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【おまけ】 手紙
しおりを挟むいつもの時刻に、ブロロロローッと郵便屋さんのバイクの音。
その音は、『月神宿』の裏側にある、宿の従業員達が暮らす居住棟の入り口付近で止まると、次にその入り口から「鱗さぁ~ん、郵便で~すよぉ~」と、【名指しでご指名、ありありありざ~す☆】…な、俺の名を呼ぶ郵便屋さんのゆったりとした声。
郵便屋さんの来る時刻は、お昼の限定食の提供が終わり、一仕事終えた俺が昼の休憩を取る時と重なる。―― なので、俺はあらかじめ用意しておいた目の前のお盆の上に乗ったグラスに、冷たい麦茶を注ぎ、ついでに近くにある誰かさんからの海外出張のお土産の焼き菓子もお盆の上に乗せ、「へ~い」と返事をしながら居住棟の入り口へと向かう。
―― が、一歩踏み出すと、「うっ、鱗さんっ、今日は、私がお茶を持って行きますっ!!」と、背後から気合のこもった力強い声。
振り返ると、俺と同じ紺色の作務衣を身に纏った蘭ちゃんの姿――。
蘭ちゃんは、郵便屋さんのバイクの音を聞きつけて、急いでここに来たのだろう。―― 少し息が乱れている。
顔がほんのり赤いのは、走って来た所為ではなく、ちょいといつもと違うメイクの所為でもなく・・・・。
6月に入ってから、ここ『月神宿』で働き出した蘭ちゃんは、今、目下の郵便屋さんに恋をしている。
・・・就業初日に、居住棟の入り口で俺と郵便屋さんが談笑している所を見て、イケメン長身の彼に、一目惚れ・・・なのだそうだ。
一週間前に「恋愛相談に乗って欲しい」と言われ、その胸の内を明かしてくれた。・・・のだが…。
・・・実は、この、イケメン長身郵便屋さん、名前は雨歌(うか)君と言うのだけど。雨歌君は俺の一つ歳下の25歳。なんと、なんと、ななななんと、この雨歌くん、・・・ふっ、ふっ、ふっ。25年間誰とも経験無し…な、俺と同属、“童貞”である。
俺より拳一つ分高い身長。スラリとしたモデル体型。少し明るめの髪に、ちょいと吊り上がった猫目にバランスのとれた高い鼻と、薄い唇・・・性格も優しく、ちょいとおとぼけさん。絶対女の子にモテモテ。・・・なのに、“童貞”。
雨歌くんが郵便配達員として初めましてな4月から、配達の度に対応していたら雑談するようになって、何かのきっかけで恋バナになった時に(その時は日夏先輩と、また出会うとは思って無かったので…)恋人の存在を聞かれ、「居ない」と、ついでにウケを狙って「まだ童貞なんだ~」と軽く答えると、「……実は、女性が苦手なんです」と、同じ童貞属だと雨歌君から打ち明けられた。
そこから同属という事もあり、急激に仲良くなって、映画鑑賞という趣味も合って、最近では毎日のように顔を合わせるものだから、遊びに誘われたり、飲みに行こうと誘われたり、家に泊まりに来て欲しいと誘われたり・・・。
なかなか休みが合わなくて良い返事が出来なかったりするのだけど、それでも嫌な顔もせずに顔を合わせる度に俺を誘って来てくれる雨歌君は、俺にとっては大切なお友達―― 。
白森は、なぜか雨歌君の事が気に入らないみたいだけど…、きっと、“友達”の座を奪われると思っているんだろうな…可愛い奴め。
だが白森よ、最近、同属だった小鹿さんがお前の所為で卒業しちまったんだ、そんな傷心の俺に現れた心の友なんだよ雨歌君は。
・・・くっ、けれど、先月の事で、……俺は、もう……一生“童貞”を貫くと覚悟した身……。
小鹿さん然り、雨歌君然り、未来ある童貞達の卒業を暖かく、そして晴れやかに見送ってやる事が俺の役目なのかも…と、思っている・・・。
(遠い目)
「―― さん、鱗さん?」
―― ん?
この俺の名を呼ぶ声は・・・。
!!
おっといけねぇ~、ボーッと回想などしちまった。
ハッと我にかえり、振り向いた先の蘭ちゃんを見ると、お盆を受け取ろうと両手を差し出しポーズで首を傾げ、不思議そうな顔で俺を見ている…。
えぇーっと、確か、雨歌君に・・・お茶! そして手紙っ!!
―― って、その前に蘭ちゃん!
