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結婚式に乗り込んで申し訳ないけれど、結婚する前に私との婚約を解消してくれませんか?
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「父上、どういうことですか?
学園に入ることが決まった時、コイツとの婚約を解消すると言っていましたよね?」
「あー、忘れていたな...ハハハ。」
マフシス伯爵様ったら、不味いことになったと焦っておられるご様子ですわね。
けれど、婚約の解消をしていないことを忘れていないことは分かっておりますわ。
我が家との契約により得られる恩恵を享受したままで、婚約を解消することなど出来ませんものね。
勿論、契約は大幅に見直しますわ。
「え、ちょっと待って!
私との婚約契約書はどうなっておりますの?!」
「正式に出されたのであれば、真っ赤になっておられるのでは?」
何も悪くないのに、マフシス伯爵家の不始末に巻き込まれてしまったイリーヌ様がお可哀そうですわ。
あぁ、ルシーク子爵家にもお手紙をお出ししましたのよ?
けれど、
『婚約契約書も交わしているので間違いなど無い筈だ!』
と言い切られましたのよね。
『ドミーヌ伯爵令嬢がマフシス伯爵子息の婚約者であるというのは、ドミーヌ伯爵令嬢の妄想なのではないか?
精神病院にでも行かれることをお勧めする。』
とも。
イリーヌ様は知らないご様子だとお聞きしておりますし、ルシーク子爵様がお書きになられたのですけれど、婚約前に貴族院への確認を怠ったのは悪手ですわ。
「お母様!」
「あら、貴女の婚約契約書はここにあるわよ?
ほら、白いままですわよ?
ん?.........あら?......これ、名前が間違えているかもしれないわ。」
「え?」
「ほら、ここ、マフシス伯爵子息の署名欄を見て、スペルが違う気がするの。」
「......自分の名前のスペルをミスしたのか?」
ウフフフフ!
あら、やっとお気づきになられましたか?
テシア・マフシスと書かなければならない所ですけれど、マフシス伯爵子息はかなりの悪筆でございますので、テフィア・マフフィスと読めてしまいますのよね...貴族院の職員さんによって家名は修正していただけたようですけれど、お名前は修正されなかったようですわ。
スペルが違いますので、存在しないマフシス伯爵子息と婚約しておられますのよね。
ウフフ、マフシス伯爵様は息子の悪筆をご存知ですので確信犯なのでしょうけれど、ルシーク子爵家に関しましては確認不足ですわ。
全員が署名した後に、内容や署名に不備が無いかを再度確認するのは常識ですわ。
「え?ちょっと見せてください......いや、ミスなんてしてないけど?」
「は?」
「どう見ても、テフィアと書いてあるわよ!」
「え?テシアだよ!」
「第三者である神官様に見ていただいては?」
「うぇっ?私ですか?」
突然始まった修羅場に、所在なさげに気配を消しておられました所申し訳ないのですけれど、円滑に終わらせるために巻き込ませていただきますわ。
「そうだな、神官殿これはテシアと書いてあるよな?」
「は、拝見させていただきます。」
「ほら、ミスなどしていないだろ?
おい、どうなんだ?」
「私には、テフィア・マフフィスと読めます。」
「な、何?!」
「マフシス伯爵子息は、少々悪筆なのですわ。」
本当のことですので、にっこり証言させていただきますわ。
学園の課題などは本人が書かなくても構わないため、従者に代筆させていたのでしょうね。
当たり前のことですけれど、契約書の署名は本人のみですもの。
そう言えば、イリーヌ様はマフシス伯爵子息の文字を見たことが無かったのかしら?
私には代筆でのお手紙すら届いたことなどありませんけれど、イリーヌ様には代筆でのお手紙を出しておられたのかしら?
