスリカを含めて7人。クリュー、オルヴァリオ、リディ、サスリカの4人と、エフィリス。それに加えて、ふたり。
「まあそろそろ怪獣の季節かとは思ってましたが……。しかし段々と周期が短くなっている気がしますね」
「ど、どうでも良いわ。それより『見学』だなんて。き、緊張しちゃうわ……」
ちょび髭で眼鏡を掛けた40代の男性と、栗色の長い髪をした少女だ。
「初めまして。あたしがリディ。銃のクリューと剣のオルヴァリオ。それと何でもできる便利な機械人形のサスリカよ。よろしくね」
リディが朗らかに挨拶をする。それには男性が、同じくにこやかに応えた。
「こちらこそ。私はサーガ。こちらの少女はマル。エフィリスのチームメンバーです」
「……よ、よろしく」
紳士的な態度のサーガと、緊張した様子のマル。彼女は若い。下手をするとローティーンだ。何故こんな子供が『特級』のチームメンバーなのか。クリューは疑問に思った。
「ガルバ荒野までは3日ほどだ。寄る町々でも、『ネヴァン商会』について調べるぞ」
「かしこまりました」
「……わ、わたしは、別に『グレイシア』、無理して取り返さなくても良いかな、なんて」
「ああ?」
「ひっ。……だ、だって、そしたらエフィリスは、わたしを……ごにょ」
たった、3人のチームだ。それが、町を焼き払う怪獣の退治を請け負う。依頼者も信頼しているのだ。一体、如何にして討伐するのか。非常に気になる。
「そういや、訊いてなかったな。なあクリュー」
「なんだ?」
「『グレイシア』を買うとか言ってたな。解かすとも。それでどうするつもりだ?」
「プロポーズだ」
「!?」
「ぶっ!」
エフィリスの何気ない質問に。クリューは真剣かつ即座に回答した。サーガはドリンクの入ったカップを溢してしまう。
「はあ!? なに言ってんだお前!」
「俺は10年前、見世物としてラビアやってきた『彼女』に一目惚れした。彼女を手に入れる為に今までやってきた。価値にして100億だと言うから、それを稼ぐ為にトレジャーハンターになった。『ネヴァン商会』から取り戻してからになるが、いつか俺はあなたから買うぞ。氷を解かすのはその時だ」
「…………まじか、こいつ?」
「ええ」
「ああ。クリューは嘘も冗談も言わない」
「……!」
呆れ顔のエフィリスが訊ねるも、リディもオルヴァリオも真面目な顔で頷いた。『マジ』なのだ。この男は。
マルが頬を赤らめている。
「……ま、まあ、特級ハンターなんざ皆どっかイカれてんだが。お前も大概ヤベェな」
「売ってくれるのか?」
「…………考えてはおくがな。俺もあれを気に入ってんだ」
「う、売って良いと思う……」
「あん?」
「ひっ」
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