8 / 8
8*
しおりを挟む
「あらあら、人にぶつかって転けさせておいて謝りもしないの?
まぁ...そうよね、不法侵入者なのですもの...常識が無くても仕方ありませんわよね。
ま、今は良いわ!
そこの人、育児に長けた者をご紹介するとか仰っておられましたけれど、どうにも......育児に長けた者には見えませんわ。
まさか、育児というものはただ身の回りの世話をすることだとでも思ってらっしゃるの?
ウフフ、育児というものはね?
してもいいこととしてはいけないこと、物の名前や危険な物のことなど...生活する上で必要な常識を教えることも大事ですのよ?」
「は?赤ちゃんの世話をするのだから同じことじゃない!」
「まぁまぁ、大変だわ!
きちんとご説明してさしあげましたのに、どうして理解出来ないって顔をするのかしら?
あぁ、きっと頭が沸いてらっしゃるのね?
早めに、きちんとしたお医者様に診ていただいた方が良いわ!
良いお医者様を紹介してさしあげましょうか?」
「なっ?!」
「ばぁやさん、格好良い!」
「ばーや!」
あ、私は、女性達が臭いからと少し離れてパパさんと一緒に野次ってます!
アイリーンさん、頑張れー!
あ、でもでも、その人貴族っぽいけど大丈夫かな?
「ばーや...」
「ウフフ!ルシアちゃん、ばぁやはね?
この国では、ゴードフリード辺境伯爵家と縁がありますの。
だから、このお嬢さん方が貴族の方でも心配無用よ。」
「ばーや!」
私が心配したことに気付いたらしいアイリーンさんが、ウフフと品よく微笑みながら新たな事実をぶっちゃけてきました。
正直に言うと、ゴードフリード辺境伯爵家ってどんなところなのか知らないけれど、辺境伯爵家だから貴族だよね!
なら、あのお嬢様とやらにも意見できる立場なんだよね?
「ゴードフリード辺境伯爵家と縁ある...ですって??
あんたみたいな老婆、知らないわ!
頭沸いてるのはそっちでしょう??!」
「あら?私、前ゴードフリード辺境伯爵の妹でしてよ?
今の辺境伯爵様は私の甥っ子になりますの。
私が嫁いだのは貴女が産まれる前でしょうから、私のことを知らなくても仕方ありませんわ。」
「え...?」
「私は他国へと嫁ぎましたけれど、旦那様も亡くなられましたし...子供達も巣立ちましたから、故郷へと戻って参りましたの。
陸路では最短でも2年はかかってしまいますからどうしようかと悩んでおりましたら、こちらの船長さんに快く船に乗せていただきましたの。
初めての子育てだとお聞きしましたから、ルシアちゃんの子育てのお手伝いをしておりますのよ?
自分の子供を5人、途中までですけれど孫を7人育てた経験がありますわ。」
アイリーンさんって子沢山なんだよね...そんなに若々しくて細いのに、尊敬します。
そして、可愛らしく頬に手を添えてマシンガンのように捲し立てるアイリーンさんが格好良い!
あ、後ね?辺境伯爵家の方だったって聞いたパパさんが、目を見開いて驚いてるよー。
無意識に、私の頬っぺたにムギュッとパパさんの頬っぺたが密着してますです。
あ!ミシャードさんだぁー!
眉間に皺寄ってるよ?大丈夫?
そう、跡にならないように丁寧に揉みほぐしてね。
ミシャードさんに険しい顔をされると、やっぱりとっても怖いんだよねー。
流石はリザードマン!凛々しいお顔立ちなのです。
「やれやれ、これはかなり面倒ですね。
アイリーンさん......出来れば、私にだけでも教えておいてほしかったです。」
「ウフフ、ごめんなさいねぇ?
でも、私がいると知ったところで憲兵は頭が固いから対応はそんなに変わらないと思うわよ?
私は他国に嫁いだ身なのですもの...。」
「アイリーンさんはこの国の貴族家のご出身なのですから、憲兵達にはアイリーンさんを守護する義務があります。
他国に嫁いだことは関係ありません。
もしもそれでも動かないと言うのであれば、憲兵達との取引は今後一切出来ませんね......全く信頼出来ませんから。」
苦笑するアイリーンさんにニッコリと微笑みかけるミシャードさん、お2人とも笑顔がかなり怖いのよ?
ミシャードさんは蟀谷に浮き上がった青筋がピクピクしてるし、いつも以上ににんまりしてる感じ?
私が、ミシャードさんに怒られても気にせずに再度悪戯をしても、こんなに怖い顔して怒らなかったよ?
ミシャードさんって憲兵さん達のことが嫌いなのかな?
いつも温厚なミシャードさんが嫌うってことは、きっと面倒な人達なんだろうね...会いたくないわぁ。
*
まぁ...そうよね、不法侵入者なのですもの...常識が無くても仕方ありませんわよね。
ま、今は良いわ!
そこの人、育児に長けた者をご紹介するとか仰っておられましたけれど、どうにも......育児に長けた者には見えませんわ。
まさか、育児というものはただ身の回りの世話をすることだとでも思ってらっしゃるの?
ウフフ、育児というものはね?
してもいいこととしてはいけないこと、物の名前や危険な物のことなど...生活する上で必要な常識を教えることも大事ですのよ?」
「は?赤ちゃんの世話をするのだから同じことじゃない!」
「まぁまぁ、大変だわ!
