こいつ弟の彼女だから【R18】

まきします

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姉妹誘惑のお宿編

今日から徹さんの彼女になります

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 ちょっとこれは……鼻血が出そうです。
 年がいもなく、俺はごきゅっと唾を飲みこんだ。
 まぶしいくらいの背中と色気の強いお尻。寝台に寝そべった茜ちゃんは、隠しもせずにそんな姿を見せてくれたんだ。

 ぴったりと閉じられた太ももから始まる線は豊かな桃尻まで伸びており、その瑞々しい肌できっと俺を殺しにかかっているんだと思う。
 豊満なお尻の生み出す輪郭を、きっと全ての男子が撫でまわしたいと願うだろう。
 そしていま、俺にはその権利がある。マッサージをしていいよと彼女が言ってくれたんだ。内心で「やったぜ」というガッツポーズを三回くらいした。万歳もした。

 しかしこれは大変なことになりそうだ、とマッサージ器具を触れながら思う。ちょっと前まで童貞だったのだし、性欲むき出しのいやらしい触り方にならなければいいんだけど。
 そう思い悩む俺に、まだ学生の女の子が横目で見つめている。その彼女が揃えたつま先を持ち上げて「は、や、く」と言うようなリズムで揺らして誘うのだ。ただでさえ夢中なのに、これからとどめを刺されてしまう気がしてならない。

「お兄さん、お付き合いをするかどうかは、このマッサージで決めます」
「え? どういう意味?」
「だから、私との約束を守れる誠実な人かどうか、お兄さんの人となりを見てから決めようかなあって」

 頬杖をつき、凶悪としか思えない豊かな谷間を見せつけながらにこりと笑われた。その笑みは「頑張って」と挑発されているような気さえする。
 つまりはエッチを我慢できたら結婚を前提にお付き合いをしてくれるという意味、なのかな?
 いつもの俺なら「そんなのずるい」と悲鳴をあげていただろうけど、昨夜はたっぷり愛し合っている。ふっと笑みを返す余裕があった。

「じゃあちゃんと誠意を見せないといけないな。茜ちゃん、疲れているだろうから眠くなったら寝ていいからね」
「あら、そうですか。ふーん、まあ、そういうことなら……」

 むすっと一瞬だけ不満そうな表情を見せてから、彼女は両手の上にあごを乗せる。
 あれ、どうして不満そうなんだろう。言いつけ通りの態度をしたはずが、彼女はいかにも不服そうだ。やっぱりこの年頃の子は難しい。
 どうしたものかと悩みつつ、なるべく落ち着いた声で話しかけた。

「えー、担当させていただくのは私、伊勢崎 徹です。よろしくお願いいたします」
「はぁい、先生」

 くつくつと笑われて、脇の下からこぼれ落ちた真っ白い横乳もやわらかそうに揺れる。たったそれだけで俺のアソコは半勃ちにされてしまう。
 あーあ、どうやったらこんな魔性の女子高生が育つのかなぁ。やっぱりお母さんもすごいのかね。そう思いながら真っ白なお尻に触れていった。

 ぞくっとしたよ。
 吸いつくような肌だったし、今すぐにでもむしゃぶりつきたい欲望をはっきりと感じたんだ。先ほど約束しておきながらこれだ。油断をすれば……いや、油断せずとも骨抜きにされておかしくないと俺は唸る。
 さりげなく深呼吸をして、気を落ち着かせてから撫でてゆく。

 ぬるんとした感触と、乳房のようにやわらかく沈む柔肌。ぴくくと背筋に沿って細かな痙攣をして、肺に溜めた息を彼女はゆっくりと吐き出してゆく。
 その震えを追うように、背筋へと良い香りのするオイルを塗り広げてゆくと、ふうっ、と艶かしい息を彼女はひとつする。それから俺を見あげてきた。

「あ、ココナッツのいい香り。お兄さん、実は私、すごく肩こりなんです」
「ここでは先生と呼ぶようにね。おほん、そうですか。茜さんは胸が大きいから背筋と首に負担があるのでしょう」

 どうせなら役になりきったほうが面白いよ。そう視線で誘いかけると、彼女は色づいた唇に笑みを浮かべる。細めた瞳はまるで悪戯好きの子猫のようだ。
 そしてなりきる遊びを楽しむべく、他人に語りかけるような声色で茜ちゃんは喉を震わせた。

「先生、どうして男の人って胸が好きなんですか? 彼ったら、ダメだと言ってもしつこく触るんです」
「男性はみんなそうです。でも本当に嫌がったら彼は触らないと思いますよ」
「じゃあ先生もお好きなのです?」
「もちろんもちろん。でも今は仕事中なので、よこしまな気持ちは一切ありません」

 ふうん、とつま先を揺らしながら彼女は思わせぶりにつぶやく。
 きっと挑発的なことを言いたかったのだろう。しかし、ぬるぬるのオイルを広げながら肩をグッと掴むと、彼女は「そこです」という、か細い声しかあげられなかった。

 ぐ、ぐ、とコリをしばらく揉みほぐしてゆきながら、ふと思う。
 指を離すと彼女はゆっくりと息を吐き、そして再び触れると息を止め、大人しく指の刺激を受け止めてくれる。

「お兄さん、うまい、かも……!」

 望んでいる場所に、望んでいるよりも気持ちいい刺激を与える。
 その行為はふと思い返すものがあった。それは熱帯夜の出来ごとであり、彼女の身体を奥深くまで知ることができたと感じる夜だった。

 緊張と弛緩。
 女体の神秘がそこにあると悟り、あの夜は絶え間ないオーガズムを生み出した。
 気丈なはずの彼女をとろとろに溶かし、そしてあの夜は深く深く「繋がった」と感じた。だからこそ茜ちゃんはいまこの場にいて、無防備に裸体を預けているんじゃないか?

 そういうことか、と思った。

 ついさっき一瞬だけ見せたつまらなそうで残念そうな表情は、実は俺に求めているものがあったんだ。
 そしてこれこそが恋人という関係づくりなのだと、誰からも言われずに悟ってゆく。

 つい先ほど、唐突に訪れた別れの気配に俺と茜ちゃんはまだ怯えている。今はそんな脆い関係なんだ。簡単なことでヒビ割れて、ぱっと割れてしまいかねないほどに。

 なぜ彼女は誘惑してくるのか。
 それはもう決して離れないように、くさびを深く打ち込みたかったんだ。何度でも何重にでも。手間を惜しまず罠を張り巡らせるのはしたたかだと思うけど、呆れたりなんてしない。むしろ色とりどりのお弁当箱を用意してくれるみたいですごく嬉しい。

 恋人になることがゴールじゃないんだなと思った。
 ちゃんとした恋人同士になれるよう関係を深めることが大事なんだ。
 そして俺もまた彼女から夢中になって欲しい。寝ても覚めても俺のことを想い、授業のあいだ、教科書を唇に当てて熱っぽい吐息を漏らして欲しい。

 そう己の欲望を強く感じながらトロリとしたオイルを手にかけてゆく。
 くちくちと音を立てながら指に絡めていると、彼女の大きな瞳と目が合った。気づかなかったけど、この瞳はいつも誘っていたんだ。二度と離れないくらいの関係になれるように。
 では、安心して喧嘩できるようになるまで、互いにくさびを打ち込み合おう。何度でも。

 ぐりりと肩のコリを掴みながら、だんだんと彼女の呼吸を操作し始めてゆく。
 あの夜に感じた緊張と弛緩。それをさりげなく繰り返させて、真っ白な背筋の動きを指先で感じ取る。

