地球防衛チームテレストリアルガードの都合!? 10章

のどか

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第10章 侵略者を撃つな!

侵略者を撃つな! 127

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 日向隊員は前を向いたまま、つぶやきました。
「上溝さん、ほかの部署に行っちゃうんですね?・・・」
 女神隊員が反応します。
「ん、どうしたの?」
「私、上溝さんに嫌われてたんです・・・ 仲直りできたと思ったのに出て行っちゃうなんて、私、まだ嫌われてたのかなあ?・・・」
「上溝さんには上溝さんの理由があるんでしょ。たぶんあなたとは関係のない?・・・」
「ふふ、女神さんて隊長と同じこと言うんですね」
 舞台上の寒川隊員がアコースティックギターをかき鳴らしながら歌い始めました。日向隊員はそれを見て、
「すみれさん、今日も来てくれなかったんだ。今日が本番だというのに・・・ 寒川さん、かわいそう・・・」
「じゃ、あなたがすみれさんを呼んでみたら?」
 日向隊員はそのセリフにびっくり。女神隊員に振り向き、
「ええ?」
 女神隊員はゴルフ場でユラン岡崎にレーザーガンを突き付けてるすみれ隊員を思い出しました。影像の端には女神隊員自身がいます。
「あなた、あのとき、私たちに歌を送ってくれたわよね、テレパシーで」
「尾崎豊の曲?」
「そうそう。それですみれさんは心を入れ替え、仇討ちをあきらめた。あれをもう1回ここでやるの!」
「ええ?・・・」
 日向隊員は一昨日のことを思い出しました。
 一昨日はストリートライヴをやってる寒川隊員にもっとオーディエンスが集まるようテレパシーで寒川隊員の歌声を四方八方に送ったのですが、だれも反応してくれませんでした。そのことで日向隊員はちょっと落ち込みました。
 けど、一昨日は不特定多数の人にテレパシーを送るという行為でしたが、今はすみれ隊員1人にテレパシーを送るだけ。これならできるかも? 日向隊員は振り向き、生き生きとした顔で女神隊員にうなずきました。
「やってみます!」
 日向隊員は眼をつぶり、ぶつぶつと唇を動かし始めました。

 テレストリアルガード基地、地下にあるすみれ隊員の私室。私服のすみれ隊員はベッドに腰かけ、ぼーっとしてます。
 が、突然はっとします。
「え?」
 そして日向隊員の顔を思い浮かべます。
「ふっ、あのったら・・・」
 そう、すみれ隊員は日向隊員のテレパシーをキャッチしたのです。それは尾崎豊の曲でした。日向隊員は尾崎豊の曲を歌ってるのです。すみれ隊員はその歌声に合わせ、同じ曲を歌い始めました。
 僕が僕であるために すみれ隊員は最初つぶやくように歌ってましたが、歌ってるうちすみれ隊員の表情が変わってきました。それはストリートライヴで歌ってるときと同じ表情。
 すみれ隊員の脳裏には、寒川隊員と路上で歌ってるときの楽しさ、面白さがよみがえってきました。歌声もいつの間にかシャウトになりました。
 すみれ隊員の心の中で響いてた日向隊員の歌が終わりました。すみれ隊員はニヤッとし、
「ふ、忘れてた。私のごうは歌を歌うことだったんだ・・・」
 すみれ隊員は立ち上がり、一本引きの自動ドアを開けました。

 コンサート会場の外観。すでに夕刻になってます。寒川隊員のコンサート開演の時間が近づいてきました。けど、あたりは閑散としたまま。
 その館内、小コンサートホール。元々小さなキャパシティのコンサートホールですが、人はほとんど入ってません。2割くらいか?
 閑散としてる席の中に日向隊員と女神隊員の姿もあります。2人は昼間と同じ私服。座ってる位置も昼間と同じ。日向隊員がつぶやきます。
「人がほとんど入ってない・・・ やっぱこんなもん?・・・」

 楽屋。寒川隊員がパイプイスに座ってます。背中を丸め、何かを祈ってるようです。いや、心の中で歌ってるのかも? ほかに人影はありません。
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