9 / 33
【第1章】異世界転移
【8話】方針会議
しおりを挟む
「では、これより〈迷宮〉攻略について具体的な話をしていきます」
「待ってました!」
フレッドが勢いよく言った。どうやら本当にこの状況を楽しもうという腹づもりらしい。
「では、兵士長」
「はっ!」
昨日最後に話していた鎧の大男は兵士長だったようだ。兵士長は覇気の良い返事を返すと、王に促されて俺たちの前に立った。
「私は勇者様方の支援を一任されたクライフ・ランドルフ兵士長であります。貴殿らの戦闘における装備、支援兵など諸々を管轄致します」
王様に魔術顧問に兵士長、か。このペースで増えていくと名前を覚えきれないな。どれ。
試しに視界の右下で指を下に弾いて、「ウィンドウ」から「ステータスバー」を表示してみると兵士長の頭の上に、
〈クライフ・ランドルフ[兵士長]〉
というネームタグが表示された。ありがたい。
「それではあとの具体的なお話は兵士長に一任します。よいな、兵士長」
「はっ、仰せのままに」
そう言うと王様や臣下たちはそそくさと大広間を出て行った。
「では、勇者様方はこちらへ」
兵士長に連れられて「戦略会議室」という部屋に通された。カレンともう一人若い兵士も一緒だった。
「さっきと比べるとちと狭いですが、ここなら地図もあるし話がしやすいでしょう。どうぞお掛けください」
俺たちは座った向かいに兵士長が腰掛けた。あとの二人は兵士長の後ろに立っている。
「まずご紹介します。こちらがニック・ホフマン小隊長、若手のなかでの選りすぐりを選びました。そしてもう一人はもう紹介は要りませんね。カレン・エマーソン特別任官、治癒魔術を使わせたら王国一です。現在より勇者様にはホフマン小隊並びにエマーソン特別任官と同行していただきます」
後ろの二人が敬礼をした。俺たちはぺこりと会釈を返す。
「さて、来たる1週間後、我々は8年ぶりの迷宮遠征に臨みます。それに際して勇者様方には、迷宮攻略の準備をして頂きたい」
「その準備というのは?」
「まず武器や防具の選定からでしょう。今現在、お二方は何の武器も持っていない。王国で用意できる最高のものを用意させていただきます。何なりとお申し付け下さい」
「おお! そりゃありがたい!」
「しかし、私もホフマンも兵士として他の仕事があります。ですので基本的には特別任官として着任しているエマーソンをお二人との窓口とさせて頂きますがよろしいですかな?」
「ええ、それは勿論構いませんが」
「では、武器が選べたら早速、北の渓谷の方まで出て実践演習をしましょう。まあフェニックスを倒した程の方々なら無用の事かもしらませんがな」
兵士長はそう言って「ハッハッハ」と豪快に笑った。
この状況を楽しんでいるフレッドに少し感心していたが、俺もそれらしくなってきた展開に少しワクワクし始めていた。
♢♢
「待ってました!」
フレッドが勢いよく言った。どうやら本当にこの状況を楽しもうという腹づもりらしい。
「では、兵士長」
「はっ!」
昨日最後に話していた鎧の大男は兵士長だったようだ。兵士長は覇気の良い返事を返すと、王に促されて俺たちの前に立った。
「私は勇者様方の支援を一任されたクライフ・ランドルフ兵士長であります。貴殿らの戦闘における装備、支援兵など諸々を管轄致します」
王様に魔術顧問に兵士長、か。このペースで増えていくと名前を覚えきれないな。どれ。
試しに視界の右下で指を下に弾いて、「ウィンドウ」から「ステータスバー」を表示してみると兵士長の頭の上に、
〈クライフ・ランドルフ[兵士長]〉
というネームタグが表示された。ありがたい。
「それではあとの具体的なお話は兵士長に一任します。よいな、兵士長」
「はっ、仰せのままに」
そう言うと王様や臣下たちはそそくさと大広間を出て行った。
「では、勇者様方はこちらへ」
兵士長に連れられて「戦略会議室」という部屋に通された。カレンともう一人若い兵士も一緒だった。
「さっきと比べるとちと狭いですが、ここなら地図もあるし話がしやすいでしょう。どうぞお掛けください」
俺たちは座った向かいに兵士長が腰掛けた。あとの二人は兵士長の後ろに立っている。
「まずご紹介します。こちらがニック・ホフマン小隊長、若手のなかでの選りすぐりを選びました。そしてもう一人はもう紹介は要りませんね。カレン・エマーソン特別任官、治癒魔術を使わせたら王国一です。現在より勇者様にはホフマン小隊並びにエマーソン特別任官と同行していただきます」
後ろの二人が敬礼をした。俺たちはぺこりと会釈を返す。
「さて、来たる1週間後、我々は8年ぶりの迷宮遠征に臨みます。それに際して勇者様方には、迷宮攻略の準備をして頂きたい」
「その準備というのは?」
「まず武器や防具の選定からでしょう。今現在、お二方は何の武器も持っていない。王国で用意できる最高のものを用意させていただきます。何なりとお申し付け下さい」
「おお! そりゃありがたい!」
「しかし、私もホフマンも兵士として他の仕事があります。ですので基本的には特別任官として着任しているエマーソンをお二人との窓口とさせて頂きますがよろしいですかな?」
「ええ、それは勿論構いませんが」
「では、武器が選べたら早速、北の渓谷の方まで出て実践演習をしましょう。まあフェニックスを倒した程の方々なら無用の事かもしらませんがな」
兵士長はそう言って「ハッハッハ」と豪快に笑った。
この状況を楽しんでいるフレッドに少し感心していたが、俺もそれらしくなってきた展開に少しワクワクし始めていた。
♢♢
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
9
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる