平熱

チタン

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平熱

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「ねぇ、そろそろ起きたら?」

 その声で目が覚める。
ハッと時計を見ようとしたけど、そうか、今日は土曜日だった。
 そんな様子を見て、君はまたソファの方へ戻っていった。
 
 君はなんだか素っ気ない。まあ毎日アツアツも疲れちゃうけど。
 いつからだろう、こうやって一緒にいるのが普通になったのは?

 むかしは映画や小説みたいな、燃えるような恋愛
に憧れたんだけど。いや、今だって少し憧れるんだけど。
 いつからだろう、夢みたいな望みを口に出さなくなったのは。

 なんとなくソファにいる君を見た。
 こちらに背中を向けて、きっと携帯ゲームか何かに夢中なんだろう。

 そんな君を見ていると、少しさっきの疑問が解けた気がした。
 そうだ、君といる「普通」が今は愛しいんだ。

 燃えるような恋じゃないけど、心がはやる微熱でもないけど。
 この「平熱」の温度が何より心地いいんだ。

 だから、きっともう燃えるような恋を望むことはないだろう。君といることが何より大切だから。
 
 どうしよう、もう少し寝ていようかな。でも、そろそろ君に怒られそうだ。
 今から顔を洗って着替えが済んだら、今日は君とどこかへ出かけようかな。
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