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第10章 侵略者を撃つな!
侵略者を撃つな! 126
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隊長の発言が続いてます。
「すみれの声には不思議な魅力があった。迫力があったと言った方がいいかな? それでたくさんの人を呼び寄せることができたんだよ」
日向隊員は感嘆します。
「すみれさんてそんなにすごい人だったんだ・・・」
「でも、取られてしまったんだよ、すみれを、メガヒューマノイドの手術に」
「え~、なんで拒否しなかったんですか?」
「テレストリアルガードは公的な組織だ。オレたちゃその中でも下っ端の方だ。黙って上の命令に従うしかないんだよ。
けど、2人のデビューコンサートは間近だった。寒川は宣伝のために1人でストリートライヴを続行したが、見ての通り、オーディエンスはどんどん減っていってしまったんだよ」
「コンサートは明後日ですよね。すみれさん、復帰しないんですか?」
「復帰できると思うか、あいつ?」
日向隊員は考え込みました。
「う~ん・・・」
隊長はベッドに腰かけて俯いてるすみれ隊員を思い浮かべました。テレストリアルガード基地のすみれ隊員に与えられた私室の中です。
「あいつ、自分の部屋に引き籠ったままなんだ。ずーっとな。
実を言うと、すみれも作戦部門から離れる気らしい」
日向隊員はびっくり。パフェに突き刺そうとした細長いスプーンを操る手を止めました。
「え?・・・」
「面接官にYesと言ったようだ」
日向隊員はちょっと考え、
「もう作戦部門には興味がないのかなあ、すみれさんは? 寒川さんにも興味がなくなった? 明後日のライヴは寒川さん1人だけ?」
「ああ、たぶんな」
日向隊員は再び眼下の寒川隊員を見ました。彼を囲むオーディエンスの数はストリートミュージシャンとしては多い方ですが、明後日コンサートホールでコンサートをやることを考えると、かなり足りない数です。
日向隊員はぽつり。
「寒川さん、かわいそう・・・」
隊長は手にしたコーヒーカップに唇をつけ、
「じゃ、お前がオーディエンスを呼び寄せてみたらどうだ?」
「ええ?」
「テレパシーを使うんだよ」
日向隊員は途端に笑みを浮かべ、
「あは、やってみます!」
日向隊員は眼をつぶりました。その唇は小刻みに動いてます。どうやらテレパシーを四方八方に送ってるようです。これで人を呼び寄せるつもりのようです。
けど、なかなか人が寄ってきません。5分、10分・・・ 隊長は微笑みながら気長に待ちます。
と、突然ボトッという音。日向隊員がはっとして眼を開けると、パフェに載ってたシャインマスカットの粒がテーブルに落ちてました。さらにもう1個シャインマスカットの粒がテーブルにボトッと落ちます。
「ええ~!?」
さらにパフェのアイスの部分が解けていて、器から流れ出ています。慌てる日向隊員。
「あ~あ、もったいない・・・」
日向隊員は細長いスプーンをパフェに刺し、それを口の中に運びました。途端に照れ笑い。
「あは・・・」
隊長はそれを見て、さらに寒川隊員の方向を見て、苦笑い。
「ふっ、オーディエンスは増えそうにないな? そこまでのスーパーガールじゃなかったようだな、君は」
「すみません・・・」
日向隊員は口では謝罪してますが、その一方で次々とパフェをスプーンで口の中に運んでました。
真昼間、晴天下のコンサート会場。その館内の小コンサートホール。舞台の上、私服(ステージ衣装)の寒川隊員とキャップを被った男性が打ち合わせしてます。舞台の脇では照明スタッフが照明器具を調整してます。
観客席は無人。いや、中央に2人座ってます。日向隊員とその1列後ろ、1つ横に座る女神隊員です。2人とも私服。女神隊員はヘルメットを被らず、ウィッグで特徴的な単眼を隠してます。
「すみれの声には不思議な魅力があった。迫力があったと言った方がいいかな? それでたくさんの人を呼び寄せることができたんだよ」
日向隊員は感嘆します。
「すみれさんてそんなにすごい人だったんだ・・・」
「でも、取られてしまったんだよ、すみれを、メガヒューマノイドの手術に」
「え~、なんで拒否しなかったんですか?」
「テレストリアルガードは公的な組織だ。オレたちゃその中でも下っ端の方だ。黙って上の命令に従うしかないんだよ。
けど、2人のデビューコンサートは間近だった。寒川は宣伝のために1人でストリートライヴを続行したが、見ての通り、オーディエンスはどんどん減っていってしまったんだよ」
「コンサートは明後日ですよね。すみれさん、復帰しないんですか?」
「復帰できると思うか、あいつ?」
日向隊員は考え込みました。
「う~ん・・・」
隊長はベッドに腰かけて俯いてるすみれ隊員を思い浮かべました。テレストリアルガード基地のすみれ隊員に与えられた私室の中です。
「あいつ、自分の部屋に引き籠ったままなんだ。ずーっとな。
実を言うと、すみれも作戦部門から離れる気らしい」
日向隊員はびっくり。パフェに突き刺そうとした細長いスプーンを操る手を止めました。
「え?・・・」
「面接官にYesと言ったようだ」
日向隊員はちょっと考え、
「もう作戦部門には興味がないのかなあ、すみれさんは? 寒川さんにも興味がなくなった? 明後日のライヴは寒川さん1人だけ?」
「ああ、たぶんな」
日向隊員は再び眼下の寒川隊員を見ました。彼を囲むオーディエンスの数はストリートミュージシャンとしては多い方ですが、明後日コンサートホールでコンサートをやることを考えると、かなり足りない数です。
日向隊員はぽつり。
「寒川さん、かわいそう・・・」
隊長は手にしたコーヒーカップに唇をつけ、
「じゃ、お前がオーディエンスを呼び寄せてみたらどうだ?」
「ええ?」
「テレパシーを使うんだよ」
日向隊員は途端に笑みを浮かべ、
「あは、やってみます!」
日向隊員は眼をつぶりました。その唇は小刻みに動いてます。どうやらテレパシーを四方八方に送ってるようです。これで人を呼び寄せるつもりのようです。
けど、なかなか人が寄ってきません。5分、10分・・・ 隊長は微笑みながら気長に待ちます。
と、突然ボトッという音。日向隊員がはっとして眼を開けると、パフェに載ってたシャインマスカットの粒がテーブルに落ちてました。さらにもう1個シャインマスカットの粒がテーブルにボトッと落ちます。
「ええ~!?」
さらにパフェのアイスの部分が解けていて、器から流れ出ています。慌てる日向隊員。
「あ~あ、もったいない・・・」
日向隊員は細長いスプーンをパフェに刺し、それを口の中に運びました。途端に照れ笑い。
「あは・・・」
隊長はそれを見て、さらに寒川隊員の方向を見て、苦笑い。
「ふっ、オーディエンスは増えそうにないな? そこまでのスーパーガールじゃなかったようだな、君は」
「すみません・・・」
日向隊員は口では謝罪してますが、その一方で次々とパフェをスプーンで口の中に運んでました。
真昼間、晴天下のコンサート会場。その館内の小コンサートホール。舞台の上、私服(ステージ衣装)の寒川隊員とキャップを被った男性が打ち合わせしてます。舞台の脇では照明スタッフが照明器具を調整してます。
観客席は無人。いや、中央に2人座ってます。日向隊員とその1列後ろ、1つ横に座る女神隊員です。2人とも私服。女神隊員はヘルメットを被らず、ウィッグで特徴的な単眼を隠してます。
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