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第2章:旅の始まり
第21話 生きた贄
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「嘘だよ、フミ兄」
「……!」
20分ほど経った。車を降りたきり、アルテは戻ってこない。そもそも、トイレと言いながらコンビニには入っていない。
貧乏ゆすりが激しくなってきた文月を見かねて、セレネが口を開いた。
「…………ああ、そうだな。探しに——」
「どうやって?」
「!」
セレネは現状を理解していた。アルテの思惑を。
文月の感情を。
いつもは天真爛漫なセレネだが、ここに至ってとても冷静な表情と声をしていた。まるで兄に対して、諭すような雰囲気を醸しながら。
「わたしならすぐに見付けられるよ。魔術で」
「っ!」
文月は固まった。魔術は、使って欲しくない。
「自然の因果をねじ曲げて、自分達の良いように世界を創り替える術。元を辿れば『神の所業』と同一なんだけど、人間が使うから『悪意がある』って昔から言われてきた」
魔術。
その説明は、まだ詳しく受けていなかった。よく知らない内に、ここまで来てしまっていた。
母は何故、こんな小さな娘に、そんな危険な物を教えていたのか。
「何事も、等価交換。『ねじ曲げ』には代償が要る。『人を睨んで不幸にした』んだから、視力くらい差し出すのが『罰』」
「!」
罰。
「ここは、神様とかってのの世界だから。それと同じようなことをするのは『罪』になる。だから、魔術は嫌われてる」
罪。
そんな言葉を、10歳の子から聞きたくなかった。
「……その、アルテを見付ける魔術の『罰』は?」
訊くしかない。
文月はまだ、魔術のことを何も知らないのだから。
「今回はバッグじゃなくて人だからね。しかもひとりでやるし。道具が無かったら、また失明すると思う」
「駄目だ!」
「なんで?」
「!」
見付ける。目を使うような魔術は決まって、術師の目に『罰』を与える。
「空を飛んで上から探しても良いけどさ。箒も無いから多分、半身不随とかになるよ」
「だっ!! ……絶対駄目だ!」
声を荒げる。文月は強く否定した。先程から、妹から飛び出す言葉が怖くて仕方がない。
魔術とは。
「でもフミ兄の力で治せるよ?」
「……!」
無邪気な声で言う。
何が駄目なのか。どうして断るのか分からないといった表情だ。
「…………怖いだろ。目が見えなくなったら」
「……うん」
文月は、もう分からなくなってきていた。余りにも違う考え方をしている。妹が失明や不随になることを是とする兄など。
存在する訳が無い。
「嫌だろ。身体動かなくなったら」
「うん」
セレネは。
後部座席から。
運転席と助手席の間を潜り抜けて。
「!」
「フミ兄」
そこに居る文月を包み込むように抱き付いた。
セレネは分かっていた。今の状況を。
文月の葛藤を。
「でもね、痛くないよ」
「!」
「わたしや、アルテを心配してくれるのは、とってもありがとう」
魔術は。
この双子の『存在意義』だった。それを捨てるのは、自らの命を捨てることと同義になる。
それを理解していなかったのは、文月の方だった。
「ほら。ずっとフミ兄に引っ付いてるね? そしたら、いつ失明してもすぐ治るよ」
「セレネっ」
「『黒魔術』」
弱々しく制止する。だがセレネは止まらない。止まらないことを、文月も理解し始めた。
セレネは文月を抱きながら、呪文を唱え始める。
——
——
「お嬢様」
普通の家族を知らない。
「お勉強の時間でございます」
父親を知らない。
「どうしてお勉強しなきゃいけないの?」
「例えば。お嬢様は庭で美しいお花を見て、それを摘もうと考えました」
「うん」
「ですがお花に触れた瞬間、お嬢様は死んでしまいました」
「えっ。なんで?」
「それが『毒の花』と知らなかったからです」
「……どく」
「それがどんな花か。知っていれば触らなかったでしょう。きちんと対処法を知っていればもしかしたら摘めたかもしれません。お嬢様は、何も知らなかったのです」
「……うん」
「お嬢様。『知っていること』が増えれば『死ににくく』なるのです。そして、『知っていること』を増やすのが」
「……お勉強」
「その通りです。奥様は、お嬢様方に『死ににくく』なって欲しいと願っています」
「分かった。死にたくないよ。お勉強する」
「ありがとうございます」
先生は勉強の時は厳しいけれど、分からない事は何でも、分かるまで説明してくれた。『生きていけるように』というお母さまの思いを、100%体現していた。
「先生。お花の知識は必要だけど、じゃあ数学は何に使えるの?」
「例えば」
「うん分かった。必要なんだね」
「ありがとうございます」
お兄さまの部屋にあった教科書を見て分かった。
6歳の頃にやっていた『お勉強』は、日本の高等教育に相当するものだったのだと。
普通の学校も知らない。
