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第2話 女王様だというメスガキをわからせた!
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薄っすらとパイプオルガンの音色が聞こえる。曲調からしてバロック音楽か何かだろうか。
「う、う~ん……」
くらくらする頭を押さえつつ俺はのそりと上体を起こす。
――っつ。
眉間と左胸、それから右のわき腹あたりに鈍い痛みが走る。まるで銃で撃たれたかのような。いや、撃たれたかのようじゃない。本当に撃たれたんだ!
記憶が徐々に蘇ってくる。
ネトゲで徹夜明けの俺は、自分の部屋でテレビを観ながらカップラーメンを食べていた。
そしたら玄関のチャイムが鳴って、ドアを開けたらそこに女の子が立っていたんだ。年の頃はそう、今目の前にいる女の子と同じくらいの……。
って、ええっ!?
寝ぼけ眼を見開くと、そこにはなんと金箔と宝石で装飾された仰々しい玉座に、小学○年生くらいと見られる金髪の女の子が座っていた。
さらに辺りを見回すと、中世ヨーロッパのどこかのお城を思わせる重厚かつ絢爛豪華な空間が広がっている。さしずめここは国王の謁見の間といったところか。
というと、目の前の玉座に座る女の子が王様ってこと?
眩い宝石が散りばめられた王冠をかぶり、ゴージャスな衣装を身に纏ってはいるものの、どう見てもただのガキにしか見えない。
「あっ、やっと目覚めた♡ 氷河期のお・じ・さ・ん♡」
女の子は肘掛に片肘をつき、その碧い瞳に侮蔑の色を湛えながら俺を見下している。
だ、誰が氷河期のおじさんだ! ま、まぁ間違っちゃいないけど。
「それにしてもあのクソ女神、まーたこんなざこを送り込んでくるなんて。これで何人目だっけ~?」
「確か35人目かと」
玉座近くに控える大臣と思しき男がぼそりと答えた。土気色のやつれた顔をしたその男からは、どこか俺と同じ氷河期の臭いが漂う。
「きゃは♡ 35って語呂がざこじゃん♡ マジでウケる~♡」
女の子は玉座の上で腹を抱えて笑い転げた。
……くっ、何なんだこのガキ。さっきから氷河期だのざこだの馬鹿にしやがって。
「今度はチートな武器を与えて送るって言ってたけど、見たところそれらしい武器も無いただのクソざこじゃん」
チートな武器? っていうか、こいつは何者でここは一体どこなんだ??
状況から察するに、どうやら俺は異世界にでも転生させられたようだが。
「きゃはは♡ ここがどこなのかって顔しててウケる♡ ねぇねぇ、ここがどこだか知りたい? あたしが誰だか知りたい? 教えてあげよっか、氷河期のクソざこおじさん♡」
女の子は侮蔑に満ちた笑顔で煽ってくる。
このクソガキ……。いや、こういうのをメスガキというのか。
怒りが込み上げてくるのと同時に、何かこう、ざわざわとした感覚が沸き起こってくる。
「まぁ、あんまり時間ないし~、ざこなおじさんにも分かるようにさくっと説明するね♡ ここはヨーツンヴァイム王国で、あたしは女王のイザベル♡ それでね、じつはジポルキンっていう魔王が現れて、世界はセンシティブで覆われちゃって大変なことになってるの。そこで、日本からいらなくなった氷河期のおじさんをこっちに転生させて、魔王を倒して世界を救ってもらおうってことなの♡」
自ら女王と称しイザベルと名乗るそのメスガキは、小憎らしい笑みを浮かべながらさらに話を続けた。
「これまでに何人もの氷河期のおじさんが送りこまれてきたんだけど、ざこばっかりで全然役に立たなかったんだよね~。ウケる♡ おじさんも見た感じクソざこっぽいから無理そうだけど~♡ きゃははははは♡」
俺を指差して笑い、玉座から転げ落ちそうになるイザベル。
このメスガキ……。わからせたい。ガツンと一発わからせてやりたい。大人をからかうと、ていうか氷河期を馬鹿にするとどうなるかってことを!
ぐっと拳を握りしめたその時、フッと目の前にウインドウが浮かび上がった。
コマンド内のちからを見ると、レベル1、ちから4、すばやさ3、最大HP15、最大MP0、攻撃力4、守備力2とある。
た、確かにクソざこだわ、俺……。
ん? 道具一覧にあるこれは何だ??
――《わからせ棒》――
こ、これだ!
「きゃはは♡ レベル1ってマジウケる♡ これまでのどの氷河期のおじさんよりもざこじゃん♡ もうお前、ざこ決定ー♡ 最弱なのに最強のクソざこ♡ きゃはははははは♡」
そうやって笑っていられるのも今のうちだ、このメスガキ!
俺は《わからせ棒》を使った。
「え? ちょ、待って、何それ? あっ、だめっ……」
俺は《わからせ棒》を使った。
「あ、あたしにこんなことしてタダで済むと思ってんの? 氷河期のクソざこのくせに……」
俺は《わからせ棒》を使った。
「ひゃん♡ そ、そこは……だめっ! そ、そんなのムリムリ、絶対にムリ! やめ……て、あ゛あ゛あ゛……」
俺は《わからせ棒》を使った。
「お゛っ♡ お゛っ♡ お゛っ♡ はっ♡ ひっ♡ はひっ♡ ふっ♡ ふひゅ♡ ……もっと、もっとお願ぁーい!」
***
「……ふ、ふん。ざこだけどなかなかやるじゃない♡ いいわ、それじゃあ、魔王をさっさと退治してきてね♡ 氷河期のクソざこお・じ・さ・ん♡」
上気した顔で身なりを整えるイザベルの言動から、すでに侮蔑だけではない何かが感じられるようになった。
どうやら俺はこのメスガキの女王様をわからせることができたようだ。
「あ、そうそう♡ 旅に出る前にそこにある宝箱を開けてもいいよ♡ あたしをこんなにしたおじさんへのご褒美♡」
そう言うとイザベルは玉座の脇にある重厚な宝箱を足で指し示した。
「あっ、陛下! その中身は……」
側にいた大臣が慌てて制止するよりも前に俺は宝箱を開けた。
中には苺柄のおパンツが入っていた。
「えっ? ちょ、そ、それはだめえええええ!」
イザベルは宝箱の中にはした金と薬草くらいしか入っていないとでも思ったのだろう。だがもう遅い。
俺はイザベルのおパンツを握りしめ、そそくさと謁見の間を後にしたのだった。
「う、う~ん……」
くらくらする頭を押さえつつ俺はのそりと上体を起こす。
――っつ。
眉間と左胸、それから右のわき腹あたりに鈍い痛みが走る。まるで銃で撃たれたかのような。いや、撃たれたかのようじゃない。本当に撃たれたんだ!
記憶が徐々に蘇ってくる。
ネトゲで徹夜明けの俺は、自分の部屋でテレビを観ながらカップラーメンを食べていた。
そしたら玄関のチャイムが鳴って、ドアを開けたらそこに女の子が立っていたんだ。年の頃はそう、今目の前にいる女の子と同じくらいの……。
って、ええっ!?
寝ぼけ眼を見開くと、そこにはなんと金箔と宝石で装飾された仰々しい玉座に、小学○年生くらいと見られる金髪の女の子が座っていた。
さらに辺りを見回すと、中世ヨーロッパのどこかのお城を思わせる重厚かつ絢爛豪華な空間が広がっている。さしずめここは国王の謁見の間といったところか。
というと、目の前の玉座に座る女の子が王様ってこと?
眩い宝石が散りばめられた王冠をかぶり、ゴージャスな衣装を身に纏ってはいるものの、どう見てもただのガキにしか見えない。
「あっ、やっと目覚めた♡ 氷河期のお・じ・さ・ん♡」
女の子は肘掛に片肘をつき、その碧い瞳に侮蔑の色を湛えながら俺を見下している。
だ、誰が氷河期のおじさんだ! ま、まぁ間違っちゃいないけど。
「それにしてもあのクソ女神、まーたこんなざこを送り込んでくるなんて。これで何人目だっけ~?」
「確か35人目かと」
玉座近くに控える大臣と思しき男がぼそりと答えた。土気色のやつれた顔をしたその男からは、どこか俺と同じ氷河期の臭いが漂う。
「きゃは♡ 35って語呂がざこじゃん♡ マジでウケる~♡」
女の子は玉座の上で腹を抱えて笑い転げた。
……くっ、何なんだこのガキ。さっきから氷河期だのざこだの馬鹿にしやがって。
「今度はチートな武器を与えて送るって言ってたけど、見たところそれらしい武器も無いただのクソざこじゃん」
チートな武器? っていうか、こいつは何者でここは一体どこなんだ??