送られた代筆でのお手紙の文字を、マフシス伯爵子息の書いた文字だと思っていたのかもしれませんわね。
私は婚約契約書をお書きになるときにとても苦労いたしましたので知っておりましたけれど、目の前で文字を書く機会なんて殆どありませんわ。
*
学園に入ることが決まった時、コイツとの婚約を解消すると言っていましたよね?」
「あー、忘れていたな...ハハハ。」
マフシス伯爵様ったら、不味いことになったと焦っておられるご様子ですわね。
けれど、婚約の解消をしていないことを忘れていないことは分かっておりますわ。
我が家との契約により得られる恩恵を享受したままで、婚約を解消することなど出来ませんものね。
勿論、契約は大幅に見直しますわ。
「え、ちょっと待って!
私との婚約契約書はどうなっておりますの?!」
「正式に出されたのであれば、真っ赤になっておられるのでは?」
何も悪くないのに、マフシス伯爵家の不始末に巻き込まれてしまったイリーヌ様がお可哀そうですわ。
あぁ、ルシーク子爵家にもお手紙をお出ししましたのよ?
けれど、
『婚約契約書も交わしているので間違いなど無い筈だ!』
と言い切られましたのよね。
『ドミーヌ伯爵令嬢がマフシス伯爵子息の婚約者であるというのは、ドミーヌ伯爵令嬢の妄想なのではないか?
精神病院にでも行かれることをお勧めする。』
とも。
イリーヌ様は知らないご様子だとお聞きしておりますし、ルシーク子爵様がお書きになられたのですけれど、婚約前に貴族院への確認を怠ったのは悪手ですわ。
「お母様!」
「あら、貴女の婚約契約書はここにあるわよ?
ほら、白いままですわよ?
ん?.........あら?......これ、名前が間違えているかもしれないわ。」
「え?」
「ほら、ここ、マフシス伯爵子息の署名欄を見て、スペルが違う気がするの。」
「......自分の名前のスペルをミスしたのか?」
ウフフフフ!
あら、やっとお気づきになられましたか?
テシア・マフシスと書かなければならない所ですけれど、マフシス伯爵子息はかなりの悪筆でございますので、テフィア・マフフィスと読めてしまいますのよね...貴族院の職員さんによって家名は修正していただけたようですけれど、お名前は修正されなかったようですわ。
スペルが違いますので、存在しないマフシス伯爵子息と婚約しておられますのよね。
ウフフ、マフシス伯爵様は息子の悪筆をご存知ですので確信犯なのでしょうけれど、ルシーク子爵家に関しましては確認不足ですわ。
全員が署名した後に、内容や署名に不備が無いかを再度確認するのは常識ですわ。
「え?ちょっと見せてください......いや、ミスなんてしてないけど?」
「は?」
「どう見ても、テフィアと書いてあるわよ!」
「え?テシアだよ!」
「第三者である神官様に見ていただいては?」
「うぇっ?私ですか?」
突然始まった修羅場に、所在なさげに気配を消しておられました所申し訳ないのですけれど、円滑に終わらせるために巻き込ませていただきますわ。
「そうだな、神官殿これはテシアと書いてあるよな?」
「は、拝見させていただきます。」
「ほら、ミスなどしていないだろ?
おい、どうなんだ?」
「私には、テフィア・マフフィスと読めます。」
「な、何?!」
「マフシス伯爵子息は、少々悪筆なのですわ。」
本当のことですので、にっこり証言させていただきますわ。
学園の課題などは本人が書かなくても構わないため、従者に代筆させていたのでしょうね。
当たり前のことですけれど、契約書の署名は本人のみですもの。
そう言えば、イリーヌ様はマフシス伯爵子息の文字を見たことが無かったのかしら?
私には代筆でのお手紙すら届いたことなどありませんけれど、イリーヌ様には代筆でのお手紙を出しておられたのかしら?
送られた代筆でのお手紙の文字を、マフシス伯爵子息の書いた文字だと思っていたのかもしれませんわね。
私は婚約契約書をお書きになるときにとても苦労いたしましたので知っておりましたけれど、目の前で文字を書く機会なんて殆どありませんわ。
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