「うっ、おに、さん……」

 ねりねりと背筋に指をかけてゆく。ほんのわずかに乳房の端を触れながら。
 同じ動きを繰り返し、だんだんと熱を高めてゆくそれはバレエ曲のボレロとよく似ている。
 あの単調とさえ思える旋律には、実は2つのメロディーが混じっており、なんてことのない男女がめぐりあったときのように、絶え間ない螺旋として駆け上がる。
 さて、行き着いたその先にはなにが待ち受けているのだろう。時限爆弾のようなカウントダウンを、女子高生の瑞々しい身体に植えつける気分だった。

 ふ、ふ、と次第に呼吸は早く浅くなる。
 心地よいアロマの香りはこの上なくリラックスを誘い、瞳をとろんとさせている。その隙に背筋や腰を撫で、そして痛いと思う直前まで押すことで呼吸をコントロールする。もちろん会話も欠かさない。

「ここはリンパ腺があるから、少し強めに押しますね。茜さんのコリは深いですから」
「え、ええ、はい、お願いしま、す……!」

 ずぶずぶとお尻と腿の境目に指を埋めていく。
 垂らしたオイルは尾てい骨に当たり、お尻の線に吸い込まれ、そして敏感なところを撫でていく。
 ぶるっと裸体が大きく震えたのを見て、それと同じくらいの強さで太ももからお尻にかけて指で押す。
 目の前でオイルに濡れた尻穴がひくくと震えた。

「せ、先生、こ、これマッサージですか? こういうものですか!?」
「そうですよ。みんな同じことをしていますし、老廃物を流すと元気になるんです。ほら、身体が温まってきたでしょう?」

 ぴくぴくと裸体を震わせながら、オイルとはまた違う粘液がお尻のあいだを流れていく。隠したいのかさりげなく内股になり、ぴったりと太ももを閉ざしているところに俺は手を伸ばす。

「では太ももから足首にかけて揉んでいきます。さ、足を開きますね」
「やあっ、待ってっ、開いちゃ……だ、めっ……!」

 ぬちゃあ、と溜まっていたオイルと粘液がこぼれていく。その熱が敏感な太ももの内側を伝ってゆき、だめぇと再び漏らした声はかすれていた。
 もうはっきりと分かっている。彼女の蒸れてとろけた陰部を見るまでもなく、身体の内側から溶けかけていることを。
 はああ、と茜ちゃんは熱っぽい息を吐く。そして俺はというと業務的な落ち着いた声で話しかける。

「ここなんですよ、リンパ腺は。もし痛かったら言ってください」

 太ももの内側、足の付け根にある筋を、指で痛いと思う直前まで押す。こうして緊張と弛緩を繰り返し与えて、身体の芯から熱を発するようにしてあげたい。

 敏感なところに触れるのはときどきでいい。ぬるんと優しく指の背で尻穴を撫でると、彼女はビクッとお尻全体を震わせてくれる。
 あうう、あうう、とすすり泣くような切ない声が響くようになってきた。裸体には玉のような汗が浮き、たらたらと輝かしい柔肌を伝い落ちていく様子には、やはりただの女子高生の持つ色気とはとても思えなかった。

 そうして俺からコントロールされていることを彼女は自覚しだす。刻一刻と頭が真っ白になるようなあのオーガズムに誘導されているのだと。

 懸命に身をよじって俺を見つめてきたのは、きっと疑問を浮かべたのだろう。もしや、このまま敏感な場所に触れないままオーガズムをさせる気では、と。
 俺がくすりと笑いかけると、茜ちゃんは己に仕掛けられた時限爆弾のカウントダウンに気がつく顔をした。

「大丈夫ですよ。老廃物を流すことで身体が軽くなります。恥ずかしがらずたくさん汗を流して、気持ちよくなってください。気持ちいいのは健康に近づいている証拠です」

 両の親指でお尻を支え、ぐぐぐとそこを押しながら囁きかける。
 彼女は押し出されるように息を吐き、握りしめていた指の力を抜くと息をゆっくり吸う。そのあいだに子宮の真上であるお尻の高い位置をぐりぐりと撫でてやると、呼吸は浅く早いリズムに変わりゆく。
 先ほどよりも感度が高まっていることを覚え、彼女はたまらず腰をクネらせていた。照りのある柔肌を絶えず揺れさせる仕草は、冷静であるはずの俺でさえ脳が溶けかけるほどいやらしかった。

