これがホントの第2の人生。

神谷 絵馬

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1歳!行動範囲が拡がります!

領主館へとぶちこみますの!6

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「頼もぉーう!!」

「ちゃのもぉーーぅ!!」

あれ?これって必要なの?!
なんか、楽しそうな気がしてやっちゃったけど。

「あ、どうぞー。」

「失礼します。」

ん?厳つい門兵さんがいたから大丈夫かな?って思ってたけど、あっさり通れちゃったんだけど?それで良いのか?!警備はどうした!!
あ、私はお母さんの腕の中におりますです...はい。
私はフェンちゃんに乗って行く予定だったんだけど、お母さんを1人にするとしれっと暴れそうだからと、お母さんが私を抱っこすることになりました。
妊娠してるんだから、気を付けないとね!

「その合言葉、久しぶりに聞きましたよー。
しかも、こんなにちっちゃい子までー!偉いねぇー。」

「あぃあちょ!」

「領主夫人様は、かなり面倒なタイプの生粋のお貴族様ですから、あまりマトモに相手をしない方が良いですよー。
頭の回転遅いですし、身分が1番って考え方なんで、憲兵と神官が契約の不履行を盾にして責める方が話しが早いと思われますー。
あ、マグレイン君、新しい魔法を試すのならば、グチグチ平民は...とか差別的な文句を言ってきたときに、庭に向かって放つことをオススメするよー。
ここは領主様の生家で、とても大切にしている館なので...館全体を吹っ飛ばすのは勘弁してあげてほしいんですよねぇー。
応接室と庭程度ならば、領主様はとても悲しまれるでしょうけど...再建は可能なのですよー。」

え、あれ合言葉だったの?
うん、丁寧な口調なのに必ず語尾を伸ばす人には初めて会いました。
お2人共、撫で方がとても優しいので、お心もきっと優しい方々なのでしょう。
ご忠告、痛み入ります...。
1名、一言も発してませんが!

「そうですか...領主様の生家なのですね......チッ。
では、少し威力を調整しないといけませんね...あ、庭に東屋などはありますか?」

「領主夫人様のお気に入りの東屋がありますよー。」

「なら、それを...。」

「えぇ、そうしてくださると...領主様にはあまり影響がありませんので、とてもありがたいですー。」

「ご助言ありがとうございます。」

「いえいえ、どうぞ、お気を付けてくださいませねー。」

うん、2人の中で話しが決まったみたいです。穏やかに微笑む門兵さんが、私を恐る恐る撫でてくれた厳つい門兵さんと一緒に手を振ってくれてます。
私も振り返しとこーっと!
あ、まるで旅に出るときのお見送りみたい...。

「ウフフ、門を吹き飛ばすのは、警備上大変だものね。」

あ、そっか...そこは気にしてなかったよー。
お母さん、かなり楽しそうだけど...領主様に怒られちゃうよね?
うーん、今回は領主様側の過失によるぶちこみだから大丈夫なのかな?

「そこの方?私達の愛しいレイを返していただきに参りましたわ。
レイは、どこにおりますかしら?」

「え?ッ!!!な、なんで?!もう!ご家族が迎えに来られたのなら、せめて教えて欲しかったわ!!門兵さん達ったら!!
申し訳ございません。
直ぐに、息子さんを呼んで参りますので...あ、そうだった!
先ずは、応接室へとご案内させてくださいませ。」

うん、対応がかなり手慣れてるみたいだね?
あぁ、普段から我が儘坊っちゃんの尻拭いをさせられてるのかもね...。
門兵さん達に文句を言ってたけど、まぁ、仕方ないよね。
突然来たらビックリするもん。

「えぇ、お願いいたしますわ。」

「どうぞ、こちらです。」





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