「あ、あ、うん。これ、雨歌君へ、蘭ちゃんにお願いするよ」
俺は持っていたお盆を蘭ちゃんに渡し、その背後につき居住棟の入り口で待っている雨歌君の元へと向かう。
俺の目的は郵便物の受け取り…だけだから、それを雨歌君から受け取ったら、「後は若い者同士だけで……」って事で、邪魔者の俺は消えるって作戦だ!!
(・・・それにしても、今日の蘭ちゃんは気合が入ってるな……)
目の前の小さな背中を見ると、少し緊張している事がわかる。
郵便物はいつも俺が対応してしまい、この時間の蘭ちゃんは別の仕事を任されているので、なかなかタイミングが合わず・・・。なので、今日が雨歌君と蘭ちゃんのファーストコンタクト。
・・・実は、俺、蘭ちゃんのこの恋を応援している。
―― なぜなら、蘭ちゃんの性格…というか、態度…というか・・・。
先月、5月下旬・・・蘭ちゃんと俺の間に色々な事があって、そこに日夏先輩も加わり、ちょっとした騒ぎになってしまった。
(……そこは、もう、和解しているので割愛するけど・・・)
そこから『月神宿』に一切姿を見せる事なく、蘭ちゃんの父親の酒屋の大将に聞くと、「部屋にこもりきり」―― だと聞いて心配していた所、6月1日に「新しいスタッフだよ~」と、紅梅さんに紹介された蘭ちゃん。
なんでも、紅梅さんと蘭ちゃんは電話で繋がっていて、俺が先輩に予約され仕事を休む事や、これから夏に向けて宿の前の川目当てのお客様が増えるという事で、スタッフ増員を思案していた紅梅さんが、蘭ちゃんに「お友達でいい子が居ないかな?」と聞いた所に蘭ちゃんが自ら立候補して、スタッフの一員として今日迎える事となった。―― とは、紅梅さんからの説明。
当初、男ばかりのスタッフの中に、女性が入る事の危険性を白森が指摘したが、「ここは、大切な人を裏切るようなバカな事をする人が居るのですか?」の、蘭ちゃんの言葉で一蹴。
この時の喋り方がいつもの庇護欲を誘うような甘い喋り方と違い、クールで、顔付きもキリリとしていて、一瞬、誰?と、俺の頭の中を【?】で埋め尽くした。
後に蘭ちゃんは、「ここの皆に私の本性知られているのだから、今更猫を被る必要はないでしょ?」と言っている。
あ、でも、紅梅さんはこの時ニコニコしていたから、猫被りの猫を脱いだ蘭ちゃんを知っていた……と俺は見ている。
―― とにかく、“猫”を脱いだ蘭ちゃんは、とても接しやすく、仕事の覚えも早く、すぐに俺たちの輪の中に溶け込んでいった。
薪割りなんて俺より早いし、割った薪を軽々運んで行くし…、そうかと思ったら細かい気遣いができ、宿の空きスペースに花を飾っていたり、お客様に出す料理の盛り付けも繊細で紅梅さんに褒められているし…。
雑談も面白く、地雷男の見分け方や、良い男の特徴などを俺にレクチャーしてくれる。
(なぜ、男の俺に?)
良い男の特徴の話しで、彼女の中では日夏先輩は今までに出会って来た男の中で一番良い男だそうで、特に顔が好みなんだとか…。俺が「趣味が悪い」と言うと、滅茶苦茶怒られた。
別に俺、……日夏先輩の事、顔ですっ、すすすすすす、す・・・き、になった訳じゃねーし。
それと、たまに白森と衝突する事があり、「白森くんって小鹿さんって恋人が居るのに、鱗さんに付き纏って・・・鱗さんは日夏さんのモノなのに、居ないからって調子に乗ってムカつく」と言っていたり、泊まりに来る予定だった日夏先輩が仕事の忙しさで宿泊のキャンセルをした時の俺の発言「別に、会いたくねーし」に、白森と声を合わせて「「強がり」」と言ったり・・・。
(本気で思ったんだぞ!)
この二人は仲が良いのか、悪いのか・・・。
―― って、話しがズレてしまったな・・・。
つまり、素の蘭ちゃんなら、「女性が苦手なんです」と言っていた雨歌君に合うんじゃないかと・・・。
性格もクールで、少々男勝りな面も見受けられるし・・・何より話しやすい!
