思い付き短編集

神谷 絵馬

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「ほれ、ここが砦だ。」

「砦?わぁ!洞窟みたい!」

「ん、中は狭いからな。すまんが歩いてくれ。」

「はい!」

辿り着いた砦の入り口は、まんま洞窟です。2.5メートルくらいの扉が付いてるけど、周りは苔むした岩石に覆われていてなんだか格好いい!重そうな扉を開けてくれたのでお礼を言ってから中に入ると、玄関というよりは広場のようになっていて、上に行くための階段やベンチが見える。ここで靴を脱ぐわけでは無いみたい。階段の近くを覗いてみたら、普通の木製の廊下が見えました。想像してたのとは違うけど、岩よりは歩きやすそうで安心かな?後ろに付いて行くこと数分、誰ともすれ違いませんね。広場にもいなかったけど、他にも人、いるんだよね?

「..........ここだ。」

「あ、はい!失礼します。」

急に止まらないで欲しいなぁ。ただ、扉を開けて待っててくれるのはとてもありがたいです。この部屋の扉って、分厚くて金属製で重そうだったのよねぇ。厳つい顔で、気遣いの出来る優しい人。前の奥さんは、なんで捨てちゃったんだろうね。

「ここは、元妻の部屋だ。」

「え?」

「ここには、今、男しかいない。分かるか?男しかいないんだ。」

「は、はい。えっと、鍵がかかる部屋が、ここしかないんですか?」

「そうだ。もう1つあったが、そこは元妻が女達を殺したからな...掃除中だ。
あぁ、元妻の物は全て処分してある。それと、魔道具も呪具も、何も仕掛けられていないことを確認してある。」

「ご配慮、ありがとうございます。えっと、そこの扉を開けてみても良いですか?」

「あぁ。」

案内されたのが元奥さんの部屋とか、なんか怖っ!とか思ったんだけど、ちゃんと処分したり確認したりしてくれてるんなら安心かな?
中には、木製の扉がひーふー、2つで...あ、キッチンは扉が無いんだ...閉めきってると危険だからかな?赤い石が1つ嵌まったコンロっぽいのと、作業スペースと、水を溜められそうな桶と水色の石が嵌まったジョウロがある。あ、単体でも使えるけど、そこに固定しても使えるんだ!便利だなぁ。
さてさて、湯浴みは、この桶にお湯を入れて身体を拭くんだね...。桶にお湯を入れて手湯とか足湯なら出来そう。
お、トレイがぼっとんじゃない!これは、水洗式?!便器の蓋に水色の石が嵌まってる!これって、魔石とかかな?なんだかワクワクするー!

「女用の部屋は、全てにキッチンと湯浴み場とトイレを設置してある。十分だろう?」

こんなに至れり尽くせりのお部屋をお借りできるなんて、ありがたいです。

「はい!むしろ、とてもありがたいです。ありがとうございます。
えっと、それで、お聞きしたいのですが、具体的に私は何をしたら良いのでしょうか?」

「礼には及ばん。
そうだな...ここでは働かざる者食うべからずという先祖の言葉を実践しているから、落ち人と言えど1つは仕事を頼みたい。さっき、少しならば出来ると言っていた繕いを頼みたい。それと、今だけで構わないが、ポーション作りを頼めるか?」

「ここにも、そのことわざがあるんですね。驚きました。手縫いは自信があまりありませんが、頑張ります!ポーションとは、作り方をお聞きしてもよろしいですか?」

─コンコンコンコンコン─

「ん。届いたか...ありがとう。」

「いえいえ!」





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