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愚かな人達ね...分を弁えなさい?3
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「あら、どうなされましたの?旦那様?」
娘の部屋の扉を開けると、どんよりとした雨の降りそうな曇り空みたいな目をした旦那様がおりました。
ぐっすりと旦那様の肩の辺りを握り締めて眠る娘を、大事に大事に抱っこしておりますけれど、帰ってきた私を見たとたんに、溜め息を1つ。
「...疲れたよ。
やはり、父よりも母が良いみたいで...かなり泣かれたんだ......。
2人きりはもう嫌だ!
君とベアトリーチェと僕の3人が良いよ!!」
「うふふ、ベラは良く寝ておりますわね...。
お仕事を休んでくださって、ありがとうございました。」
「ん?当たり前だろう?
君に用事があるのなら、父である僕が娘の面倒を見るのは普通のことだよ。
何のために育児休があると思っているの?」
「そうね...けれど、それを利用する男性はまだ少ないわ。
私の友人の旦那様は、妻である友人にどんなに外せないお茶会があったとしても、育児休なんて取ったことないわよ?
いつも謝りながらも幼い子供を同伴しておりますもの。」
「へぇ...こんなに可愛い盛りの子供を世話しないなんて、馬鹿な男もいるんだね。
成長したら、
『お父様なんて嫌い!』
って言われるんだろうなぁ。
それか無視だよ...僕は、そんなの絶対に嫌だよ?
きっと耐えられないよ...。」
「あらあら、そんな情けない顔をしないで?
きっと、お父様が大好きな子に育つわ。
こんなにも愛情を注いでおられるのですもの...ね?」
「そうだと良いんだけど。」
ベラの眠りが覚めないようにと優しく揺れながら、自分の発言に無性に不安にかられたらしく...娘を悲しげに見つめる旦那様は、なんだか迷子の子供のようで...やはり、娘大好きなこの人をたぶらかすのは難しいと思うわ。
あの方は、あんまり可愛い方ではありませんでしたもの。
「さ、そちらのソファへ参りましょう?
ずっと立っていては足が疲れてしまいますわ。」
「うん、そうだね。」
うふふ、腕の中で眠るベラを愛しげに見つめて、恐る恐る額にキスをする旦那様が可愛らしいわ。
勿論、唇をムニムニと動かしながらも頬をピンク色に染めて、旦那様の腕の中でぐっすりと眠っているベラも可愛いわよ?
「それで、もう切り捨てたの?」
「えぇ、やっと切り捨てられましたわ。
あ、一応気付いてはいたのですけれど...愛人との間に娘がいたそうですの。
それで、あの人が私に告げたその子の嫁ぎ先についてなのですけれどね?
うふふ、おかしいのよ?」
「?どうしたの?」
「うふふ、私の婚約者である貴方をその子の婿とするのですって!」
「...ん?
もう婚姻が成立しているから婚約者ではないけど...どうやって?
え?!姉の旦那を妹に譲れとか言うの?
えっと、本当に貴族の生まれの方なの?」
「うふふ、不思議でしょ?
けれど、一応は貴族の生まれなのよ?」
「ちゃんとした教育を受けてないんだね。
可哀想に...。」
ベラの頬を優しく撫でながら、軽蔑の目線でどこか遠くを見つめる旦那様。
予想通りの反応ね...。
「そうみたいね。
ま、お家が教育をしなかったのか...ただただ本人が逃げていたのかは知りませんけれど。
母との離縁もやっと成立いたしましたから、これで身軽だわ!」
「軽い嫌がらせや悪質な悪戯のようなことは行うけど、牢に収容されるような悪いことはなかなか行わない人達だったからね...。
愛人を連れて行く夜会やガーデンパーティも、ご自身の生家よりも序列が下の男爵が主催するものばかりだったしね。」
「そうでしたわねぇ...。
立場が上になった筈の私を呼び出して、愛人との再婚を宣言してくださって本当に良かったですわ!
