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第73話 到着、開戦
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「あれが城だ。サスリカはあの辺りに居る筈」
「オラァ!!」
「!?」
エフィリスの剣から、火の玉が発射された。先刻、崖の下にある商館を破壊した技だ。
だが、黄金の城はその直撃を受けて、微動だにしなかった。
「流石に頑丈だな」
「ちょっ、エフィリス!? あそこにはサスリカが居るんだって」
「だから居ない方に撃ったろ。『グレイシア』は俺の攻撃くらいじゃ壊れねえって、発見者で所有者の俺が一番知ってんだよ」
「……無茶だぜ全く」
昇降機の降り場に居た見張りは既に撃破済みである。改めて、『断崖線の上』の世界を見渡した。
「……夜だというのに明るい。しかも蝋燭の光じゃないな。白い光だ。光を放つ玉の付いた棒が、何本も規則的に立っている」
「これが古代文明の都市……?」
「『電光』だ。古代人は『夜の闇』を克服したんだ。まあ、それでも夜は皆寝静まってるけどな。居住地区はもっと向こうの方だ」
巨大な黄金の城。それが派手で目立つが、都市の居住用の建物自体は現代と変わらない。中央大陸の街で見かけたものと同じだ。ただ、道路は石で舗装され、『電光』の街灯がある。古びた印象のある古代、と言うには綺麗で整備された街並みだった。
「俺はお前がずっと気になっていたんだ。『炎のエフィリス』」
「!」
そこへ。
建物の屋上から男の声がした。黒づくめのネヴァン教の僧侶の格好をしており、右腕の脇に壺を抱えている。
「『特級トレジャーハンター』。一度会ってみたかっ——」
パァン。
男を遮って銃声が轟いた。マルだ。サーチアンドデストロイ。無駄話をしている暇は無い。敵と見れば即座に射殺。当然の攻撃だ。
だが。
「——なるほど。手強いのは『炎のエフィリス』だけではないか」
「あぁん?」
マルの銃弾は防がれていた。抱えた壺からドロリと湧き出た金色の水が、ひとりでに動いて固まり、黄金の硬度を以て防いだのだ。
「リディ」
「ええ!」
続いて、クリューとリディが男へ向けて乱射する。数多の銃弾は空間を食い潰しながらその直線上を抉り迫る。
「……無駄だ。俺に銃は効かない」
「…………」
だが、その全てはやはり防がれていた。銃弾を防ぐ水など、この世界に存在しない。
「……『黄金水の壺』だ。ラクス皇国から盗み出した特級トレジャー」
古代文明の武器以外は。オルヴァリオはそれを知っていた。彼の名も。
「オルヴァリオ。あいつは何だ」
「ネヴァン武僧兵長『黄金水のリシス』。要はネヴァンで一番強い奴らのひとりだ」
「で、俺をご指名か。良いぜ」
会話中も、リシスは攻撃を仕掛けて来なかった。彼は『遊んで』いるのだ。エフィリスとだけ、戦いたいのだろう。
エフィリスは飛び上がり、リシスの立つ屋根の上に登った。
「俺のファンかよ? リシス君」
「同じ特級遺物の武器を持つ者同士。俺がお前に勝てば、俺は『特級トレジャーハンター』より上に位置できるか?」
「……はぁ?」
そこでようやく、リシスが戦闘態勢に入った。壺を傾けて、口をエフィリスへ向ける。
「……戦いに勝てば、俺は『炎のエフィリス』より上か?」
「あのなあ。リシス君よ」
「!」
エフィリスも炎の剣を構える。当然ながら、この男は強敵だろう。一分の油断もしてはならない。
「『戦い』に勝ったら、そりゃ『戦い』の実力は上だろうぜ。だがなあ」
ダン、と踏み込んで駆け出す。炎を纏う剣撃が、超高速でリシスへ襲い掛かる。
彼がその手に持つ壺も。『グレイシア』も。盗品だ。毎回、命の危険をかいくぐりながらトレジャーを見付けて持ち帰っている正規のトレジャーハンターとして、エフィリスは彼らに激怒している。
「『トレジャーハンターとしての実力』で俺に勝ちたきゃ、何も使わずに俺より凄えトレジャー取ってこいボケ!!」