きちんとご説明してさしあげましたのに、どうして理解出来ないって顔をするのかしら?
あぁ、きっと頭が沸いてらっしゃるのね?
早めに、きちんとしたお医者様に診ていただいた方が良いわ!
良いお医者様を紹介してさしあげましょうか?」
「なっ?!」
「ばぁやさん、格好良い!」
「ばーや!」
あ、私は、女性達が臭いからと少し離れてパパさんと一緒に野次ってます!
アイリーンさん、頑張れー!
あ、でもでも、その人貴族っぽいけど大丈夫かな?
「ばーや...」
「ウフフ!ルシアちゃん、ばぁやはね?
この国では、ゴードフリード辺境伯爵家と縁がありますの。
だから、このお嬢さん方が貴族の方でも心配無用よ。」
「ばーや!」
私が心配したことに気付いたらしいアイリーンさんが、ウフフと品よく微笑みながら新たな事実をぶっちゃけてきました。
正直に言うと、ゴードフリード辺境伯爵家ってどんなところなのか知らないけれど、辺境伯爵家だから貴族だよね!
なら、あのお嬢様とやらにも意見できる立場なんだよね?
「ゴードフリード辺境伯爵家と縁ある...ですって??
あんたみたいな老婆、知らないわ!
頭沸いてるのはそっちでしょう??!」
「あら?私、前ゴードフリード辺境伯爵の妹でしてよ?
今の辺境伯爵様は私の甥っ子になりますの。
私が嫁いだのは貴女が産まれる前でしょうから、私のことを知らなくても仕方ありませんわ。」
「え...?」
「私は他国へと嫁ぎましたけれど、旦那様も亡くなられましたし...子供達も巣立ちましたから、故郷へと戻って参りましたの。
陸路では最短でも2年はかかってしまいますからどうしようかと悩んでおりましたら、こちらの船長さんに快く船に乗せていただきましたの。
初めての子育てだとお聞きしましたから、ルシアちゃんの子育てのお手伝いをしておりますのよ?
自分の子供を5人、途中までですけれど孫を7人育てた経験がありますわ。」
アイリーンさんって子沢山なんだよね...そんなに若々しくて細いのに、尊敬します。
そして、可愛らしく頬に手を添えてマシンガンのように捲し立てるアイリーンさんが格好良い!
あ、後ね?辺境伯爵家の方だったって聞いたパパさんが、目を見開いて驚いてるよー。
無意識に、私の頬っぺたにムギュッとパパさんの頬っぺたが密着してますです。
あ!ミシャードさんだぁー!
眉間に皺寄ってるよ?大丈夫?
そう、跡にならないように丁寧に揉みほぐしてね。
ミシャードさんに険しい顔をされると、やっぱりとっても怖いんだよねー。
流石はリザードマン!凛々しいお顔立ちなのです。
「やれやれ、これはかなり面倒ですね。
アイリーンさん......出来れば、私にだけでも教えておいてほしかったです。」
「ウフフ、ごめんなさいねぇ?
でも、私がいると知ったところで憲兵は頭が固いから対応はそんなに変わらないと思うわよ?
私は他国に嫁いだ身なのですもの...。」
「アイリーンさんはこの国の貴族家のご出身なのですから、憲兵達にはアイリーンさんを守護する義務があります。
他国に嫁いだことは関係ありません。
もしもそれでも動かないと言うのであれば、憲兵達との取引は今後一切出来ませんね......全く信頼出来ませんから。」
苦笑するアイリーンさんにニッコリと微笑みかけるミシャードさん、お2人とも笑顔がかなり怖いのよ?
ミシャードさんは蟀谷に浮き上がった青筋がピクピクしてるし、いつも以上ににんまりしてる感じ?
私が、ミシャードさんに怒られても気にせずに再度悪戯をしても、こんなに怖い顔して怒らなかったよ?
ミシャードさんって憲兵さん達のことが嫌いなのかな?
いつも温厚なミシャードさんが嫌うってことは、きっと面倒な人達なんだろうね...会いたくないわぁ。
*
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
悪役令嬢の父は売られた喧嘩は徹底的に買うことにした
まるまる⭐️
ファンタジー
【第5回ファンタジーカップにおきまして痛快大逆転賞を頂戴いたしました。応援頂き、本当にありがとうございました】「アルテミス! 其方の様な性根の腐った女はこの私に相応しくない!! よって其方との婚約は、今、この場を持って破棄する!!」
王立学園の卒業生達を祝うための祝賀パーティー。娘の晴れ姿を1目見ようと久しぶりに王都に赴いたワシは、公衆の面前で王太子に婚約破棄される愛する娘の姿を見て愕然とした。
大事な娘を守ろうと飛び出したワシは、王太子と対峙するうちに、この婚約破棄の裏に隠れた黒幕の存在に気が付く。
おのれ。ワシの可愛いアルテミスちゃんの今までの血の滲む様な努力を台無しにしおって……。
ワシの怒りに火がついた。
ところが反撃しようとその黒幕を探るうち、その奥には陰謀と更なる黒幕の存在が……。
乗り掛かった船。ここでやめては男が廃る。売られた喧嘩は徹底的に買おうではないか!!
※※ ファンタジーカップ、折角のお祭りです。遅ればせながら参加してみます。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!
翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。
「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。
そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。
死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。
どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。
その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない!
そして死なない!!
そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、
何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?!
「殿下!私、死にたくありません!」
✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼
※他サイトより転載した作品です。
神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる