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【第10話】電気羊は配送のハコに入った
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ニ体は管理エリアを進んでいき、あっさりと搬入ゲートの近くまで辿り着いた。
管理エリアの警備は手薄だった。(廃棄エリアでもマップデータと警備データによって警備をすり抜けてきたからあまり関係なかったが。)
『さて、問題はここからですね。どうやってあの搬入ゲートを越えるか』
ウールの見つめる先、搬入ゲートには搬入・搬出作業用ロボットが複数台いるほか、警備が2体配置されていた。
『ここは俺に策がある。ここまでお前におんぶに抱っこだったからな。ただ一つだけ問題がある』
フープティが目を細めながら言った。
『その問題とは?』
『ウール、お前擬態とか、もしくは最悪身を小さくすることとかできないか』
『擬態であれば風景に同化する「迷彩モード」がありますが。有効範囲は人間相手なら3m以上、ロボットなら10m以上です』
『や、それじゃあダメだ』
フープティは首を振った。
『教えて下さい。策というのは何なんです?』
『ああ、そうだな。作戦の内容はだな、……』
フープティが作戦の概要をウールに説明した。
すると、ウールはバッと顔を上げて言った。
『そういうことなら使えそうな機能があります』
『なに、聞かせてくれ』
ウールはフープティに自分の思いついたことを話した。フープティは頷きながら聞いて、聞き終わると『よし、それでいこう』と言った。
二人は準備に取り掛かった。
♢♢
搬入ゲート前では荷の積み下ろし作業と、搬出物の積み込み作業が行われていた。
それぞれの荷物の中は作業用ロボットが中をチェックする。
ある作業用ロボットが登録のない荷物を発見したので、その荷物の個別チェックに入った。
搬出用ボックスのICタグを見てみると品目は「再利用品」と書かれていた。
作業用ロボットは確認のために蓋を開けてみた。
中には確かにロボット一台分くらいのバラバラのパーツと、それを保護するための緩衝材が入っていた。
緩衝材がやけに多いように思われたが、それ以外に不審な点はない。送り先はこれまでの搬出記録にも登録があるロボット修理業者になっていた。
搬出用ロボットは蓋を閉め直し、積荷を搬出用のトラックに積み込んだ。
♢♢
搬出用トラックの箱の中、走行音で多少の声は聞こえないだろうとフープティは声を出した。
『上手くいったな、ウール』
箱に充満している羊毛の中で、ウールも返事をした。
『ええ、作戦を聞いた時には驚きましたが』
二体は遂に廃棄場から脱出したのだ。
『驚いたって言うなら、お前の今の状態の方だろ』
彼らは今ふだんと全く違う姿で箱に詰められていた。
まずフープティは自分のボディを可能な限り分解した。『改造しまくってツギハギだらけだからできる技だ』とは本人の談。
そして遂には20を超えるパーツに自分を分解してしまった。(それでも喋れているのがウールは不思議だった。)
そしてウールはウールで「完全防御モード」というのを使って、亀が甲羅に隠れるみたいに頭と手足を全て羊毛の中に仕舞ってしまった。
この状態のウールははたから見たら巨大な白い毛玉だった。
手順としては、ウールが自分の上にフープティのパーツを乗せ、そのまま箱に入って蓋を閉めた後、箱の中で「完全防御モード」になったら、脱出用のカモフラージュが完成というわけだ。
箱の中でニ体は話し続けた。
『ここから配達先として指定した場所にはまだまだかかるはずだ。折角だからもうちょっと目的地の近くまで運んでもらおう』
『では、私はしばらくスリープに入ります』
『おう』
ウールは眠りについた。
もう少しでミラに会えると思うとウールの感情回路は「胸がいっぱい」というような気持ちになった。
♢♢
管理エリアの警備は手薄だった。(廃棄エリアでもマップデータと警備データによって警備をすり抜けてきたからあまり関係なかったが。)
『さて、問題はここからですね。どうやってあの搬入ゲートを越えるか』
ウールの見つめる先、搬入ゲートには搬入・搬出作業用ロボットが複数台いるほか、警備が2体配置されていた。
『ここは俺に策がある。ここまでお前におんぶに抱っこだったからな。ただ一つだけ問題がある』
フープティが目を細めながら言った。
『その問題とは?』
『ウール、お前擬態とか、もしくは最悪身を小さくすることとかできないか』
『擬態であれば風景に同化する「迷彩モード」がありますが。有効範囲は人間相手なら3m以上、ロボットなら10m以上です』
『や、それじゃあダメだ』
フープティは首を振った。
『教えて下さい。策というのは何なんです?』
『ああ、そうだな。作戦の内容はだな、……』
フープティが作戦の概要をウールに説明した。
すると、ウールはバッと顔を上げて言った。
『そういうことなら使えそうな機能があります』
『なに、聞かせてくれ』
ウールはフープティに自分の思いついたことを話した。フープティは頷きながら聞いて、聞き終わると『よし、それでいこう』と言った。
二人は準備に取り掛かった。
♢♢
搬入ゲート前では荷の積み下ろし作業と、搬出物の積み込み作業が行われていた。
それぞれの荷物の中は作業用ロボットが中をチェックする。
ある作業用ロボットが登録のない荷物を発見したので、その荷物の個別チェックに入った。
搬出用ボックスのICタグを見てみると品目は「再利用品」と書かれていた。
作業用ロボットは確認のために蓋を開けてみた。
中には確かにロボット一台分くらいのバラバラのパーツと、それを保護するための緩衝材が入っていた。
緩衝材がやけに多いように思われたが、それ以外に不審な点はない。送り先はこれまでの搬出記録にも登録があるロボット修理業者になっていた。
搬出用ロボットは蓋を閉め直し、積荷を搬出用のトラックに積み込んだ。
♢♢
搬出用トラックの箱の中、走行音で多少の声は聞こえないだろうとフープティは声を出した。
『上手くいったな、ウール』
箱に充満している羊毛の中で、ウールも返事をした。
『ええ、作戦を聞いた時には驚きましたが』
二体は遂に廃棄場から脱出したのだ。
『驚いたって言うなら、お前の今の状態の方だろ』
彼らは今ふだんと全く違う姿で箱に詰められていた。
まずフープティは自分のボディを可能な限り分解した。『改造しまくってツギハギだらけだからできる技だ』とは本人の談。
そして遂には20を超えるパーツに自分を分解してしまった。(それでも喋れているのがウールは不思議だった。)
そしてウールはウールで「完全防御モード」というのを使って、亀が甲羅に隠れるみたいに頭と手足を全て羊毛の中に仕舞ってしまった。
この状態のウールははたから見たら巨大な白い毛玉だった。
手順としては、ウールが自分の上にフープティのパーツを乗せ、そのまま箱に入って蓋を閉めた後、箱の中で「完全防御モード」になったら、脱出用のカモフラージュが完成というわけだ。
箱の中でニ体は話し続けた。
『ここから配達先として指定した場所にはまだまだかかるはずだ。折角だからもうちょっと目的地の近くまで運んでもらおう』
『では、私はしばらくスリープに入ります』
『おう』
ウールは眠りについた。
もう少しでミラに会えると思うとウールの感情回路は「胸がいっぱい」というような気持ちになった。
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