本当に欲しかったもの

ざくろ

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おばあちゃんがくれた私のふくろう

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 おばあちゃんがくれたもの。なんてことのない日々の贈り物。
 食べるには甘すぎる飴、水族館の沢山のリーフレット、ふくろうが描かれた箸、……。

 「ふくろうの箸、ついに折れちゃったね。」「いつも探すんだけど、全然ないの。」「〇〇、気に入ってたのにね」
 そんな言葉を母から言われたからか、私の日々の扱いが母にそう思わせたのか、私にとっておばあちゃんがどこかのお土産で買ってきてくれた箸は大切なものだった。なんてことのない、どこかのお土産。そんなに深く考えて買ってないかもしれないけど、旅先で私のことを想って買ってきた一膳の箸。いつもらったのかわからないけど、たぶん三、四年は使って、小学校低学年の頃には折れて使えなくなった。茶色の本体で、上の方にピンクのふくろうがいた。上が矢羽根みたいな形で、それぞれに目が描かれてて、二つを合わせると一羽のふくろうになった。食べるのが遅かった私は、ごはん中ずっとその箸を見て、ふくろうの顔を合わせて見つめながら咀嚼した。それくらいしかごはん中にできることなかったし、そこに大した意味はなかったと思う。
 お母さんがいつも作るごはん。噛めば噛むほど味がして、きっとそれが面白くて不思議で、本当にずーっと噛んでたんだ。数字が書かれた丸い板をみて、長い黒い針が緩慢な動きで1周とかしてたような、してないような。もう随分と前の話で、全部の輪郭がぼやけてる。
 ふくろうの箸があった頃、私はごはんを味わって食べていたように思う。
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