「魔術は、そのまま使用すれば死に至ります」
「危ないじゃん」
「ですから、『代わり』の物を用意するのです。神の怒りがそちらへ向くように」
普通の学校では、魔術は教わらないらしい。
「そんなので神様を誤魔化せるの?」
「いえ。神は全てお見通しです。『贄を用意する心遣い』で以て、見逃して貰うのです」
「……変なの。そもそも、神様って本当に居るの?」
「アルテお嬢様も、その質問をなさるお歳になりましたか」
「えっ?」
「例えば——」
日本には。
沢山、魔女が居た。画面の向こうに。紙の向こうに。
フィクションだ。だから魔術を使っても平気だった。
そんなアニメは、魔術を学ぶ子供にとって悪影響かもしれない。
「ですから、必ず守ってください。道具無しで魔術を使わないこと。もし本当にどうしようも無い時は、おふたりをお互いに『道具と見立てて』行うこと」
「どういうこと?」
「『怒り』が半分になります。生き長らえる捧げ物。これを『生け贄』と言うのです」
魔術を学ぶということは。
真剣で剣道の稽古をするようなものに近いと思う。一歩間違えれば痛いでは済まない。常に。一生危険が付きまとう。
「どうして、魔術をやってるの? こんなに危ないのに」
「奥様の言い付けです。必ず、役に立つと」
「いつ?」
「いずれ」
兄を知らなかった。
どんな人かと思い馳せた。飛行機ではずっとドキドキしていた。
魔術は、リスクを度外視すれば『なんだってできる』。
「では今日は歴史についてのお勉強です。ローマ帝国に奴隷にされていた——」
そのリスクを、お兄さまなら消し去ることができる。
この為に、あったんだ。この為にやってたんだ。セレネとふたりで。ずっと魔術を習ってきたのは、この為だ。
兄妹3人揃えば、無敵。どんな窮地だって乗り越えられる。
『味方の居ない』この世界でだって、生き抜いていける。
分かってる。子供みたいに駄々をこねているだけだって。お兄さまはアルテ達に、例え治せるからと言って気軽に傷付いて欲しくないって。
そんな優しいお兄さまが好き。
だけど、魔術は。国籍も持たない、学校も行けない、敵だらけのこの世界では。
アルテ達には、魔術しか無い。それ故に狙われて、それ故に味方が居ないのだとしても。もうそれしか無いし、それで良いと思っている。
気を許せるのは家族だけ。他は全部敵。世界と歴史が『魔術』を憎んでいる限り。
それを。アルテ達の拠り所を、お兄さまに否定して欲しくない。
分かってる。ちゃんと説明してないアルテが悪いって。日本人は宗教知識に乏しいって。
きちんと話して、分かって貰う。
「……!」
20分ほど経った。車を降りたきり、アルテは戻ってこない。そもそも、トイレと言いながらコンビニには入っていない。
貧乏ゆすりが激しくなってきた文月を見かねて、セレネが口を開いた。
「…………ああ、そうだな。探しに——」
「どうやって?」
「!」
セレネは現状を理解していた。アルテの思惑を。
文月の感情を。
いつもは天真爛漫なセレネだが、ここに至ってとても冷静な表情と声をしていた。まるで兄に対して、諭すような雰囲気を醸しながら。
「わたしならすぐに見付けられるよ。魔術で」
「っ!」
文月は固まった。魔術は、使って欲しくない。
「自然の因果をねじ曲げて、自分達の良いように世界を創り替える術。元を辿れば『神の所業』と同一なんだけど、人間が使うから『悪意がある』って昔から言われてきた」
魔術。
その説明は、まだ詳しく受けていなかった。よく知らない内に、ここまで来てしまっていた。
母は何故、こんな小さな娘に、そんな危険な物を教えていたのか。
「何事も、等価交換。『ねじ曲げ』には代償が要る。『人を睨んで不幸にした』んだから、視力くらい差し出すのが『罰』」
「!」
罰。
「ここは、神様とかってのの世界だから。それと同じようなことをするのは『罪』になる。だから、魔術は嫌われてる」
罪。
そんな言葉を、10歳の子から聞きたくなかった。
「……その、アルテを見付ける魔術の『罰』は?」
訊くしかない。
文月はまだ、魔術のことを何も知らないのだから。
「今回はバッグじゃなくて人だからね。しかもひとりでやるし。道具が無かったら、また失明すると思う」
「駄目だ!」
「なんで?」
「!」
見付ける。目を使うような魔術は決まって、術師の目に『罰』を与える。
「空を飛んで上から探しても良いけどさ。箒も無いから多分、半身不随とかになるよ」
「だっ!! ……絶対駄目だ!」
声を荒げる。文月は強く否定した。先程から、妹から飛び出す言葉が怖くて仕方がない。
魔術とは。
「でもフミ兄の力で治せるよ?」
「……!」
無邪気な声で言う。
何が駄目なのか。どうして断るのか分からないといった表情だ。
「…………怖いだろ。目が見えなくなったら」
「……うん」
文月は、もう分からなくなってきていた。余りにも違う考え方をしている。妹が失明や不随になることを是とする兄など。
存在する訳が無い。
「嫌だろ。身体動かなくなったら」