・・・雨歌君も「人恋しいから慰めてくれる人が欲しい」って、真剣顔で言っていたし、ちょうど同じ時期に蘭ちゃんからも雨歌君に好意があると打ち明けられていた所で、これは良いのではないか?…と思い、蘭ちゃんの恋を応援する事にしたのだ。
―― ただ、蘭ちゃん・・・家族や俺たち以外の人に猫を被ってしまい、特にイケメンくんの前では超絶ブリブリぶりっ子になってしまうという特徴があり、俺のアドバイス「雨歌君の前では素のままで」を上手く発動できるかどうか・・・。
目の前を歩く蘭ちゃんの緊張がどう作用するのか……。
数歩歩くと居住棟の入り口が見え、そこに立っている雨歌君の姿も見える。
「鱗さぁ~ん!」
雨歌君は俺の姿に気付くと、いつものように手を振り、名前を読んでくれる。―― 小柄な蘭ちゃんには気付いてない?……様だ。
「いつもご苦労様、雨歌君」
「いえいえ、鱗さんに会える事が俺の唯一の楽しみなんですぅ」
さすが郵便配達員、お客を乗せるのが上手い。見習わなきゃな。
「ははっ、雨歌君はいつも嬉しい事を言ってくれるね。冗談でも嬉しいよ」
「そっ、そんな冗談では無く、俺は・・・。 あ! 手紙、今日も来てましたよぉ~」
「ど~ぞ」と言って渡された一通の俺宛の手紙を受け取ると、俺の役目はここで終了。後は若い者同士でって事で……。
「雨歌君、俺、今日は忙しくて相手ができないんだ。なので、今日はこの子、蘭ちゃんが雨歌君のお相手をするって事で、ゆっくりと話しをしながらお茶でも飲んで行ってね!」
俺は目の前の蘭ちゃんの肩をポンと優しく叩き、雨歌君にそう告げると、今貰った手紙を握りしめて早々とその場から離れ自室へと向かった――。
(頑張れ蘭ちゃんっ!!)
共有部屋の目の前にあるドアから、俺、小鹿さん、白森の個室が並ぶ通路へと入る。
(ちなみに、蘭ちゃんの部屋は居住棟では無く、宿側の調理場の隣に用意された)
俺の部屋は、一番手前で、ドアを抜けるとすぐに俺の部屋の入り口。
ポケットに入っている2本の鍵のうちの一方の鍵でドアのロックを解除し、ドアを開けると6畳ほどのフローリングの部屋に、布団が乱雑に敷かれたまま・・・。
この部屋には、この敷かれた布団とゴミ箱、窓枠に掛けられた3着の服、あと、最近増えた先輩の海外土産の変な置物と、海外のお菓子の空き缶以外何も無いので、やけに広く感じる。
小鹿さんと白森の部屋はオシャレなベッドとか収納棚が置かれ、実に部屋らしいのだが・・・。
俺にはセンスが無いし、物も少ないからこれで充分……だと思っていたが、日夏先輩がこの宿に宿泊する時はこの部屋を使うって話しになっているそうで・・・(ただでさえ予約が取れにくい宿なのに、先輩一人で金曜日・土曜日を一室独占するのは、予約待ちしているお客様に申し訳ないと言う事らしい。あと、キャンセルする事も考慮してとの事・・・)
……でも、あの豪華な客室と同じ金額で、この何も無い部屋って・・・しかも料理も賄いで良いって・・・。
紅梅さんは何度も日夏先輩に「お代は貰えない」って言ったけど、あの頑固者が聞くはずもなく……。なので仕方無く、先輩の宿泊中は俺がずっと先輩の側についてお世話をするって事で話しの折り合いが着いた、とか……。
・・・ねぇ、俺の意思は?
まぁ、それも6月下旬になった今でも実現して無いのだが・・・。
手紙では、『鱗に会いたい』なんて気色悪い事つらつらと書いて来やがる癖に、現実は、仕事が忙しいって、あれから一回も会ってないし、・・・いや、俺は……別に、会いたくもねーし・・・会うのが………………………………………………………………恥ずかしいし。
「………………………………クソッ」
俺は持っていた届きたての手紙の上部分をビリビリと乱暴に破ると、中の丁寧に三つ折りされた紙を取り出す。
「今日は2枚か・・・」
枚数が少ない事にホッとする。
平均5枚。最高10枚入った封筒パンパンな手紙を受け取った事があるのだが、5枚でも10枚でも、熱に浮かされた様な暑苦しい言葉で書かれた手紙は読んでいて正直むず痒くなる。
絶対夜中に書いているだろうって位、夜中マジックで内容がポエミー。
出だしは1日にあった出来事を綴っているのだけど、後半に行くに従って・・・俺の事ばかり書いてあって、毎回最後は『鱗に会いたい』で締めくくられている。
馬鹿じゃないかと思う。
恥ずかしい。恥ずかしいから後で燃やそうと思って、全部、お土産で貰ったお菓子の空き缶にしまっている。
毎日と言っていい程、(時には1日2通)俺宛に届くこの暑苦しい手紙の差出人は、もちろん日夏先輩。
この宿に電波は届いているのだが、電気が通っていない為、充電出来ないスマホはただの板に成り下がるって事で、俺はスマホを持ってはいない。
手っ取り早い連絡手段は、宿のフロントにある輪っかのついたレトロな黒い電話になるけど、俺は使い方がわからないし、第一、業務用のこの電話を長時間独占する様な非常識な考えは持ってはいないので、残された連絡手段として“手紙”を使う事にしたのだろう。
日夏先輩が。
先月、先輩が東京に帰った3日後に小さな小包が俺宛に届いた。
中を開けると、可愛いパンダ柄のレターセットと、馴染みのある綺麗な筆跡で俺の名前が書いてある白い封筒。
後、紅梅さんと、白森、小鹿さん宛の手紙も入っていた。
内容は、個々へのお礼が綴られていたそうで、三人とも喜んでいた。
で、この時の俺宛の手紙の内容は、俺を崇め奉るお礼・・・では無く、所謂、ラブレター・・・。砂糖の塊を無理矢理口の中に突っ込まれたって位甘ったるくて、読んでいて背中の冷や汗が止まらなかった。後は文通の申込み。
たいそう俺からの返事が欲しいそうで、パンダ柄のレターセットの封筒には先輩のマンションの住所と、そこまでの切手が貼られていた。
俺は一度も返事なんて返していない。
……だっ、だって、今更こーいうの、・・・恥ずかしいじゃん?
