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定石編
石坂嘉正と畠山京子(12歳10ヶ月)
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入学して最初のホームルームだった。
「畠山京子です。囲碁棋士になるため小学六年の一学期終わりに秋田から上京してきました。今年の一月に行われた女流棋士採用特別試験に合格してプロになりました。手合い……対局のある日は学校を休まなければならないので、勉強が遅れないように頑張りたいと思います。部活動は、秋田にいた頃に……」
秋田には美人が多いと聞いていたが、これほどまで美しい人がいるのかと思った。
肩まで伸ばした艶やかな黒髪は肌の白さを引き立てていた。目は切れ長、眉は意思の強そうな真っ直ぐな形で、唇は太くもなく細くもなくキュッとしまり、先月まで本当に小学生だったのかと疑いたくなるほど大人びて清楚な印象を与えた。スラリとした体型で背も高くモデルのようだ。
しばらく石坂嘉正は上の空で見惚れていた。だからその後の京子の発言は全く覚えていない。
(囲碁か……)
嘉正はルールさえ知らなかった。
将棋は知っている。幼い頃はよく父や兄と指していた。学校にも将棋を指せるクラスメイトが何人かいて、休み時間などに指していた。
でも囲碁をしている人には会ったことすらない。おそらく父も囲碁のルールは知らないんじゃないかと思う。
ただ囲碁というゲームの存在は子供の頃から知っていた。「両方できたらカッコいいだろうな」とも思っていた。
(将棋は上達しなかったけど、プロから教えてもらえたら僕でもそこそこ強くなれるかもしれない)
運動が苦手な石坂嘉正の部活は決まった。
●○●○●○
気象庁が関東地方の梅雨入りを発表したその日の朝、石坂嘉正はいつもより早く学校に登校した。
囲碁部の部長や先輩からあるミッションを命じられたからだ。
嘉正が囲碁部に入部して数日後、囲碁部部長が嘉正と畠山京子は同じクラスだと気づいた。
「畠山さんから指導碁を受けられないか、交渉してみてくれないか。あ、勿論、すぐにとは言わないよ。君達はまだ入学したばかりだし、畠山さんも仕事優先しなきゃならないだろうし。頃合いをみてさ」
はっきり言って断りたかった。
嘉正は同年代の女子が苦手なのだ。
両親の職業柄、年上の女性とはしょっちゅう会話しているので、へっちゃらだ。
だが同年代となると、どうしても緊張して上手く話せなくなる。
しかも相手はあの美少女・畠山京子だ。平常心で話せるわけがない。
何かしら理由をつけ、のらりくらりと話を先延ばしにすれば、いつか部長が指導碁の件を忘れてくれるんじゃないかな~、などと不届きな事を考えていた矢先、先輩部員から「そろそろ畠山さんに指導碁の件、頼んでみてよ」と打診された。
先輩に逆らう術を知らない嘉正は勇気を振り絞って畠山京子に声をかけることにした。
嘉正は京子が朝早くに登校するのを知っていた。
休み時間、同じクラスの女子と京子との会話が聞こえてきて、どうやら家では囲碁の勉強を優先させるため、学校の勉強は学校でしかやらないようで、朝早く学校に来て宿題をやるらしい。
朝のまだ誰もいない教室で声をかければ、誰の目も気にせず話せて、なんとかなるんじゃないかと考えた。
1年A組と書かれた教室の前で、嘉正は大きく深呼吸した。
(大丈夫。夕べあんなに練習したんだし)
昨夜私室でどんなふうに交渉するか、何度もシミュレーションしたのだ。
嘉正は音を立てないよう、そっと教室の扉を開けた。
予想した通り、中には京子しかいなかった。思わず小さくガッツポーズしてしまった。美少女に話しかけてる自分を誰にも見られたくない。もし見られたのが女子だったりしたら、後でどんな噂を流されるか予想もつかない。
京子は自分の机に座って宿題をやっているようだ。教室の扉が開いたことに気づいて顔を上げた。自分と目が合った。
「おはよう、石坂くん。今日は早いね」
(畠山さんが僕の名前を覚えてる⁉︎)
これは予想外だった。
成績はパッとせず、運動神経も残念で、背も低く、眼鏡をかけていて、大人しい嘉正はいつも教室の隅で本を読んでいるぼっち陰キャラ丸出しだからだ。
全くの想定外に嘉正は動揺した。
(どうする⁉︎ 自分かなり動揺してるぞ?このまま指導碁の交渉して大丈夫か⁉︎いや、夕べの練習を無駄にしてたまるか!いってまえ!)
