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6 : 裁判を終えて...待ち人の元へ参りましょう。
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じーーっと2人を見つめていると、私の手にモフッとしたものが触れてきました。
「ティリー、採寸終わったよー。」
「まぁ、スリゼル早かったのね...お疲れ様。」
「獣化してるときの採寸って、大変なんだね。
僕、人化してるときにしか採寸したことないから、なんか違和感がね...凄かった。」
大体の人達は通常個体と同じ大きさだから既製品でも大丈夫だけれど、スリゼルみたいに通常個体よりも大きく成長した人って、筋肉とかの付き方も違ったりするらしくて、デザインから考えないといけないから大変なのよね...。
獣化している状態でも、裸を晒すのに抵抗があるという人も結構多いと聞くし、身体を動かすことを考えて測らないといけないらしいですし、採寸がすんなりいくのは珍しいってアリエルさんも言ってたものね。
「そういえば、人化しているときに着ていた服って、どうなっているの?
いつも不思議だったのよ。」
「?分かんない。
でも、人化しているときに服を着たままで獣化して、それからまた人化したらちゃんと服を着てるよ?
人化してても獣化してても、裸は寒いもんね。」
そっか、本人でも分からないのね...あら、獣化しているときはモフモフだけど、裸だと寒く感じるのね。
原理は分からず仕舞いか...原理を解き明かせたら、早着替えが出来るのかな?って思っていたのだけれど、まぁ、獣人の生態については研究する人が少ないから仕方無いのかしら。
「あの2人、悪い顔してるねー。」
「王家との話し合いについて考えてるのよ。」
「ふーん...王家の人達苦労するだろうね。
あっ、さっきのお針子さんが、夏用だけ直ぐに作ってくれるんだって。」
「あら、そうなの?」
「うん、今必要だろうからって、言ってた。」
私の従者をしていたときは、かっちりとした口調で喋ってたのに、ここにいるのは身内だけだからかしら?
凄くユルユルな幼い口調になってるのよね。
それとも、獣化しているからかしら?
「ねぇ、スリゼル、人化しているときと獣化しているときって、口調が変わるものなの?」
「うーん、獣化しているときは、なんか喋りにくいよ?」
「それでなの...貴方、幼い口調になっているから何でかしら?って思ってたの。」
「そっか、早く、慣れないとね。」
「そうね。
私はそのままでも構わないと思うのだけれど、貴方が侮られるのは承服出来ないわ。」
「ズボンが出来たら、暫く獣化して過ごそうかな?
獣化した状態で沢山お話しすれば、慣れるよね?」
「そうね、いっぱいお喋りして、早く慣れましょうね。」
獣化しているときと人化しているときで、喋り方って変わるのね...スリゼルを筆頭に、獣人の方々とは付き合いが長いと思っていたけれど、知らなかったわ。
獣人は、どちらの形態でも一人前にならなければ、きちんとした大人であると認められないっていうのは聞いたことがあるのよねぇ。
スリゼルが暫く獣化しておくのならその間にいっぱいお喋りして、人化しているときと変わらないくらいに喋れるようにお手伝いいたしましょう。
「うん、あっ、ユークリスさん!」
「スー坊っちゃん、ティリーお嬢様、お2人は王家との話し合いの前に色々と話し合いたいようですので、私達3人で他の服を決めてしまいましょう。」
ウフフ、そうね、お祖父様とお兄様はコソコソと話しておられますし、スリゼルと私のお洋服は私達だけで決めてしまいましょう。
お兄様のものとスリゼルのもの、布をお揃いにしたらきっと可愛いわよね?
お揃いにするのなら、どれにしようかしら?
*
「ティリー、採寸終わったよー。」
「まぁ、スリゼル早かったのね...お疲れ様。」
「獣化してるときの採寸って、大変なんだね。
僕、人化してるときにしか採寸したことないから、なんか違和感がね...凄かった。」
大体の人達は通常個体と同じ大きさだから既製品でも大丈夫だけれど、スリゼルみたいに通常個体よりも大きく成長した人って、筋肉とかの付き方も違ったりするらしくて、デザインから考えないといけないから大変なのよね...。
獣化している状態でも、裸を晒すのに抵抗があるという人も結構多いと聞くし、身体を動かすことを考えて測らないといけないらしいですし、採寸がすんなりいくのは珍しいってアリエルさんも言ってたものね。
「そういえば、人化しているときに着ていた服って、どうなっているの?
いつも不思議だったのよ。」
「?分かんない。
でも、人化しているときに服を着たままで獣化して、それからまた人化したらちゃんと服を着てるよ?
人化してても獣化してても、裸は寒いもんね。」
そっか、本人でも分からないのね...あら、獣化しているときはモフモフだけど、裸だと寒く感じるのね。
原理は分からず仕舞いか...原理を解き明かせたら、早着替えが出来るのかな?って思っていたのだけれど、まぁ、獣人の生態については研究する人が少ないから仕方無いのかしら。
「あの2人、悪い顔してるねー。」
「王家との話し合いについて考えてるのよ。」
「ふーん...王家の人達苦労するだろうね。
あっ、さっきのお針子さんが、夏用だけ直ぐに作ってくれるんだって。」
「あら、そうなの?」
「うん、今必要だろうからって、言ってた。」
私の従者をしていたときは、かっちりとした口調で喋ってたのに、ここにいるのは身内だけだからかしら?
凄くユルユルな幼い口調になってるのよね。
それとも、獣化しているからかしら?
「ねぇ、スリゼル、人化しているときと獣化しているときって、口調が変わるものなの?」
「うーん、獣化しているときは、なんか喋りにくいよ?」
「それでなの...貴方、幼い口調になっているから何でかしら?って思ってたの。」
「そっか、早く、慣れないとね。」
「そうね。
私はそのままでも構わないと思うのだけれど、貴方が侮られるのは承服出来ないわ。」
「ズボンが出来たら、暫く獣化して過ごそうかな?
獣化した状態で沢山お話しすれば、慣れるよね?」
「そうね、いっぱいお喋りして、早く慣れましょうね。」
獣化しているときと人化しているときで、喋り方って変わるのね...スリゼルを筆頭に、獣人の方々とは付き合いが長いと思っていたけれど、知らなかったわ。
獣人は、どちらの形態でも一人前にならなければ、きちんとした大人であると認められないっていうのは聞いたことがあるのよねぇ。
スリゼルが暫く獣化しておくのならその間にいっぱいお喋りして、人化しているときと変わらないくらいに喋れるようにお手伝いいたしましょう。
「うん、あっ、ユークリスさん!」
「スー坊っちゃん、ティリーお嬢様、お2人は王家との話し合いの前に色々と話し合いたいようですので、私達3人で他の服を決めてしまいましょう。」
ウフフ、そうね、お祖父様とお兄様はコソコソと話しておられますし、スリゼルと私のお洋服は私達だけで決めてしまいましょう。
お兄様のものとスリゼルのもの、布をお揃いにしたらきっと可愛いわよね?
お揃いにするのなら、どれにしようかしら?
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