状況から察するに、どうやら俺は異世界にでも転生させられたようだが。
「きゃはは♡ ここがどこなのかって顔しててウケる♡ ねぇねぇ、ここがどこだか知りたい? あたしが誰だか知りたい? 教えてあげよっか、氷河期のクソざこおじさん♡」
女の子は侮蔑に満ちた笑顔で煽ってくる。
このクソガキ……。いや、こういうのをメスガキというのか。
怒りが込み上げてくるのと同時に、何かこう、ざわざわとした感覚が沸き起こってくる。
「まぁ、あんまり時間ないし~、ざこなおじさんにも分かるようにさくっと説明するね♡ ここはヨーツンヴァイム王国で、あたしは女王のイザベル♡ それでね、じつはジポルキンっていう魔王が現れて、世界はセンシティブで覆われちゃって大変なことになってるの。そこで、日本からいらなくなった氷河期のおじさんをこっちに転生させて、魔王を倒して世界を救ってもらおうってことなの♡」
自ら女王と称しイザベルと名乗るそのメスガキは、小憎らしい笑みを浮かべながらさらに話を続けた。
「これまでに何人もの氷河期のおじさんが送りこまれてきたんだけど、ざこばっかりで全然役に立たなかったんだよね~。ウケる♡ おじさんも見た感じクソざこっぽいから無理そうだけど~♡ きゃははははは♡」
俺を指差して笑い、玉座から転げ落ちそうになるイザベル。
このメスガキ……。わからせたい。ガツンと一発わからせてやりたい。大人をからかうと、ていうか氷河期を馬鹿にするとどうなるかってことを!
ぐっと拳を握りしめたその時、フッと目の前にウインドウが浮かび上がった。
コマンド内のちからを見ると、レベル1、ちから4、すばやさ3、最大HP15、最大MP0、攻撃力4、守備力2とある。
た、確かにクソざこだわ、俺……。
ん? 道具一覧にあるこれは何だ??
――《わからせ棒》――
こ、これだ!
「きゃはは♡ レベル1ってマジウケる♡ これまでのどの氷河期のおじさんよりもざこじゃん♡ もうお前、ざこ決定ー♡ 最弱なのに最強のクソざこ♡ きゃはははははは♡」
そうやって笑っていられるのも今のうちだ、このメスガキ!
俺は《わからせ棒》を使った。
「え? ちょ、待って、何それ? あっ、だめっ……」
俺は《わからせ棒》を使った。
「あ、あたしにこんなことしてタダで済むと思ってんの? 氷河期のクソざこのくせに……」
俺は《わからせ棒》を使った。
「ひゃん♡ そ、そこは……だめっ! そ、そんなのムリムリ、絶対にムリ! やめ……て、あ゛あ゛あ゛……」
俺は《わからせ棒》を使った。
「お゛っ♡ お゛っ♡ お゛っ♡ はっ♡ ひっ♡ はひっ♡ ふっ♡ ふひゅ♡ ……もっと、もっとお願ぁーい!」
***
「……ふ、ふん。ざこだけどなかなかやるじゃない♡ いいわ、それじゃあ、魔王をさっさと退治してきてね♡ 氷河期のクソざこお・じ・さ・ん♡」
上気した顔で身なりを整えるイザベルの言動から、すでに侮蔑だけではない何かが感じられるようになった。
どうやら俺はこのメスガキの女王様をわからせることができたようだ。
「あ、そうそう♡ 旅に出る前にそこにある宝箱を開けてもいいよ♡ あたしをこんなにしたおじさんへのご褒美♡」
そう言うとイザベルは玉座の脇にある重厚な宝箱を足で指し示した。
「あっ、陛下! その中身は……」
側にいた大臣が慌てて制止するよりも前に俺は宝箱を開けた。
中には苺柄のおパンツが入っていた。
「えっ? ちょ、そ、それはだめえええええ!」
イザベルは宝箱の中にはした金と薬草くらいしか入っていないとでも思ったのだろう。だがもう遅い。
俺はイザベルのおパンツを握りしめ、そそくさと謁見の間を後にしたのだった。
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