「……では仰向けになりましょう。タオルをかけてもいいですよ」

 ぼやっとした瞳が見あげてきた。
 半ば眠りについたようであり、たぶん意識はほとんど残っていない。こくんと頷いたのも、たぶん反射的なものだろう。
 生まれたての子鹿のようにぜんぜん身体に力が入らずに、ずるっと足を滑らせかける。支えるため腰に手をかけただけで、敏感な裸体はビクンとひとつ震える。そしてどうにか上半身を起こすと……ようやく彼女は羞恥した。

「あ…………」

 どろっどろだった。
 オイルと己自身の愛液によって寝台は色が変わるほどであり、しとどに濡れそぼるものを目の当たりにしたんだ。女子高生なら恥ずかしがるだろう。
 ずっとお尻の上を押していたから分かる。絶えず子宮は蠕動のように蠢いて、いつの間にか子作りをしたがっていることに彼女も気づいた。

 絶えず小刻みに震えるアソコを見て、ほうっと彼女は熱っぽい息を吐く。そして緩慢な動きでタオルで裸体を隠すと、大きな瞳で見あげてきた。

 まるで星が降るような夜だと思う。
 彼女の瞳にはたくさんの光が宿っており、俺はいつだって見とれてしまうんだ。きっと彼女もそのことを知っているから、じっと見つめてくるのだと思う。

 その濡れた唇を彼女は閉じられない。ふっふっと絶えず吐息を繰り返し、粘液質な唾液をとろりとまとわりつかせているのだから。
 頬は先ほどよりずっと赤く、ぺたりと張りついたタオル越しに強い色気を発していた。
 その彼女がじっと見ているのは隆起した俺のペニスだ。
 真っ直ぐにそそり立ち、禍々しささえ感じるはずの造形をしているというのに茜ちゃんは熱い呼吸をしたまま目を離せない。

「ではオイルを塗りますね。コリのある乳房を中心に、時間をかけて揉みほぐします」

 そう声をかけて、頬にアレが触れてしまいそうな距離に立ち、ぴゅっぴゅっと胸の谷間にアロマオイルをふりかける。
 どろりとした熱いものがバスタオルのなかを垂れてゆき、なにかを連想したのだろうか。切なそうな息とともに、もじりと太ももをこすり合せる姿はとても性的な動きだった。

「せ、せんせ、せんせえ……はウッ!」

 うわずった声が途中で跳ね上がる。
 やわらかな乳房の輪郭に手をかけただけで、ぞくんっという衝動を彼女は覚えたんだ。
 俺の腕に手をかけて、その指先がふるふると震えている。そして俺がじっと見つめているのは、ふっくらとした胸の先端であり、すごくエッチな形になろうとしているものだ。

 そこに強い視線を感じたのだろう。
 下半身にまるで力が入らず、緩慢な動きで身をクネらせながら、うっすらと透けた先端がとてもエッチだと彼女自身も自覚する。
 ぎゅ、と指で握られたのは、その先端を摘もうとする手の動きを見たからだ。いま触られたらエッチな声が出てしまうと予感をして、けれど俺の手は素通りする。焦らしてやり、期待をさせて、そうすると乳頭は先ほどよりも形をはっきりとさせてくれるからだ。

 タオルの下に潜り込み、乳房を下側から支えてゆく。
 ねちゅ、と音を立てて親指を擦りつけると、痙攣が彼女の腹部で起こる。衝動をこらえるように片方の太ももを持ち上げて、俺の腕を掴んだままずるずるとタオルがはだけていった。

