思い付き短編集

神谷 絵馬

文字の大きさ
56 / 112
最近更新。

伝言ゲームか!?!4

しおりを挟む
あ、リヨルド猊下は、全体的に父様にそっくりなの。
父様よりは少し背が小さいけど、顔が本当にそっくりなのよ?
父様よりは短い黒髪を、耳より少し高めの位置でポニーテールにしてから緩く3つ編みにしてて、同じように垂れた切れ長の翠の瞳なの。

そんなリヨルド猊下は、中性的な美貌を持ってるからって理由で王妃様に女装させられたことがあるんだってー。
で、あれよあれよという間に、王妃様の兄君にエスコートされて夜会に出させられてしまってかなり慌てたんだけど、皆コロッと騙されたらしいの。
身体付きは特に弄ってなかったから胸とか無かった筈なんだけど、誰にもバレなかったんだって。
この国、大丈夫かな?

「アリー、一緒にお庭のお散歩しよっか。」

「うん!ヴえるしゃまちょ、いっちょにおしゃんぽちゅるー!」

「はい、僕のお手々をちゃんと握ってね?」

「はーい!おちぇちぇちゅなぐにょ!」

歩きたくて足をパタパタさせてたら、それを察したらしいヴェル様が優しく降ろしてくれて、手を繋ごうと差し出しながら腰を屈めてくれる。
ヴェル様はかなり歩きづらいだろうに、優しいなぁ。

「ハルク様はこちらなのでしょう??
のらりくらりとした無意味な言い訳は結構ですから、さっさと取り次ぎなさい!!」

「チッ!」

舌打ちした?!
ヴェル様が、心底忌々しそうに顔を歪めながら舌打ちしましたのですよ?
あれ?言葉がおかしくなってる...?

女性の声を聞いた途端に不機嫌になったヴェル様に抱っこされて、お庭をズンズンと進んでいき...全体的に水色の精緻な彫刻が成された東屋にたどり着くと、私を膝に乗せて抱き締めてくる。
あー、あのキンキンと甲高く喚くばかりの声の女性に会いたくないのね?
で、ここで時間が過ぎるのを待つと、そういうことかな?

「ヴえるしゃま?ぎゅーって、ちないの?」

「今、心の赴くままにアリーをぎゅーってしたら、きっとアリーが痛い思いをしてしまうから...今は、このくらいで我慢するの。」

「じゃあ、わたちが、ぎゅー。」

「アリー...。」

あー、なんとなくだけど分かったかも?
あの声の女性って、ヴェル様の婚約者候補だった人かー...面倒だなー。

ほら、本当に盟約の娘が生まれるかなんて分からないでしょ?
だから、ヴェル様が20歳になるまでは猶予をってことになって、生まれなかったときに備えて一応婚約者候補を5人程立ててたんだって。
盟約の娘のことも含めてきちんと公表はされてるらしいの。

婚約者候補の皆さんはヴェル様と5歳差らしいから...今は12歳かな?
ほらほら、ヴェル様が20歳になったときに15歳になるから、結婚適齢期入りたてでしょ?
もしも盟約の娘が生まれたとして、候補から外されても次の嫁ぎ先を見付けやすいようにって配慮らしいよ?

それで、私が生まれたことで婚約者候補になっていた5人はお役御免になって、既に3人は新たな婚約者を見付けたみたいなんだけどね。
残りの2人に関しては、私が幼いこともあってかお披露目をしてないから、自分達が未だに婚約者候補だって思い込んでるみたいでちょくちょくこうして特攻を仕掛けてくるの。
本当に婚約者候補ならば、ちょくちょく交流を持つのは大事なことなんだけどね?
でも、もう正式な婚約者が決まって候補からは外されてるんだから...簡単に会える筈無いんだけど。





*
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

悪役令嬢が処刑されたあとの世界で

重田いの
ファンタジー
悪役令嬢が処刑されたあとの世界で、人々の間に静かな困惑が広がる。 魔術師は事態を把握するため使用人に聞き取りを始める。 案外、普段踏まれている側の人々の方が真実を理解しているものである。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

私が……王太子……のはずだったのに??

#Daki-Makura
ファンタジー
最愛と朝を迎えたら……城下が騒がしい……?? 一体……何が起きているのか……??

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

私を裏切った夫が、後悔しているようですが知りません

藤原遊
恋愛
政略結婚として、公爵家に嫁いだ私は 愛のない夫婦関係を「仕事」だと思い、正妻の役目を果たしてきた。 夫が愛人を持つことも、 その子を屋敷に迎え入れることも、黙って受け入れてきた。 けれど―― 跡取りを、正妻の子ではなく愛人の子にする。 その言葉を、人前で軽く口にした瞬間。 私は悟ったのだ。 この家では、息子を守れないと。 元々、実家との間には 「嫡子以外の子は実家の跡取りにする」という取り決めがあった。 ならば話は簡単だ。 役目を終えた私は、離縁を選ぶ。 息子と共に、この家を去るだけ。 後悔しているようですが―― もう、私の知るところではありません。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

処理中です...