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姫はニヤッと笑うと、さらにスピードを上げ、そのトラックのテールゲートに突っ込んで行きます。準一はまたもや悲鳴を上げました。
「ぶ、ぶつかるーっ!」
ぶつかる寸前、箒はスライドするように左へ。そのまま前進してトラックの側面に。上空を飛ぶヘリコプターの死角に入りました。
ヘリコプターはそのまま飛び続けますが、しばらくしてヘリコプターの操縦者の頭の上に?が浮かびました。
「ん、あの2人、どこ行った?」
女性リポーターがマイクを下げて応えます。
「あのトラックの向こうにいるんじゃないですか?」
「いや・・・ あのスピードなら、とっくの昔にトラックを追い越してるはずだぞ?」
「ええ~?」
操縦者は操縦桿を倒しました。
廻り込むヘリコプター。トラックの反対側が見えてきました。そこには・・・ 姫と準一の姿はありません。ヘリコプター内の搭乗者一同、びっくり。
「消えたーっ!?・・・」
さて、2人はどこに行ったのでしょうか? ちょっと話を巻き戻しましょう。
トレーラートラックの左側に入っていく2人を乗せた箒。が、そこには道路標識がありました。完全に衝突するコース。準一はまたまた悲鳴を上げました。
「うわーっ!・・・」
が、姫は余裕がありました。再び左にスライドして歩道に。そこには工事現場でよく見かける仮囲いがありました。仮囲いが終わったところは、今飛んでる道路(歩道)と直交してる路地があります。
姫が叫びます。
「そこ、曲がんよ!」
びっくりする準一。
「ええ~? む、ムリだって、このスピードじゃ!」
けど、その発言は無視。2人を乗せた箒は角を曲がり始めました。準一はまたもや悲鳴をあげました。
「うわーっ!・・・」
準一は目をつぶり、歯を喰いしばり、激しい横のGに備えました。姫の腹に巻かれた準一の手に自然と力が入ります。
次の瞬間準一は不思議な感覚に陥りました。なんと、アスファルトの上に立ってるのです。あれだけのスピードで曲がったのに、一切Gを感じず、ピタッと地上に立ってるのです。
準一と姫は仮囲いの側に立ってました。街道から路地に曲がってすぐのところです。
準一は眼の前に立ってる姫を見ました。オレ、この娘と一緒に箒に乗って飛んでたんだよな?・・・ この娘のお腹に思いっきり抱き付いてたんだよな?・・・
なお、姫は準一から見て後ろ向き、街道の方を見て立ってます。さっきまで乗ってた箒は、姫の右手に握られてました。
姫は上空を見て、
「あれ、見て!」
「え!?」
準一は姫の視線の先を見ると、ヘリコプターが飛び去って行くところでした。姫はニヤッとして、
「ふっ、ちょろいもんね」
準一は何が起きたのか、さっぱりわかりません。
「ええ~?・・・」
姫は箒に跨り、横目で準一を見て、
「さあ、行こっか!」
「う、うん・・・」
準一は何があったのかイマイチ理解できてませんが、とりあえず姫の後ろに跨りました。
ふわーっと上昇する2人を乗せた箒。ある高さに達すると、突然ものすごいスピードで飛び始めました。
箒に跨り夜空を飛ぶ姫と準一。姫が切り出しました。
「そろそろよ!」
と、2人の行く先に巨大な魔法円が現れました。それを見て準一は驚きます。
「な、なんだよ、あれ?」
姫は応えます。
「マーキングポイント。
さあ、行くよ!」
2人を乗せた箒は魔法円の中心へ。箒の先端が魔法円に触れると魔法円は激しく発光し始めました。魔法円の中から青い光の粒があふれ出てきます。その光が姫の身体を包み込んで行きます。
姫は笑顔。一方準一は不安いっぱいの顔。
「ど、どうなるんだよ、いったい、これ?・・・」
「ぶ、ぶつかるーっ!」
ぶつかる寸前、箒はスライドするように左へ。そのまま前進してトラックの側面に。上空を飛ぶヘリコプターの死角に入りました。
ヘリコプターはそのまま飛び続けますが、しばらくしてヘリコプターの操縦者の頭の上に?が浮かびました。
「ん、あの2人、どこ行った?」
女性リポーターがマイクを下げて応えます。
「あのトラックの向こうにいるんじゃないですか?」
「いや・・・ あのスピードなら、とっくの昔にトラックを追い越してるはずだぞ?」
「ええ~?」
操縦者は操縦桿を倒しました。
廻り込むヘリコプター。トラックの反対側が見えてきました。そこには・・・ 姫と準一の姿はありません。ヘリコプター内の搭乗者一同、びっくり。
「消えたーっ!?・・・」
さて、2人はどこに行ったのでしょうか? ちょっと話を巻き戻しましょう。
トレーラートラックの左側に入っていく2人を乗せた箒。が、そこには道路標識がありました。完全に衝突するコース。準一はまたまた悲鳴を上げました。
「うわーっ!・・・」
が、姫は余裕がありました。再び左にスライドして歩道に。そこには工事現場でよく見かける仮囲いがありました。仮囲いが終わったところは、今飛んでる道路(歩道)と直交してる路地があります。
姫が叫びます。
「そこ、曲がんよ!」
びっくりする準一。
「ええ~? む、ムリだって、このスピードじゃ!」
けど、その発言は無視。2人を乗せた箒は角を曲がり始めました。準一はまたもや悲鳴をあげました。
「うわーっ!・・・」
準一は目をつぶり、歯を喰いしばり、激しい横のGに備えました。姫の腹に巻かれた準一の手に自然と力が入ります。
次の瞬間準一は不思議な感覚に陥りました。なんと、アスファルトの上に立ってるのです。あれだけのスピードで曲がったのに、一切Gを感じず、ピタッと地上に立ってるのです。
準一と姫は仮囲いの側に立ってました。街道から路地に曲がってすぐのところです。
準一は眼の前に立ってる姫を見ました。オレ、この娘と一緒に箒に乗って飛んでたんだよな?・・・ この娘のお腹に思いっきり抱き付いてたんだよな?・・・
なお、姫は準一から見て後ろ向き、街道の方を見て立ってます。さっきまで乗ってた箒は、姫の右手に握られてました。
姫は上空を見て、
「あれ、見て!」
「え!?」
準一は姫の視線の先を見ると、ヘリコプターが飛び去って行くところでした。姫はニヤッとして、
「ふっ、ちょろいもんね」
準一は何が起きたのか、さっぱりわかりません。
「ええ~?・・・」
姫は箒に跨り、横目で準一を見て、
「さあ、行こっか!」
「う、うん・・・」
準一は何があったのかイマイチ理解できてませんが、とりあえず姫の後ろに跨りました。
ふわーっと上昇する2人を乗せた箒。ある高さに達すると、突然ものすごいスピードで飛び始めました。
箒に跨り夜空を飛ぶ姫と準一。姫が切り出しました。
「そろそろよ!」
と、2人の行く先に巨大な魔法円が現れました。それを見て準一は驚きます。
「な、なんだよ、あれ?」
姫は応えます。
「マーキングポイント。
さあ、行くよ!」
2人を乗せた箒は魔法円の中心へ。箒の先端が魔法円に触れると魔法円は激しく発光し始めました。魔法円の中から青い光の粒があふれ出てきます。その光が姫の身体を包み込んで行きます。
姫は笑顔。一方準一は不安いっぱいの顔。
「ど、どうなるんだよ、いったい、これ?・・・」
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