 バレエ曲ボレロにはエネルギーで満ちている。
 大して音楽を知らない俺だって、フィナーレを迎えるその瞬間まで耳を傾けてしまう魅力があり、音楽の持つ力というものを教えてくれる。
 そのどうしようもなく夢中になってしまう流れを意識して乳房を揺すると、快楽の波を彼女は感じ取る。

 乳頭をタオルがこすったのはたまたまだ。しかしそんな息を吹きかける程度の刺激にもかかわらず、彼女は仰け反って全身をピクピクと震わせる。
 つま先をピンと伸ばし、そしてようやく呼吸を許されたときにはオイルを乳頭の先端に垂らされる。
 ぱくぱくと何度か唇を動かしてから、ようやく彼女は声を出すことができた。

「まっ、まっへ、先生、これ、これはなにをしてるんですっ!?」
「ただのマッサージですよ。茜さんはとてもコリがあるから、揉みほぐされるとすごく気持ち良く感じるんでしょう。それで、こっちの特別コースのマッサージもあるんですが……」

 こっち、という言葉と一緒に指先へオイルを絡ませる。ぼんやりしていた瞳の焦点がそこに合い、呼吸は少し早くなる。
 ただそれだけの仕草で淫猥なものを感じ取ったのか、もじっと腰をクネらせて、わずかに太ももを開いて見せたのは本能的なものだろうか。

 いや、ふっと笑みを浮かべた彼女は満足そうでもある。そしてたおやかに伸ばされた手は俺の首をつかみ、引き寄せられるとすぼめた唇を押し当てられた。

 熱かった。
 ふっくらとした厚みのある唇はたくさんの唾液で濡れていて、絡みつくと彼女の匂いと味を教えてくれる。ドキッとしている俺にもう片方の腕も絡みつくと、合わされた唇の奥から粘液まみれの舌が舐めてくる。

 フーフーと鼻で息をするしかない。
 密着しきった唇と、ぬるぬるの舌から舐められて、その体温から離れられない。気がついたら頭を撫でられていたし、薄目の茜ちゃんと見つめ合い、頭がジンとするほど甘い舌を吸いあっていた。
 ちゅ、と下唇を食まれてから熱い唇は離れた。

「溶けそう、徹さん。いいわ、このまま私を溶かして」

 片方の乳房をはだけさせたまま、陽の光をさえぎるほど近くから彼女は望んでくれる。
 そしてゆっくりと太ももが開かれてゆくのを見て、半裸の身体に覆いかぶさりながら俺はささやきかける。

「ただのマッサージです。いやらしいことじゃありません。ね、茜さん」
「もう、最初からいやらしかったくせに」

 くすりと笑われた。
 再び唇を重ねるのと、彼女の一番敏感なところに触れるのは同時だった。びく、と唇は震えていたし、彼女の瞳はだんだんとろけていく。
 もう見なくても分かるんだ。熱くってぬるぬるで、指をはじきかえすような瑞々しいあそこは、オイルにまみれたものを飲み込んでくれる。

 ぬっぽりとまとわりつく。
 肉厚なものに指を咥えられて、左右から壁が挟んでくる。ちゅうと吸われている気さえするのは、たぶん子宮の仕込みを終えているからだろう。
 ぬりぬりと上側を押しながら挿れてゆくたびに密着した唇はわななく。そしてたっぷりのオイルごと二本目の指を挿れていくと、口づけをしている唇はわなないた。

「あ、う、う……ッ!」
「気持ちいい、茜ちゃん? ほら、ここを押すとすごく溢れる。茜ちゃんの恥ずかしい液体がどんどん出てくるよ」
「ば、か……っ! あ、あ、そこ、そこだめ……!」

 ひくん、ひくん、と腰が上下に揺れて引きつる。
 甘イキを繰り返しており、その気になればすぐに達することのできる状態だ。でも今じゃない。がっしりと俺を掴み、ぼーっとした瞳に変わりつつある通り、全神経をおまんこに集中させてゆく途中なんだ。
 もっと気持ちよくなるように、おまんこのことだけしか考えられないように、とろっとろっと溢れてくる愛液を感じながら、じっくりと単調に刺激を与え続ける。