「うん」
セレネは。
後部座席から。
運転席と助手席の間を潜り抜けて。
「!」
「フミ兄」
そこに居る文月を包み込むように抱き付いた。
セレネは分かっていた。今の状況を。
文月の葛藤を。
「でもね、痛くないよ」
「!」
「わたしや、アルテを心配してくれるのは、とってもありがとう」
魔術は。
この双子の『存在意義』だった。それを捨てるのは、自らの命を捨てることと同義になる。
それを理解していなかったのは、文月の方だった。
「ほら。ずっとフミ兄に引っ付いてるね? そしたら、いつ失明してもすぐ治るよ」
「セレネっ」
「『黒魔術』」
弱々しく制止する。だがセレネは止まらない。止まらないことを、文月も理解し始めた。
セレネは文月を抱きながら、呪文を唱え始める。
——
——
「お嬢様」
普通の家族を知らない。
「お勉強の時間でございます」
父親を知らない。
「どうしてお勉強しなきゃいけないの?」
「例えば。お嬢様は庭で美しいお花を見て、それを摘もうと考えました」
「うん」
「ですがお花に触れた瞬間、お嬢様は死んでしまいました」
「えっ。なんで?」
「それが『毒の花』と知らなかったからです」
「……どく」
「それがどんな花か。知っていれば触らなかったでしょう。きちんと対処法を知っていればもしかしたら摘めたかもしれません。お嬢様は、何も知らなかったのです」
「……うん」
「お嬢様。『知っていること』が増えれば『死ににくく』なるのです。そして、『知っていること』を増やすのが」
「……お勉強」
「その通りです。奥様は、お嬢様方に『死ににくく』なって欲しいと願っています」
「分かった。死にたくないよ。お勉強する」
「ありがとうございます」
先生は勉強の時は厳しいけれど、分からない事は何でも、分かるまで説明してくれた。『生きていけるように』というお母さまの思いを、100%体現していた。
「先生。お花の知識は必要だけど、じゃあ数学は何に使えるの?」
「例えば」
「うん分かった。必要なんだね」
「ありがとうございます」
お兄さまの部屋にあった教科書を見て分かった。
6歳の頃にやっていた『お勉強』は、日本の高等教育に相当するものだったのだと。
普通の学校も知らない。
「魔術は、そのまま使用すれば死に至ります」
「危ないじゃん」
「ですから、『代わり』の物を用意するのです。神の怒りがそちらへ向くように」
普通の学校では、魔術は教わらないらしい。
「そんなので神様を誤魔化せるの?」
「いえ。神は全てお見通しです。『贄を用意する心遣い』で以て、見逃して貰うのです」
「……変なの。そもそも、神様って本当に居るの?」
「アルテお嬢様も、その質問をなさるお歳になりましたか」
「えっ?」
「例えば——」
日本には。
沢山、魔女が居た。画面の向こうに。紙の向こうに。
フィクションだ。だから魔術を使っても平気だった。
そんなアニメは、魔術を学ぶ子供にとって悪影響かもしれない。
「ですから、必ず守ってください。道具無しで魔術を使わないこと。もし本当にどうしようも無い時は、おふたりをお互いに『道具と見立てて』行うこと」
「どういうこと?」
「『怒り』が半分になります。生き長らえる捧げ物。これを『生け贄』と言うのです」
魔術を学ぶということは。
真剣で剣道の稽古をするようなものに近いと思う。一歩間違えれば痛いでは済まない。常に。一生危険が付きまとう。
「どうして、魔術をやってるの? こんなに危ないのに」
「奥様の言い付けです。必ず、役に立つと」
「いつ?」
「いずれ」
兄を知らなかった。
どんな人かと思い馳せた。飛行機ではずっとドキドキしていた。
魔術は、リスクを度外視すれば『なんだってできる』。
「では今日は歴史についてのお勉強です。ローマ帝国に奴隷にされていた——」
そのリスクを、お兄さまなら消し去ることができる。
この為に、あったんだ。この為にやってたんだ。セレネとふたりで。ずっと魔術を習ってきたのは、この為だ。
兄妹3人揃えば、無敵。どんな窮地だって乗り越えられる。
『味方の居ない』この世界でだって、生き抜いていける。
分かってる。子供みたいに駄々をこねているだけだって。お兄さまはアルテ達に、例え治せるからと言って気軽に傷付いて欲しくないって。
そんな優しいお兄さまが好き。
だけど、魔術は。国籍も持たない、学校も行けない、敵だらけのこの世界では。
アルテ達には、魔術しか無い。それ故に狙われて、それ故に味方が居ないのだとしても。もうそれしか無いし、それで良いと思っている。
気を許せるのは家族だけ。他は全部敵。世界と歴史が『魔術』を憎んでいる限り。
それを。アルテ達の拠り所を、お兄さまに否定して欲しくない。
分かってる。ちゃんと説明してないアルテが悪いって。日本人は宗教知識に乏しいって。
きちんと話して、分かって貰う。
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