あんなだらしない方が、可愛いベラの祖父だなんて...あり得ませんもの。」
*
娘の部屋の扉を開けると、どんよりとした雨の降りそうな曇り空みたいな目をした旦那様がおりました。
ぐっすりと旦那様の肩の辺りを握り締めて眠る娘を、大事に大事に抱っこしておりますけれど、帰ってきた私を見たとたんに、溜め息を1つ。
「...疲れたよ。
やはり、父よりも母が良いみたいで...かなり泣かれたんだ......。
2人きりはもう嫌だ!
君とベアトリーチェと僕の3人が良いよ!!」
「うふふ、ベラは良く寝ておりますわね...。
お仕事を休んでくださって、ありがとうございました。」
「ん?当たり前だろう?
君に用事があるのなら、父である僕が娘の面倒を見るのは普通のことだよ。
何のために育児休があると思っているの?」
「そうね...けれど、それを利用する男性はまだ少ないわ。
私の友人の旦那様は、妻である友人にどんなに外せないお茶会があったとしても、育児休なんて取ったことないわよ?
いつも謝りながらも幼い子供を同伴しておりますもの。」
「へぇ...こんなに可愛い盛りの子供を世話しないなんて、馬鹿な男もいるんだね。
成長したら、
『お父様なんて嫌い!』
って言われるんだろうなぁ。
それか無視だよ...僕は、そんなの絶対に嫌だよ?
きっと耐えられないよ...。」
「あらあら、そんな情けない顔をしないで?
きっと、お父様が大好きな子に育つわ。
こんなにも愛情を注いでおられるのですもの...ね?」
「そうだと良いんだけど。」
ベラの眠りが覚めないようにと優しく揺れながら、自分の発言に無性に不安にかられたらしく...娘を悲しげに見つめる旦那様は、なんだか迷子の子供のようで...やはり、娘大好きなこの人をたぶらかすのは難しいと思うわ。
あの方は、あんまり可愛い方ではありませんでしたもの。
「さ、そちらのソファへ参りましょう?
ずっと立っていては足が疲れてしまいますわ。」
「うん、そうだね。」
うふふ、腕の中で眠るベラを愛しげに見つめて、恐る恐る額にキスをする旦那様が可愛らしいわ。
勿論、唇をムニムニと動かしながらも頬をピンク色に染めて、旦那様の腕の中でぐっすりと眠っているベラも可愛いわよ?
「それで、もう切り捨てたの?」
「えぇ、やっと切り捨てられましたわ。
あ、一応気付いてはいたのですけれど...愛人との間に娘がいたそうですの。
それで、あの人が私に告げたその子の嫁ぎ先についてなのですけれどね?
うふふ、おかしいのよ?」
「?どうしたの?」
「うふふ、私の婚約者である貴方をその子の婿とするのですって!」
「...ん?
もう婚姻が成立しているから婚約者ではないけど...どうやって?
え?!姉の旦那を妹に譲れとか言うの?
えっと、本当に貴族の生まれの方なの?」
「うふふ、不思議でしょ?
けれど、一応は貴族の生まれなのよ?」
「ちゃんとした教育を受けてないんだね。
可哀想に...。」
ベラの頬を優しく撫でながら、軽蔑の目線でどこか遠くを見つめる旦那様。
予想通りの反応ね...。
「そうみたいね。
ま、お家が教育をしなかったのか...ただただ本人が逃げていたのかは知りませんけれど。
母との離縁もやっと成立いたしましたから、これで身軽だわ!」
「軽い嫌がらせや悪質な悪戯のようなことは行うけど、牢に収容されるような悪いことはなかなか行わない人達だったからね...。
愛人を連れて行く夜会やガーデンパーティも、ご自身の生家よりも序列が下の男爵が主催するものばかりだったしね。」
「そうでしたわねぇ...。
立場が上になった筈の私を呼び出して、愛人との再婚を宣言してくださって本当に良かったですわ!
あんなだらしない方が、可愛いベラの祖父だなんて...あり得ませんもの。」
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