 そうして初めてグッと天井を強く押すと、寝台がギシィと鳴るほど彼女の身体は痙攣してくれる。

「あッ、そこ……っ! そこ、なんです……っ!」

 ぱくぱくと唇を動かす茜ちゃんをじっと見つめながら、ごくわずかに指を動かす。強く押し、そのまま前後に動かすんだ。
 はた目から見たら地味な愛撫だと思う。しかし当人はというと快楽の波を正面から浴び続けている最中であり、気持ちの良さを表すように太ももをゆらゆらと揺らしていた。

 オーガズムの直前を維持されて、しかし快楽はどこまでも高まる。気をやるという言葉がある通り、達するとブレーカが落ちたように身体は落ち着くんだ。
 でもこの状態を維持すると、水が湯に変わっても気づかないカエルのように、だんだん限界を超えてゆく。

 のけぞったまま彼女はぽっかりと口を開けていく。たらたら溢れる唾液をまるで気にせず、意識の乏しい瞳で青空を見あげる。
 天国か楽園か。繰り返し繰り返し甘イキを味わって、そうしてようやく、ずっ、ずっ、とセックスのように指が動く。

「あっ、あっ、あっ、あっ!」

 イかされると気づいたのだと思う。途端に汗だくの身体がべたっと抱きついてきた。
 肩に顎を乗せて、耳元で彼女が指に合わせて鳴いてくれるから気分がいいし、ぬるぬるの乳房が役得だと思う。
 ココナッツオイルの香りに包まれながら、彼女からの痙攣が直に伝わる。なんて幸せなんだろうと思いながら、乳房の先端を親指でグッと押す。そのままヌルルーッと刺激をたっぷり与えると、茜ちゃんを少しだけ狂わせられる。

「あ゛っ、あ゛っ、こんなのイクっ、イクっ!」

 じゅわりと溢れてくる愛液と、小刻みに震えて締めつけてくるおまんこ。それを指で感じ取りながら、俺もがっしりと抱きしめて固定をすると淫猥な指の動きを早めてゆく。

「あああ゛~~、イぐ、よぉ……ッ!」

 ぎゅう、とおまんこの上にある膨らみを親指で押すと、びぐっという強い痙攣が起こる。両の脚を持ち上げ、つま先をピンと伸ばし、そして俺にがっしりとしがみついたまま熱い液体が手のひらにかかった。
 ビュ、ビュ、と熱い液体は尚も彼女の股間から勢いよく溢れ出し、そのたびにビグビグと密着した裸体が震える。
 おおお゛、と泣くような声を絞り出しながら、彼女は耳たぶまでみるみる赤くなってゆく。

 ああ、来た。
 ついにカウントゼロを迎えたんだ。
 ぬっぽりと入り込んだ指は、小刻みに震えるおまんこに締めつけられており気持ちがいい。
 密着する肌はカッと熱を高めて、俺まで汗を流すほど熱いと思う。はああ、はああ、と湿度の高い吐息を首筋に感じるし、腕のなかでイキ続ける彼女を可愛いとも思う。

「もうちょっと気持ちよくなろうね、茜ちゃん」

 緊張と弛緩だ。
 まだここが終着地ではないと知っている俺は、身体が弛緩するときを狙って乳頭と陰核、そしてスポットという三点責めで、脚をがくがく震わせる強制的なオーガズムの継続を促す。

「あ、あ、あ、あ゛ーー……ッ!」

 びくく、びくく、と下半身だけ別の生き物のように痙攣をして、甲高い声をあげながら彼女は俺の肩に突っ伏した。耐えきれなかったんだ。男だって射精の時間が一分ほどあったら、きっとこんなあえぎ声を漏らす。無理ですと泣きながら、はへはへとだらしのない息をする。