嘉正は勇気を振り絞って京子に近づき話しかけた。
「ははは畠山さん、ししししどし指導どどどどぅ……」
自滅した。昨日あれだけ練習したのに。本番に弱い自分のダメっぷりをまさかここで存分に発揮してしまうとは……。
嘉正は京子に背を向けて自分の席に着こうとしたら、呼び止められた。
「石坂くん、たしか囲碁部だったよね。もしかして指導碁の申し込み?」
まさか自分の名前を覚えているだけでなく、部活の事まで知ってるなんて!
(もしかして畠山さん、僕のこと好き?よくある『小動物系かわいい』とか『いつも教室の隅で独りでなんか気になる』とか、そんな感じ⁉︎もしかしてワンチャンあったりするか⁉︎)
すっかり舞い上がった嘉正は言葉が全く出てこなくなり、首を縦に振り続けた。
「そう。今日、第一体育館が照明機器の緊急点検で使えなくてバスケ部、練習休みだから今日だといいんだけど。どうかな?」
嘉正は震える手でスマホを取り出し懸命に部長にLINEした。
その日の授業は全く頭に入らなかった。
●○●○●○
放課後、石坂嘉正は畠山京子を伴い部室に向かって歩いていた。嘉正は緊張で歩き方がおかしくなっている。
途中、何人かが振り返って京子をチラチラ見ていた。入学して二ヶ月経つのに、まだこうして注目されている。しかも男女問わず。やはり目を引く美少女だ。
「石坂くんは、いつ囲碁を始めたの?」
京子が嘉正に話しかけてきた。
「えっと……中学からだけど……」
「えっ⁉︎じゃあ最近?なんで囲碁始めようと思ったの?」
質問が続いた。まさか自分に興味を持たれるとは思っていなかった。もしかしたら本当にワンチャンあるかも⁉︎
「将棋は知ってるけど、囲碁のルールは知らなかったから、両方出来るようになったらカッコいいかなって……。それにプロがいるならちゃんと教えてもらえるかなって思って……」
(しまった!正直にベラベラと喋ってしまった。始めた理由が「カッコいいから」なんて。畠山さんにチャラい奴だって思われたかも……)
しかし京子の反応は嘉正が思っていたのとは正反対だった。首を九十度左に曲げバッと振り向き、
「それって私⁉︎始めた理由がプロの私がいるから⁉︎」
と食ってかかってきた。
「えっ?う、うん……」
「いよっしゃぁー!やったーっ!イエイ!」
急に大声をあげ大袈裟なガッツポーズをする京子に、嘉正だけでなくすれ違う人達も美少女のオーバーリアクションを見てドン引きしていた。
(誰?この人……?)
嘉正の中の畠山京子の清楚で大人しく可憐なイメージが音を立てて崩れていった。いや、勝手に清楚な人だろうと思い込んでいた嘉正が悪いのだが、ただギャップが大き過ぎた。
(畠山さんてこういう人だったの……?そういえばバスケ部だし、体育会系……?)