エフィリスの大声と巨大な金属音が、古代都市に鳴り響いた。
「オラァ!!」
「!?」
エフィリスの剣から、火の玉が発射された。先刻、崖の下にある商館を破壊した技だ。
だが、黄金の城はその直撃を受けて、微動だにしなかった。
「流石に頑丈だな」
「ちょっ、エフィリス!? あそこにはサスリカが居るんだって」
「だから居ない方に撃ったろ。『グレイシア』は俺の攻撃くらいじゃ壊れねえって、発見者で所有者の俺が一番知ってんだよ」
「……無茶だぜ全く」
昇降機の降り場に居た見張りは既に撃破済みである。改めて、『断崖線の上』の世界を見渡した。
「……夜だというのに明るい。しかも蝋燭の光じゃないな。白い光だ。光を放つ玉の付いた棒が、何本も規則的に立っている」
「これが古代文明の都市……?」
「『電光』だ。古代人は『夜の闇』を克服したんだ。まあ、それでも夜は皆寝静まってるけどな。居住地区はもっと向こうの方だ」
巨大な黄金の城。それが派手で目立つが、都市の居住用の建物自体は現代と変わらない。中央大陸の街で見かけたものと同じだ。ただ、道路は石で舗装され、『電光』の街灯がある。古びた印象のある古代、と言うには綺麗で整備された街並みだった。
「俺はお前がずっと気になっていたんだ。『炎のエフィリス』」
「!」
そこへ。
建物の屋上から男の声がした。黒づくめのネヴァン教の僧侶の格好をしており、右腕の脇に壺を抱えている。
「『特級トレジャーハンター』。一度会ってみたかっ——」
パァン。
男を遮って銃声が轟いた。マルだ。サーチアンドデストロイ。無駄話をしている暇は無い。敵と見れば即座に射殺。当然の攻撃だ。
だが。
「——なるほど。手強いのは『炎のエフィリス』だけではないか」
「あぁん?」
マルの銃弾は防がれていた。抱えた壺からドロリと湧き出た金色の水が、ひとりでに動いて固まり、黄金の硬度を以て防いだのだ。
「リディ」
「ええ!」
続いて、クリューとリディが男へ向けて乱射する。数多の銃弾は空間を食い潰しながらその直線上を抉り迫る。
「……無駄だ。俺に銃は効かない」
「…………」
だが、その全てはやはり防がれていた。銃弾を防ぐ水など、この世界に存在しない。
「……『黄金水の壺』だ。ラクス皇国から盗み出した特級トレジャー」
古代文明の武器以外は。オルヴァリオはそれを知っていた。彼の名も。
「オルヴァリオ。あいつは何だ」
「ネヴァン武僧兵長『黄金水のリシス』。要はネヴァンで一番強い奴らのひとりだ」
「で、俺をご指名か。良いぜ」
会話中も、リシスは攻撃を仕掛けて来なかった。彼は『遊んで』いるのだ。エフィリスとだけ、戦いたいのだろう。
エフィリスは飛び上がり、リシスの立つ屋根の上に登った。
「俺のファンかよ? リシス君」
「同じ特級遺物の武器を持つ者同士。俺がお前に勝てば、俺は『特級トレジャーハンター』より上に位置できるか?」
「……はぁ?」
そこでようやく、リシスが戦闘態勢に入った。壺を傾けて、口をエフィリスへ向ける。
「……戦いに勝てば、俺は『炎のエフィリス』より上か?」
「あのなあ。リシス君よ」
「!」
エフィリスも炎の剣を構える。当然ながら、この男は強敵だろう。一分の油断もしてはならない。
「『戦い』に勝ったら、そりゃ『戦い』の実力は上だろうぜ。だがなあ」
ダン、と踏み込んで駆け出す。炎を纏う剣撃が、超高速でリシスへ襲い掛かる。
彼がその手に持つ壺も。『グレイシア』も。盗品だ。毎回、命の危険をかいくぐりながらトレジャーを見付けて持ち帰っている正規のトレジャーハンターとして、エフィリスは彼らに激怒している。
「『トレジャーハンターとしての実力』で俺に勝ちたきゃ、何も使わずに俺より凄えトレジャー取ってこいボケ!!」
エフィリスの大声と巨大な金属音が、古代都市に鳴り響いた。
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