 彼女もそうだ。ゆっくりと顔をあげると唇から唾液にまみれた舌を覗かせており、小刻みな呼吸を繰り返す。そして密着した乳房から感じるのはむせかえるようなココナッツオイルの香り、そしてドクドクと激しく鳴り続ける心臓の音だった。

 その表情がふわっと惚けていくのは幾たびかの甘イキによるものだ。女性にだけ許される幸せを感じ取り、ぽたぽたと乳房に唾液をこぼしながら、そんな美しい顔に見とれていたとき…………ちゅ、とやわらかな唇に包まれた。
 思わず呻くほど不意打ちだったし、彼女の鼓動が伝わるほど情熱的でもあった。

 綺麗だと思う。親指をその唇に食ませて、温かい唾液を感じながらそう思う。
 唇をすぼめ、その温かい口内に飲み込まれてじっくりと舐めてくれる彼女を愛おしいと思う。そのときに自然と声を出していた。

「俺と付き合ってくれませんか、茜さん」

 こくんと親指を吸ったまま彼女は頷く。それから瞳をまたたかせて、いじけた表情をしたのは「あーあ、もったいぶろうと思ったのに」と思っていたのかもしれない。だけど親指にキスをしながら彼女は瞳に笑みを浮かべてくれたんだ。
 伸ばされた腕は俺の首に絡みつき、そしてふっくらとしたやわらかなその唇と触れあうと、あったかいと思った。

「私、今日から徹さんの彼女になります」

 そのひとことで世界が輝いた。
 あ、どうしよう。すごく嬉しい。
 どきどきするし、ほっとするし、こんなに素敵な子と付き合えるなんて明日には死んじゃうんじゃないかと思う。
 そしてこつんと額を触れ合って、にへらと互いに笑う。

「ひゃー、照れます」
「言わないで。俺だってニヤけるのを我慢してるんだから」

 こんなに好きだったんだなあって驚いた。視界いっぱいに彼女が笑ってくれていて、やっぱり夢なんじゃないかなと思うほどに。
 そのせいか、にんまりとした笑みを彼女は深めた。

「ふふ、徹さん可愛い。ねえ、私を茜って呼び捨てにしてくれません?」
「ひゃー、なにそれ! すごく難度が高い!」

 早く早くと肩を掴んでせがまれると、お互いに素っ裸でいることも気にならなくて、なぜかすごく距離の近さを感じる。
 子供みたいな会話だけど、でもやっぱり俺たちは大人だ。
 重ねられた手は自然と指の付け根まで深く絡みあい、ねちゅ、と大人っぽいキスをする。そしてゆっくりと寝台に押し倒してゆくのだが、ふとなにかを思い出したように彼女の唇は離れた。

「千夏!」

 問い詰めるようなその声に、ぱっと俺は振り向く。そこには誰もおらず……しかし一呼吸ほど置いてから困った表情の千夏ちゃんが上半身だけを覗かせる。
 やっぱりと茜ちゃんは顔をしかめながら呟いて、それからタオルで俺の身体を包んだ。

「覗いちゃだめ」
「……覗いてないもん。勝手に聞こえてきたんだもん。ひとりぼっちで寂しかったし、ベッドメイクの人が来てたから眠れなかったし」

 茜ちゃんは怒りの表情をしていたのに、そのひとことで瞳を真ん丸にさせる。そしてバタン、ブロロという車の離れてゆく音を聞いて、みるみる顔を赤く……いや、青くさせてゆく。

「き、聞こえちゃったかな……」
「さっき山びこになってたよ」

 ぺたんと両手で茜ちゃんは顔を覆い隠した。
 もう死にたいと呟きながら。
 置き忘れたマッサージ用具は、あの状況ではとても回収できなかったらしい。そりゃそうだ。俺だって回れ右をする。
 ごめんねと謝ったけど、茜ちゃんはなかなか俺を見てくれなかった。
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