幸せ

明太子

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幸せ

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最初から、あなたの幸せしか願っていないから……





本当はもうずっと前から分かってたの。
あなたがどれだけあの子のことを好きなのか。
だってずっと隣で見てたんだよ、気づかないはずがないでしょう?

ずっと隣にいたのに、私には勝ち目なんて最初からなかった。それもずっと分かってて、だけど私には見ていることしか出来なくて。


あなたが恋に落ちていくところを見ながら、私はずっとあなたに恋をしていたの。あなたはなんにも気づかないで笑ってたね。ずっと見てたんだよ、知らなかったでしょう?





最近あなたはあの子の話ばかりしてるよね。私が一番聞きたくない話。
辛いはずなのに、なんで聞き続けちゃうんだろう、あなたに会えなくなるよりはまだ少しだけましだからかな。


私が聞きたかったのはね、終電の時間でもあの子の悪口でもなくて。
あなたに会える今日のために切ってきた前髪気づいて、似合ってるよって、一言言って欲しかっただけなんだ。




こんなに好きになってしまう前に、どこかで止めればよかったかな。

だけど、私が選んで、それを望んであなたに恋をしたんだ。
叶わなくたって、気持ちが伝えられなくったって、あなたを好きだと思うこの気持ちを大切にしたいの。ほんとだよ?



あなたに会いたくて、でも横にいても辛くなってしまうのはなんでだろう。

あの子より私の方が、ずっと先にあなたのことを好きになったのにな…


でも、私があなたのことを好きなぐらい、あなたがあの子のことを想ってるなら、私じゃやっぱりだめなんだね。




最初から、私はずっとあなたの幸せしか願っていないから。
それがたとえ私じゃなかったとしても、ちゃんと最後には、この気持ちがあなたに見つかってしまわないように横からあなたの背中を押してあげる。

あの子のこと、誰よりも幸せにしてあげてね。



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