京子は入学式後の自己紹介でバスケ部に入ると宣言したらしいが、嘉正は京子に見惚れていて聞いていなかった。
てっきり囲碁部に入ると思って入部した嘉正は、いつまで経ってもなぜ京子は囲碁部に来ないのかわからず、部長にそれとなく聞くと、「プロはアマチュアの大会に出られないから、それなら他の部に入ろうと思ったんじゃないか」と言われた。
少し考えればわかりそうなものを。指導碁の交渉を任された時点で、おかしいとなぜ思わなかったんだろう。アマチュアの大会に出てるJリーガーなんて、たしかに見たことない。
とにかく嘉正の中の京子のイメージはすっかり覆り、「僕、なんのために囲碁部に入ったんだろう」とまで思い始めていた。
全く頭に入らなかった今日の授業時間を返して欲しい。
「あ、ごめん。驚かせて。プロの仕事に普及活動もあるからさ。私がきっかけで囲碁を始めたって人が一人でも現れたら嬉しいなって思ってたから」
京子は嘉正の目をじっと見つめ笑顔でこう続けた。
「石坂くんが第一号ね!囲碁、始めてくれて、ありがとう!」
ドキッと鳴った自分の心臓の鼓動が嘉正の耳にはっきり聞こえた。
(やっぱりこの人、かわいいな)
嘉正は赤くなった顔を隠すため、足を早めて京子より先に歩いた。
「畠山京子です。囲碁棋士になるため小学六年の一学期終わりに秋田から上京してきました。今年の一月に行われた女流棋士採用特別試験に合格してプロになりました。手合い……対局のある日は学校を休まなければならないので、勉強が遅れないように頑張りたいと思います。部活動は、秋田にいた頃に……」
秋田には美人が多いと聞いていたが、これほどまで美しい人がいるのかと思った。
肩まで伸ばした艶やかな黒髪は肌の白さを引き立てていた。目は切れ長、眉は意思の強そうな真っ直ぐな形で、唇は太くもなく細くもなくキュッとしまり、先月まで本当に小学生だったのかと疑いたくなるほど大人びて清楚な印象を与えた。スラリとした体型で背も高くモデルのようだ。
しばらく石坂嘉正は上の空で見惚れていた。だからその後の京子の発言は全く覚えていない。
(囲碁か……)
嘉正はルールさえ知らなかった。
将棋は知っている。幼い頃はよく父や兄と指していた。学校にも将棋を指せるクラスメイトが何人かいて、休み時間などに指していた。
でも囲碁をしている人には会ったことすらない。おそらく父も囲碁のルールは知らないんじゃないかと思う。
ただ囲碁というゲームの存在は子供の頃から知っていた。「両方できたらカッコいいだろうな」とも思っていた。
(将棋は上達しなかったけど、プロから教えてもらえたら僕でもそこそこ強くなれるかもしれない)
運動が苦手な石坂嘉正の部活は決まった。
●○●○●○
気象庁が関東地方の梅雨入りを発表したその日の朝、石坂嘉正はいつもより早く学校に登校した。
囲碁部の部長や先輩からあるミッションを命じられたからだ。
嘉正が囲碁部に入部して数日後、囲碁部部長が嘉正と畠山京子は同じクラスだと気づいた。
「畠山さんから指導碁を受けられないか、交渉してみてくれないか。あ、勿論、すぐにとは言わないよ。君達はまだ入学したばかりだし、畠山さんも仕事優先しなきゃならないだろうし。頃合いをみてさ」
はっきり言って断りたかった。
嘉正は同年代の女子が苦手なのだ。
両親の職業柄、年上の女性とはしょっちゅう会話しているので、へっちゃらだ。
だが同年代となると、どうしても緊張して上手く話せなくなる。
しかも相手はあの美少女・畠山京子だ。平常心で話せるわけがない。
何かしら理由をつけ、のらりくらりと話を先延ばしにすれば、いつか部長が指導碁の件を忘れてくれるんじゃないかな~、などと不届きな事を考えていた矢先、先輩部員から「そろそろ畠山さんに指導碁の件、頼んでみてよ」と打診された。
先輩に逆らう術を知らない嘉正は勇気を振り絞って畠山京子に声をかけることにした。
嘉正は京子が朝早くに登校するのを知っていた。
休み時間、同じクラスの女子と京子との会話が聞こえてきて、どうやら家では囲碁の勉強を優先させるため、学校の勉強は学校でしかやらないようで、朝早く学校に来て宿題をやるらしい。
朝のまだ誰もいない教室で声をかければ、誰の目も気にせず話せて、なんとかなるんじゃないかと考えた。
1年A組と書かれた教室の前で、嘉正は大きく深呼吸した。
(大丈夫。夕べあんなに練習したんだし)
昨夜私室でどんなふうに交渉するか、何度もシミュレーションしたのだ。
嘉正は音を立てないよう、そっと教室の扉を開けた。
予想した通り、中には京子しかいなかった。思わず小さくガッツポーズしてしまった。美少女に話しかけてる自分を誰にも見られたくない。もし見られたのが女子だったりしたら、後でどんな噂を流されるか予想もつかない。
京子は自分の机に座って宿題をやっているようだ。教室の扉が開いたことに気づいて顔を上げた。自分と目が合った。
「おはよう、石坂くん。今日は早いね」
(畠山さんが僕の名前を覚えてる⁉︎)
これは予想外だった。
成績はパッとせず、運動神経も残念で、背も低く、眼鏡をかけていて、大人しい嘉正はいつも教室の隅で本を読んでいるぼっち陰キャラ丸出しだからだ。
全くの想定外に嘉正は動揺した。
(どうする⁉︎ 自分かなり動揺してるぞ?このまま指導碁の交渉して大丈夫か⁉︎いや、夕べの練習を無駄にしてたまるか!いってまえ!)
嘉正は勇気を振り絞って京子に近づき話しかけた。
「ははは畠山さん、ししししどし指導どどどどぅ……」
自滅した。昨日あれだけ練習したのに。本番に弱い自分のダメっぷりをまさかここで存分に発揮してしまうとは……。
嘉正は京子に背を向けて自分の席に着こうとしたら、呼び止められた。
「石坂くん、たしか囲碁部だったよね。もしかして指導碁の申し込み?」
まさか自分の名前を覚えているだけでなく、部活の事まで知ってるなんて!
(もしかして畠山さん、僕のこと好き?よくある『小動物系かわいい』とか『いつも教室の隅で独りでなんか気になる』とか、そんな感じ⁉︎もしかしてワンチャンあったりするか⁉︎)
すっかり舞い上がった嘉正は言葉が全く出てこなくなり、首を縦に振り続けた。
「そう。今日、第一体育館が照明機器の緊急点検で使えなくてバスケ部、練習休みだから今日だといいんだけど。どうかな?」
嘉正は震える手でスマホを取り出し懸命に部長にLINEした。
その日の授業は全く頭に入らなかった。
●○●○●○
放課後、石坂嘉正は畠山京子を伴い部室に向かって歩いていた。嘉正は緊張で歩き方がおかしくなっている。
途中、何人かが振り返って京子をチラチラ見ていた。入学して二ヶ月経つのに、まだこうして注目されている。しかも男女問わず。やはり目を引く美少女だ。
「石坂くんは、いつ囲碁を始めたの?」
京子が嘉正に話しかけてきた。
「えっと……中学からだけど……」
「えっ⁉︎じゃあ最近?なんで囲碁始めようと思ったの?」
質問が続いた。まさか自分に興味を持たれるとは思っていなかった。もしかしたら本当にワンチャンあるかも⁉︎
「将棋は知ってるけど、囲碁のルールは知らなかったから、両方出来るようになったらカッコいいかなって……。それにプロがいるならちゃんと教えてもらえるかなって思って……」
(しまった!正直にベラベラと喋ってしまった。始めた理由が「カッコいいから」なんて。畠山さんにチャラい奴だって思われたかも……)
しかし京子の反応は嘉正が思っていたのとは正反対だった。首を九十度左に曲げバッと振り向き、
「それって私⁉︎始めた理由がプロの私がいるから⁉︎」
と食ってかかってきた。
「えっ?う、うん……」
「いよっしゃぁー!やったーっ!イエイ!」
急に大声をあげ大袈裟なガッツポーズをする京子に、嘉正だけでなくすれ違う人達も美少女のオーバーリアクションを見てドン引きしていた。
(誰?この人……?)
嘉正の中の畠山京子の清楚で大人しく可憐なイメージが音を立てて崩れていった。いや、勝手に清楚な人だろうと思い込んでいた嘉正が悪いのだが、ただギャップが大き過ぎた。
(畠山さんてこういう人だったの……?そういえばバスケ部だし、体育会系……?)
京子は入学式後の自己紹介でバスケ部に入ると宣言したらしいが、嘉正は京子に見惚れていて聞いていなかった。
てっきり囲碁部に入ると思って入部した嘉正は、いつまで経ってもなぜ京子は囲碁部に来ないのかわからず、部長にそれとなく聞くと、「プロはアマチュアの大会に出られないから、それなら他の部に入ろうと思ったんじゃないか」と言われた。
少し考えればわかりそうなものを。指導碁の交渉を任された時点で、おかしいとなぜ思わなかったんだろう。アマチュアの大会に出てるJリーガーなんて、たしかに見たことない。
とにかく嘉正の中の京子のイメージはすっかり覆り、「僕、なんのために囲碁部に入ったんだろう」とまで思い始めていた。
全く頭に入らなかった今日の授業時間を返して欲しい。
「あ、ごめん。驚かせて。プロの仕事に普及活動もあるからさ。私がきっかけで囲碁を始めたって人が一人でも現れたら嬉しいなって思ってたから」
京子は嘉正の目をじっと見つめ笑顔でこう続けた。
「石坂くんが第一号ね!囲碁、始めてくれて、ありがとう!」
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