思想で溢れたメモリー

やみくも

文字の大きさ
224 / 240
9章ー総力決戦編ー

224.快速遊泳

しおりを挟む
 まず、ギルムが水を蹴ってスクリュウに急接近して斬り掛かった。
 それに対抗してスクリュウは尻尾を高速回転させ、勢いよく尻尾で振り払おうとした。

ギルム「剣術:泳鷲斬えいしゅうざん

スクリュウ「二本も刀を持ちながら、そんな速く泳げるんだな。だがな……水中戦で俺様を超えることはできない!」

 するとスクリュウは尻尾の回転で水泡を発生させ、ギルムの遊泳を妨害した。

ギルム「…剣術:血核殲判」

 しかし、赤いオーラを纏わせた刀から斬撃波を乱れ撃ちして、水泡を全て消し去った。
 魔力の水泡が弾けて、細々とした水泡がギルムの視界を覆い尽くしたその時、ペンシルドリルの構えを取ったスクリュウの尻尾が突っ込んできた。

ギルム「…ッ!」

スクリュウ「俺様の鍛え上げられたこのドリル攻撃!さっきから防がれてばかりだが、今度こそその身体を貫いてやるからな?」

ギルム「…チッ…今響いてくるか…」

 咄嗟に刀を前に出して防御しようとしたギルムだったが、応急の止血しかしていなかった腹部の傷が今になって滲んできて、一瞬意識を削がれてしまった。
 そのたった数秒の間に防御が間に合わなくなるはずだが、スクリュウの軌道がズレた事で当たらずに済んだ。

スクリュウ「あっ?おかしい…今確かに捉えたはずだが手応えが無かった。今動ける奴で思い当たる奴は…!」

 気配を察知してスクリュウが振り向いた方向。そこには矢を放った直後と思われるファーマの姿があった。

ギルム「ファーマ…?」

スクリュウ「おい貴様!俺様に何しやがった!」

ファーマ「……。」

スクリュウ「あっそうか。こいつは悪魔だから水中で呼吸できないか。」

 悠長にそう言っていると、ファーマはボウガンに矢を装填しながら物凄いスピードで泳いで接近し、ほぼゼロ距離で矢を放った。

スクリュウ「は?!何でそんな早く動け…グハッ!」



 当然矢が命中したスクリュウは怯みながらも、ファーマに反撃しようと尻尾を高速回転させようとした。

スクリュウ「奇妙なフィジカルを見せやがって…レジスターの前に貴様を串刺しにしてや……ッ!…力が…上手く入らない…だと!」

 しかしスクリュウの尻尾は脱力し、ドリルのように回転させる事ができなかった。

スクリュウ「さては…矢に何かを仕込んでやがったな!」

 スクリュウの問いかけに対して何一つ反応せずに、ファーマはギルムの目を見て頷いた。

ギルム「いい仕事をするなファーマ…感謝する!」

 トドメを託されたギルムは痛みを忘れて刀を構え、第三の目を開眼した。

スクリュウ「俺様が貴様らなどに…負けてたまるか!刃術:ロケットペンシルドリル!」

 矢に仕組まれていた毒に抵抗し、スクリュウは全ての力を振り絞ってドリルのような尻尾を高速で突っ込ませた。

ギルム「足掻くな。楽にしてやるから。剣術:還土緑・瞑刀めいとう

スクリュウ「ふぁっ!……この俺様が…斬られた…?ギャァァァァァッ!」
  
 ギルムの二刀はスクリュウの尻尾と力比べするまでもなくスッと斬り伏せた。するとスクリュウは断末魔と共に人状態に戻り、倒れた。

ギルム「…安らかに。」

 そう口に零しながら、ギルムは斬撃波で水を裂いて部屋を元の状態に戻した。



萌愛「はぁ…死ぬかと思った…」

ゼディ「ありがとうございます。ファーマ、ギルム。」

ファーマ「ああ。俺もけっこう厳しかった。覚醒は無闇にするものじゃないな……」

ギルム「…無茶してたみたいだな。あまり無理はするなよ。」

ファーマ「分かってる。」

 彼らがそう言葉を交わしていると、先程までと違い平静さを失ったオクトパスが立ち上がった。

オクトパス「…おい…やったのか?相棒を…相棒を…!許さない…ああああああ!」

 刹那、オクトパスから膨大な魔力が衝撃波として放たれ、巨大なタコの姿に変身した。ただのタコではない。黒く禍々しい液体を身に纏った怪物だ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様を書いたストーリーです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...