今回も胸焼けを覚悟しながら、数ミリの狂いもなく均等に三つ折りされた手紙を開いて読み始める。
内容はいつもの流れ通り、まずは1日にあった事が綴られて、次に甘く暑苦しい内容に入って、最後は『鱗に会いたい』で締め括られている。これが一枚目。
普段よりかなり短い文章だが、最後が綴られて終わっているのに、二枚目?
俺は床に一枚目を落とすと、二枚目に目を通す。
「…………………………え?」
内容は、『今週、金曜日に鱗を迎えに行くから――」と、紙の中央に一行だけの文章。
「今日が、水曜で、明日は木・・・」
―― って事は、明後日っ!?
「………………っ」
紅梅さんに知らせないと、と部屋から飛び出すと、共有部屋に抜けるドアの前に二つの影・・・。
白森が小鹿さんに覆い被されていて、深いキスをしている最中。
けど、俺がいきなり部屋から飛び出したから、それに驚いた二人は咄嗟に離れてしまった。
おいおい、白森よ、唇テラテラ濡らして顔真っ赤にさせて、可愛いじゃねーか!
小鹿さんも唇テラテラ濡らせて・・・うむ、表情はいつもと変わらず。
仲がいい事は良い事だけど、君達、キスぐらい今更だよ。
こっちは3日前、君達が風呂場で致している所に出会したんだから・・・。
あの後の白森の言い訳は面白かったな。
まぁ、お二人さんよ、風呂場で致すのは良いけど、排水溝が詰まらない様にキチンと後始末と、風呂場での行為は程々にしとけよ~!!
―― って、事で、付き合いたて熱々の恋人達の間を抜け、フロントの紅梅さんの元へ。
もうすぐフロントが見えるって所で歩みを止めて、一呼吸。
顔、顔、顔。普通普通~と、両頬をピシッと叩いて、フロントで書き物をしている紅梅さんの目の前へ。
紅梅さんは、俺の存在に気付き、書き物から顔を上げて一言「良かったね~」とニッコリ。
(チッ、日夏先輩のが一足早かったか・・・。あの人仕事中なのに良いのかよ、私用でスマホいじって・・・)
「今ね、先輩くんから連絡が来たよ。今週金曜日の事、鱗くんには手紙で伝えたって」
そう言うと、紅梅さんは俺が握ってる手紙を見て、
「鱗くんも知らせに来てくれたんだね~。ありがとう。お休みの事は蘭ちゃんが居るし、全然大丈夫だから、安心して楽しんで来てね!」
―― と、ニッコニコ。
くっ、紅梅さんのニコニコ攻撃。
俺も余りの攻撃力に屈して、ついついニコニコしてしまって・・・。
ちっ、ちちちち、違うっ!俺はニコニコなんてしたくなくて。
なんか、先輩に負けた気分。―― クソッ、あの野郎・・・。
今度会ったら・・・って、明後日会ったら覚えておけよ!!
そんな決意を胸にした俺に、紅梅さんからトドメの一言。
「鱗くん、嬉しそうだね~」
って。
ぐはっ。
何その会心の一撃!!
「こっ、紅梅さん、俺、全然嬉しく無いですからね!!」
俺の反撃は紅梅さんには一切効かず・・・。
「……っ」
……こっ、この悔しさは、明後日、日夏先輩で晴らす!!
そう決意し、明後日をソワソワと待ち侘びる俺であった。
―― 終わり ――
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